目黒区は碑文谷。
東急東横線の学芸大学駅から徒歩8分程度のところに、 ダイエー碑文谷店はあります。
ダイエーについてダイエーは、中内功が1957年に神戸で創業した企業です。「よい品をどんどん安く」「For the Customers(お客様のために)」を掲げ、価格破壊に挑戦し、メーカーが価格決定権を握っていた小売の世界を大きく変えました。60~70年代に急成長し、1972年には三越を上回り、小売業で売上日本一を達成しました。1980年には売上高1兆円を突破。
小売業界のトップに君臨したダイエーでしたが、経営多角化の失敗とバブル崩壊によって業績は急速に悪化。2004年には産業再生機構入りし、丸紅とイオンの下で再建に取り組みますが、業績は回復しませんでした。そして2014年9月にはイオンの完全子会社となることが決定し、2018年を目途にダイエーの屋号は消える予定です。
ダイエー 沿革・1957年 株式会社ダイエーの前身 大栄薬品工業設立。1号店が千林駅前に開業
・1958年 三宮店開業(チェーン展開開始)
・1959年 株式会社主婦の店に改称
・1962年 株式会社主婦の店ダイエーに改称
・1968年 香里店開業(日本初の郊外型ショッピングセンター)
・1970年 株式会社ダイエーに改称
・1972年 東証1部に上場。小売業売上日本一を達成
・1975年 ローソン1号店開業
・1979年 ビッグ・エー1号店開業
・1980年 小売業初の売上高1兆円達成。プライベートブランド「セービング」発売
・1984年 プランタン銀座開業
・1988年 福岡ダイエーホークス発足
・1993年 福岡ドーム完成
・1994年 忠実屋、ユニード、ダイナハを吸収合併
・2004年 産業再生機構入り
・2005年 ダイエーホークスの株式譲渡。創業者の中内功氏が亡くなる。
・2006年 食品スーパーの屋号をグルメシティに変更
・2007年 イオン・丸紅と業務、資本提携
・2008年 イオンのトップバリュを導入
・2013年 イオンの連結子会社へ
・2015年 上場廃止
・2018年 屋号消滅(予定)
店舗外観

反対側から

大規模小売店舗表示板

フロアガイド(クリックで拡大できます)

まずは1階生鮮食品売場から見ていきましょう。
青果売場。一直線に続いています。

ミニトマトバイキングも種類豊富。

精肉売場付近。
天井からハロウィンの飾りつけ。

精肉売場。
「肉パ」のPOPが多数貼られています。

さつま姫牛のコーナー。
すき焼き用肉や焼肉盛り合わせが充実。

鮮魚売場付近。

鮮魚コーナーでは対面販売を実施。

お刺身の品揃えも豊富ですね。

チーズ売場。かなり充実しています。

生ハムなどの品揃え。
ダイエー赤羽店やダイエー麻布十番店と同様の品を見かけました。

洋菓子売場。

お惣菜売場。
凝った装飾が施されています。

次に2階へ参ります。
飲料売場の通路。

お菓子コーナー。
なつかしの駄菓子や輸入菓子も扱っています。

調味料などは一般的な品揃え。

お酒売場。

4階、紳士服売場。

子供服売場。

靴売場はイオングループのグリーンボックスが担当。

5階、日用雑貨売場。


6階、寝具・インテリア売場。

書店のアシーネ

総合スーパーとしては珍しいスポーツ用品売場。

7階 ヤマダ電機(旧サトームセン)

