茨城県日立市。
JR常磐線日立駅から徒歩4分程度のところに、イトーヨーカドー日立店はあります。
こちらの店舗は2022年1月16日をもって営業を終了いたしました。
閉店前日に訪れましたのでご紹介致します。
店舗外観。
お城のような建物ですね。
イトーヨーカドーは右手の建物に入居。左手の建物は医療センターなどが入居しており、4階以上は駐車場となっています。

閉店売りつくしの垂れ幕が掛かっています。

こちら側の入口に大規模小売店舗表示板がありました。

建物の裏手は総合スーパーらしい外観になっています。

裏手側からの入口。

立体駐車場とも連絡通路で結ばれています。

屋上広告塔はこちら側にあります。鳩のマークへは塗り替えられませんでした。

30年間たくさんの出会いにありがとう

閉店のご案内。

フロアガイド。
現在直営売場は地下1階から3階までに縮小。それでも食料品から衣料品、住まいの品まで揃う総合スーパーとして営業してきました。4階、5階は1月16日以降も営業を継続します。

大きな吹き抜けとダブルクロスエスカレーター。

営業終了まであと2日。

お客様からのメッセージがボード一面に貼りだされていました。
これだけ多くのお客様から愛された店舗だったんですね。

想定を超えたためかコーナーが増設されていました。

オープン当初の新聞記事などが展示されていました。
初日には5万人の来客があり、1日だけで売上高1億円にも達したそうです。

昔の日立市の風景なども展示。

それでは地下1階食料品売場から見ていきましょう。
イトーヨーカドーの閉店セールらしい紅白幕と、派手な装飾や垂れ幕が随所に見られました。

「30年間ご愛顧ありがとうございました」というPOPが至る所にあります。

店内は多くのお客さんで賑わっていました。

閉店セールという事で非常に激安な商品も見られました。

特に均一値引きを行っている訳ではありませんでしたが、売場は徐々に品薄になっていました。

和日配コーナー。

加工食品売場でも値引きは無いものの売場の縮小が進んでいました。

惣菜売場では寿司や天重などが特別価格で提供されていました。

2階肌着売場。


2階の特設会場。

3階寝具売場。

売場の一部は既に縮小されていた他、総合スーパーの閉店時によく出店している服飾雑貨の安売り店や鉄道の忘れ物を販売する店などが期間限定で入っていました。

普段は閑散としているであろう上層階にもお客さんが入っていました。

4階に入居する書店の丸善。イトーヨーカドー閉店後も営業を継続します。

5階ゲームコーナー。ちなみに以前は地下1階のフードコートにポッポ、5階にレストランファミールがありました。

5階の100円ショップ「セリア」

目の前の広場ではイルミネーションが点灯していました。
イトーヨーカドー日立店 店舗概要開業: 1991年10月30日
売場面積: 20396㎡
営業時間: 10: 00 ~ 20: 00
住所: 茨城県日立市幸町1-16-1
駐車場: 872台
HP:
https://blog.itoyokado.co.jp/shop/147/30年間に渡って営業してきたイトーヨーカドー日立店。開業当初120億円~130億円あった売上高も、日立市の人口減少や郊外型ショッピングセンターの増加に伴い年々減少。2008年度からは赤字に陥り、直近では30億円~40億円にまで落ち込んでいました。当初は三菱UFJ銀行が所有する建物の地下1階~地上5階を占めていましたが、徐々に店舗面積を縮小。2018年にはイトーヨーカドーから市に対して閉店の協議を申し入れましたが、市が支援を打ち出したことで撤回しました。2019年2月には市が支援策として4階フロアを借り受け、屋内遊び場や書店を誘致。賃借料などで年間6600万円の赤字を日立市が負担する見通しにも関わらず、イトーヨーカドー撤退阻止に動きました。しかし新型コロナウイルスの影響もあり、2021年6月にはイトーヨーカ堂側から「業績回復は難しく、継続は困難と判断した」と通達され正式に撤退が決まりました。
総合スーパー(GMS)の商圏は半径10kmと言われます。この商圏内に最近出店したスーパーマーケットを見ると、2016年「ヨークベニマル日立川尻町店」2018年「ヨークベニマル日立河原子町店」、そして2020年にはユニクロ、GU、スーパービバホーム、映画館などが入居する延床面積26800平米のシーマークスクエアに「ヨークベニマル日立滑川店」が開業。グループ企業であるヨークベニマルが遠慮なく市内へ次々と出店しています。シーマークスクエアはイオンモールのような広域型ショッピングセンターではありませんが、食品スーパーに加え衣料品専門店やホームセンターがあり、近隣にはケーズデンキ、MEGAドン・キホーテも立地する郊外へ顧客が流出するのは、車社会では致し方無いことでしょう。
日立市の人口は1983年の206,260人をピークに減少傾向に転じ、2020年10月1日時点では172,442人となっています。かつて中心部には百貨店の「ボンベルタ伊勢甚日立店」、その後継のさくらシティ(2008年に閉店し現在はフードスクエアカスミ日立神峰店)が立地していましたが、今回イトーヨーカドーも閉店となり中心市街地の空洞化が懸念されます。市は危機感を募らせ、後継で入居してもらえる小売業者との協議を続けています。1階には無印良品が入居するという報道もありますが、地下1階に出店を要請する食品スーパーの名前はまだ挙がっていません。