山梨県上野原市
JR中央本線の上野原駅すぐのところに、いちやまマート上野原店はあります。
店舗外観

2018年6月20日にオープンしたばかりの店舗です。

青果売場。
木目調の床とスポット照明で上質感ある売場を演出。
「健康的な食生活が幸せをもたらす」という理念が壁面にも書かれていますね。

子供向けの売場装飾も見られました。
青果台は一直線ではなく、あえてバラして配置。

モニターを用いた販促を積極的に展開しており、果物コーナーでは野菜・果物に関連した子供向けのクイズが流れていました。

贈答用の高級フルーツコーナー。晩白柚も扱っています。

都市部の高級スーパーでよく見られる「チコリ」も販売。

トマト売場。モッツァレラチーズやバジルソースなど関連陳列も上手ですね。

厨房が青果売場に併設されており、カットフルーツやカットサラダの店内調理を訴求しています。

和日配コーナー。
自社PBの「美味安心」の比率が高いですね。うどんに並んでほうとうも販売。

青果売場から精肉売場。和日配コーナーでも平台ショーケースを導入します。

精肉売場。
加工場がガラス張りのオープンキッチンとなっています。

「お客様の目の前で切りたてをご提供します」というPOPも設置。

青森県産三沢牛の巨大ステーキ肉も販売。
定価は100g1180円ですが、この日は3割引きで100g826円となっていました。

ホルモン類も充実。

味付け肉などの簡便調理コーナー。
「このコーナーで売っているのは時間です」

メガ盛りの大容量パックも揃えます。

精肉売場のモニターではレシピ紹介動画を流していました。
壁面売場の上部では商品へのこだわりをアピールします。

続く鮮魚売場。

お刺身はアイテム数が少なめ。

寿司は1人前599円から1290円まで幅広い価格帯を揃えます。

切身や塩干、干物などは期限が長い商品で埋めるなど、やや寂しい印象。

洋日配コーナー。

「あったかいんだからぁ。」
洋日配は広い売場を持て余している様子で、間延びした印象でした。

惣菜売場手前にあるワイン売場。

山梨県産のワインも豊富に揃えています。

冷蔵の日本酒、スパークリングワインも充実。

惣菜売場。こちらもオープンキッチン方式を採用。

節分前だったため恵方巻の予約活動に力を入れていました。

POPが大きく目立つ割に商品が少なめ(14時頃)。

うな丼500円、カツ丼499円、ハンバーグ弁当599円という価格設定。
比較的高価格帯の弁当が多い中、うな丼は安いですね。

サラダ売場。
生春巻きはパーティサイズも展開しています。

ベーカリー売場。

マリトッツォやフルーツタルトなど高価格帯のデザートも店内調理で提供します。
コッペサンドもボリュームがありますね。

店内で焼き上げたピザも10種類揃えています。

加工食品売場。

加工食品売場では品質志向の自社PB「美味安心」の他、高級品・こだわりの品を揃えます。
一方でプライスカードはほとんど「家計応援価」とだけ表記されており、もう少し商品説明など入れられると良いですね。