フードパーク。
ドムドムなど5店舗が出店。

ダイエー碑文谷店 店舗概要
開業: 1975年4月1日
店舗面積: 14009㎡
営業時間:
1~2階<食料品のフロア>9時~23時
3~7階<衣料・生活用品>9時~22時
住所: 東京都目黒区碑文谷4-1-1
駐車場: 608台(1000円以上お買い上げで3時間無料)
HP:
http://shop.daiei.co.jp/shop/ShopPageTop.do?shopid=0284価格調査(2015年10月26日) <この価格は一部を除き本体価格(税抜き)です>
キャベツ 250円
レタス 198円
きゅうり1本 58円
トマト(L玉、1つ) 148円
なす5本 228円
梨1個 198円
国産牛切り落とし100g 458円(税込)
国産豚バラ肉100g 228円(税込)
国産鶏もも肉100g 149円(税込)
日清フラワー小麦粉1kg 228円
日清キャノーラ油1L 328円
キューピーマヨネーズ450g 228円(ダイエーPB)
マルちゃん正麺 398円
コカ・コーラ1.5L 148円
ほろよい 105円
スーパードライ350ml6本 1018円
卵10個 198円
小アイス 98円
箱アイス 238~268円
冷凍食品 約3~4割引き
雪印コーヒー1L 138円
明治おいしい牛乳1L 255円
ブランド米5kg 1680円
おかめ納豆極小粒3パック 98円
明治ブルガリアヨーグルト450g 168円
ヤマサ昆布つゆ1L 298円
ミツカン味ぽん360ml 188円
はごろもシーチキン 70g×4缶 380円
コイケヤポテチ60g 85円
カルビーじゃがりこ 108円
シャウエッセン 2袋 498円
ハウスバーモントカレー230g 238円
パスコ超熟6枚 165円
< 店内・売場の様子 >
時間帯: 11~14時頃
お客さん: やや少ない
通路: やや広い
雰囲気: 明るい
客層: 高齢者1人、主婦多い
買い物内容: 生鮮、日配、日用品中心にやや多め
店内BGM: 洋楽、クラシックなど
精肉加工者: 自社店内、アルティフーズ(一部)
鮮魚加工者: 自社店内、
食品レジ:
2階 13台(6台稼働中)
1階 3台(2台稼働中)
トイレ: やや汚い
休憩スペース: あり(店内各所)
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: トップバリュ
今回やってきたのは、ダイエーの旗艦店とされる碑文谷店です。開業は1975年4月。地下1階・地上7階建てのビルで、衣食住揃えた大型総合スーパーです。1999年4月の改装時に、食品の強化のため1フロアだった食品売場を1階と2階の2フロアに分け、2004年と2005年にも改装を実施した両年が売上のピークで220億円を達成しました。ただ、その後売上は減少し、現在はピークの半分以下とも言われています。
1階の食料品売場から見ていきましょう。一番北側の入口から入ると、真っ直ぐに通路が続いており、青果、精肉、洋日配、そして突き当りに鮮魚、その右に和日配があります。総菜売場は青果売場とレジ付近というレイアウト。店内各所ではハロウィンの飾りつけがされており、お惣菜売場ではかぼちゃが置いてあるなど、とても凝っていて季節感があります。
青果売場では小分けパックが充実しており、有機野菜や香味野菜も豊富な品揃えです。一方で高級品が多いかというとそうでもなく、フルーツでも珍しい品物は見られませんでした。精肉売場ではダイエーのプライベートブランド「さつま姫牛」のコーナーを大きく展開。焼肉盛り合わせなども扱っておりファミリー向けの品揃えです。一方、豚肉や鶏肉では高級品・銘柄ブランドは見当たりませんでした。鮮魚売場では対面販売を実施していますが、調理場の前に並んでいるのはお刺身やお寿司ばかりで、ほとんど丸々一匹での魚の販売がありません。ここまでの大型店なのですから、調理を承る前提での販売も行ってみてはどうでしょうか。
お惣菜売場はダイエーとしては標準的な広さで、品揃えもそこまで凝っている感じはしませんでした。ピザやパエリアは販売しており、揚げ物バイキングも実施していますが、それは他店でも行っていることです。一方で洋日配コーナーでは、かなり豊富な種類のチーズを取り揃えていたり、洋菓子(スイーツ)も充実していたりするなど、こだわりが見られました。
2階のグロサリー売場はではトップバリュが散見され、こだわりの品もほとんど扱っていません。一方でお酒売場はワインを中心として品揃えが豊富で、木箱を使った陳列などディスプレイも魅力的に仕上がっています。ワインの表示にも風味の説明などが記載されており、好印象。
ここまで食料品売場を見てきましたが、面積が広いだけで一般的な他のダイエーと大きな違いは感じられませんでした。以前は碑文谷店だけ、特別高級志向の品揃えを行っていたという話を聞いたことがありますが、イオン傘下になって変わったのでしょうか。目黒区という都市部にここまでの大型店を構えているのですから、もっと上質・高級志向でも問題ないと思います。どうせならイオンフードスタイルストア・ダイエー赤羽店並みのラインナップを実現してもよいでしょう。
3階は婦人服、4階は紳士服・子供服のフロアです。総合スーパーらしい品揃えではありますが、スポット照明やマネキン陳列でやや上質感が出ていると感じます。5階は日用雑貨など暮らしの品のフロア。洗剤やラップといった消耗品だけでなく、収納用品や園芸用品など、かなり充実した品揃えです。
6階では寝具やインテリア用品などを扱っていますが、総合スーパーでここまでの品揃えを実現しているとは驚きです。写真のように、多くのベッドやソファが並んでおり、普通のスーパーでは不採算として真っ先に切られてしまう売場が大きなスペースを占めています。また、6階にはアシーネ(書店)が入居。以前はダイエー傘下でしたが、2015年9月にイオン傘下の未来屋書店に吸収合併され、現在はブランドの1つとして存続しています。
7階の半分のフロアにはヤマダ電機が入居。以前は秋葉原を中心に展開していた家電量販店「サトームセン」でしたが、2007年暮れにヤマダ電機に改称されました。7階のフードパークには5店舗の飲食店がありますが、その中には都内でわずか4店舗しかない「ドムドムハンバーガー」もあります。
平日の昼に行ったので、お客さんはどのフロアでも少なめでした。しかし、上層階にもある程度のお客さんがおり、大きな袋を下げた人を何人か見かけました。日頃の食料品だけでなく、日用品やインテリアなどもよく売れているから、ここまでの売上を出せるのだと思われます。フードコートは昼時には混雑しており、2階にあるスターバックスは朝からお客さんが入っていました。また店内には休憩用の椅子もかなり用意されており、ゆっくり買い物できるのは魅力的ですね。旗艦店だけあって接客態度も良く、すれ違う際には感じの良い「いらっしゃいませ」がありました。また、グロサリー売場や飲料売場の品出し、前出しは完璧に行われており、従業員の士気の高さが伺えます。
ダイエー碑文谷店は、2016年3月にイオンリテールに移管されることが決まっています。北海道や九州で移管された店舗は屋号が変更になりましたが、ダイエー碑文谷店もイオンになってしまうのでしょうか。また、大きな収益を上げているこの店舗を、どうイオン流に改装していくのかが注目されます。