東京都国立市。
JR南武線の矢川駅から徒歩3分程度のところに、ピーコックストア国立さくら通り店はあります。
こちらの店舗は2019年6月26日をもって営業を終了いたします。
閉店5日前に訪れましたのでご紹介いたします。
店舗外観。
1976年9月に開業

1階にはマクドナルド、オランダ屋(花屋)、2階にはダイソーが入居しており、ピーコックストア直営売場は1階のみです。
テナントも同時に閉店となります。

大規模小売店舗表示板。

閉店のご案内。大手スーパーよりも凝ったデザイン。

階段にはお客様からのメッセージコーナーも設置されていました。
落書きも多くなっていますが、たくさんの「ありがとう」のメッセージが寄せられていました。

開業当初の写真も展示されています。
当時は「国立ショッピングプラザ」という名称があったようですね。

2階に入居するダイソー。

値引きは行われていませんが、所々歯抜けになっています。

1階青果売場。
アイテム数が絞り込まれており、上質な商品は見当たりません。

少量パックの扱いはあるものの、有機野菜、地元野菜、珍しい薬味野菜など付加価値の高い商品は販売していません。
ホームページで「高品質スーパー」を名乗るのですから、この品揃えでは納得できません。

続いて精肉売場を配置。

アウトパック商品を並べているとは言え、品揃えの幅が少なすぎます。
牛肉は写真に映っている部分のみです。すき焼き用肉や安価なステーキ肉などは無いのでしょうか。

こちらは鮮魚売場。

こちらもアウトパック商品で対応。高級な本マグロのお刺身を扱うなど上質志向な品揃えですが、丸々一尾の魚やサクなどは販売していません。珍味は充実していますね。

鮮魚売場前には平台ショーケースもあるのですが、活用されていませんでした。

日配品コーナー。
POPの完成度はダイエー、イトーヨーカドーなどより劣るものの、ピーコックストアでは珍しく「売りつくしセール」を積極的に展開。

飲料売場。売り尽くしセールでは冷凍食品、アイスクリーム20%オフなどを実施。

パン売場。

惣菜売場のお弁当、揚げ物などはこの平台一カ所で収まってしまっています。
揚げ物バイキングもボリュームが無く、お弁当は定番品が中心で価格も微妙。

加工食品売場。ほとんど全品10%オフセールで売り切れも出ています。

ワインも値引きの対象となっていました。
ピーコックストア国立さくら通り店 店舗概要開業: 1976年9月
店舗面積: 約800㎡
営業時間: 9:00 ~ 22:00
住所: 東京都国立市富士見台4-3-2
駐車場: 21台(1000円お買い上げで1時間無料)
HP:
https://aeonmarket.co.jp/peacock_shop_detail.php?name=kunitachisakuradouri店内・売場の様子時間帯: 15時頃
客数: 少ない
客層: 高齢者中心
買い物内容: 生鮮、加食中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 明るい
品出し・前出し: 普通
クリンリネス: 普通
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: アドミック
鮮魚加工者: 東信水産東信館
食品レジ: 4台(1台稼働中)
セルフレジ: 無し
トイレ: 未確認
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: トップバリュ
店舗見学の感想6月26日で42年間の歴史に幕を下ろすピーコックストア国立さくら通り店を訪れました。月末でもないのに水曜日に閉店するというのは珍しいですね。一角にはマクドナルドも入居する昔ながらのスーパーという雰囲気。スポット照明の導入など最低限の改装は施されていますが、上質感ある雰囲気とは言えず、什器やプロモーションからもこだわりは感じられませんでした。
青果売場には青果台を設けず、通路の左右に展開するタイプ。季節の果物から定番野菜まで一通り揃えますが、珍しい野菜や有機野菜、地元野菜などこだわりの商品が全く見られず残念でした。カットフルーツもパインとスイカのみで彩りが無く、味気ない売場となっています。
鮮魚は杉並区荻窪に本店を置き、新宿伊勢丹をはじめ百貨店のデパ地下を中心に展開する鮮魚専門店「東信水産」が運営するセントラルキッチン「東信館」から供給を受けています。上質な本マグロのお造りなど高価格帯の商品も揃えますが、お刺身やサクよりも珍味、干物が多く、品揃えはイマイチ。
精肉は他のピーコックストアと同じくアドミックからのアウトパック商品を展開。こちらも大幅に絞り込まれた品揃えで、牛肉ではすき焼き用肉すら扱っていません。
惣菜売場はアイランド陳列が1島のみと非常に小さく、品揃えも貧弱です。店内加工のお弁当は4種類のみと少なく、定番の唐揚げ弁当は370円と微妙な価格設定。トップバリュのレトルトパウチ商品で棚を埋めたり工夫はしていますが、サラダ・揚げ物・弁当・寿司どれを切り取っても魅力のないコーナーとなっています。加工食品は一般的な品揃えで、高級品はほぼ扱っていません。
ピーコックストア青山店でも実施していた、巨大な画用紙にお客様からのメッセージを募るコーナーも階段で行われていました。やはり感謝のメッセージというより落書きになってしまうのは仕方ありませんね。閉店売りつくしセールでは加工食品全品10%引き、冷凍食品全品20%引きなどを実施しており、棚には品切れも出始めていました。しかし、閉店セール開催中にも関わらずお客さんは疎らで、レジも1人体制となっており混んだ時だけ応援が入るような状態。
売上が減少したから品揃え・仕入れを減らすということを繰り返していると、売上が上がることは無くジリ貧に陥っていきます。現状では競合のいなげやに比べ、生鮮品・惣菜の品揃えと価格が明らかに劣っています。売場面積はいなげやの方が狭いにも関わらずです。周辺住民の所得は比較的高く、従来のピーコックストアが得意としていた珍しい食材・輸入品を揃える高級路線も成功する見込みがあるのではないでしょうか。縮小均衡でなく、店舗への投資をしていかなくては、お客様への期待には応えられないでしょう。