オール日本スーパーマーケット協会に加盟しており、PB「くらし良好」も扱っています。
いちやまマート上野原店 店舗概要開業: 2018年6月20日
売場面積: 1924㎡
営業時間: 朝10時~夜9時
住所: 山梨県上野原市新田1503
駐車場: 98台
HP:
http://ichiyamamart.com/shops/shop-uenohara/店内・売場の様子時間帯: 14時頃
客数: やや多い
客層: 若年層、ファミリー層多い
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: セミセルフレジ6台(3台稼働中)(精算機9台)
完全セルフレジ: 無し
トイレ: きれい
休憩スペース: あり(イートインコーナー)
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: くらし良好、美味安心
いちやまマートは山梨県14店舗、長野県2店舗の計16店舗を展開するスーパーです。山梨県内においては最大手のオギノに次ぐ2位のシェアを持ちます。2021年2月期の売上高は265億円。2021年の経常利益は公表されていませんが、2020年2月期は売上高252億円に対して経常利益3.9億円となっています(経常利益率1.5%)。「健康的な食生活が幸せをもたらす」を理念に、プライベートブランド「美味安心」を軸とする健康提案に力を入れています。
PB「美味安心」では産地や味にこだわり、品質が高い素材を厳選し、化学調味料をはじめ人工の添加物を使用せず、素材の持つ自然なおいしさを生かしたオリジナルな味を追求しています。調味料を中心として400~450種類を展開しており、マミーマート(埼玉)、ヤマナカ(愛知)、関西スーパー(兵庫)、タイヨー(鹿児島)など中堅スーパーをはじめとして約80社へ外販も行っています。
上野原店は上野原駅南口の再開発に伴って2018年6月にオープンしたばかりの新しい店舗です。向かいには同じく再開発でオープンした、山梨県が地盤のホームセンター(現在はDCMに吸収)の「DCMくろがねや」が立地しています。いちやまマートは売場面積1924平米と食品スーパーとしては大きい規模で、天井も高く広々とした空間です。曲線が目立つ意匠などはライフコーポレーションを参考にしている様子。
青果売場はアイランド陳列を一直線では無く、あえて斜め方向など散らせる面白い売場。木目調の床とスポット照明で上質感ある売場を演出します。贈答用の果物や珍しい野菜も扱っており、トマトやハーブ類のアイテム数も多め。都市部の高級スーパーでよく見られる「チコリ」も並んでおり、高級品も販売する方針のようです。キャベツや白菜などは丸ごとから1/2、1/4、ざく切りまできめ細やかな品揃えを実現。
青果売場に続いて精肉売場を配置。店内加工を実施しており、加工場がガラス張りのオープンキッチンとなっているため、スライスしている作業風景など見ることが出来るようになっています。POPでも「お客様の目の前で切りたてをご提供します」と訴求されていました。牛肉では青森県三沢牛の上質なすき焼き用、焼き肉用や1枚300gを超える巨大ステーキ肉(定価は100g1180円だがこの日は3割引きで100g826円)も展開。ホルモン類も充実しているほか、馬刺しも販売されています。豚肉や鶏肉ではメガ盛りパックを中心に訴求しますが、「このコーナーで売っているのは時間です」と書かれた簡便調理コーナーでは味付け肉を豊富に用意しています。上野原市には大学が立地している関係で若年層も多く住んでおり、ファミリー向けのアイテムを中心に据える一方で、単身者向けの少量・簡便調理アイテムも揃えニーズ獲得を目指します。
鮮魚売場では、お刺身は品数が少ないですが寿司は充実。1人前599円から1290円まで幅広い価格帯を揃えます。冷凍コーナーは充実していますが、冷蔵の切身や塩干、干物などはやや寂しい印象。続く洋日配コーナーも広く取られていますが、若干間延びしていると感じました。
惣菜売場もオープンキッチンで作業風景を見ることが出来ます。POPも多く賑やかな活気ある雰囲気ですが、焼き鳥を除いて揚げ物・弁当・焼き魚などは陳列量が少なく、売上は好調とは言えなさそうです。弁当コーナーではうな丼が500円というお手頃価格な割にハンバーグ弁当は599円と価格設定に違和感。直営のベーカリーも並んで配置されており、こちらでは非常に手の込んだ美味しそうな商品が豊富に並んでいます。苺のマリトッツォやフルーツタルトなど工夫を凝らしたデザートも販売。店内で焼き上げたピザも10種類展開し、価格は1枚500円から。ベーカリーの方は非常に魅力的なコーナーに仕上がっています。
加工食品売場では加盟するオール日本スーパーマーケット協会のPBくらし良好を販売するほか、自社PBの「美味安心」も訴求。NBでも高級品・こだわりの品を揃えますが、プライスカードはほとんど「家計応援価」とだけ表記されており、もう少し商品説明など入れられると良いですね。大手NBの価格は若干高め。地元山梨県のワインは白・赤合わせて8ゴンドラを割いており1000円前後から3000円を超える商品まで幅広い品揃え。日本酒やウィスキーでも高級なアイテムが見られました。
売場ではモニターを用いた販促が積極的に活用されており、青果売場では子供向けのクイズが流されていました。精肉売場では料理のレシピ動画を流しており、そのレシピに必要な商品を関連陳列するなど料理提案型の売場づくりが出来ています。
セミセルフレジが6台設置されており、精算機はレジ2台につき3機を共有で使用しています。駅の反対側、坂の上にある競合オギノよりも若年層やファミリー層が多い印象でした。駅前立地ということもあり少数の買い上げ点数の方も見られ、客単価は平均ではそこまで高くありません。本来この規模の店舗であれば年商20億円超えも見込めますが、土曜日昼間にレジ稼働が3台でも混雑していないという状況を見ると厳しそうです。