岩手県北上市。
JR北上駅から徒歩15分程度のところに、さくら野百貨店北上店はあります。
店舗外観。
北上ビブレとして2000年3月3日に開業。運営していたダックビブレの親会社であるマイカルの経営破綻に伴い、2002年10月に「さくら野百貨店」として再スタートを切りました。

別角度から。

1600台の駐車場を備えます。

さくら野百貨店は北上都心開発株式会社が運営する「ツインモールプラザ」に入居する形式を取ります。
写真左側の西館には公共施設やコナミスポーツが入居しています。

店舗側面。

百貨店に100円ショップが出店すること時代は近年珍しくありませんが、こちらの店舗にはダイソーとセリアという業界1位と2位が共に出店しています。ちなみにセリアは3階に2010年11月オープン、ダイソーはその以前より西館2階で営業していましたが、2020年2月に4階へ移転オープン。売場面積もほぼ同じ大きさで、客数もそこまで差があるようには感じませんでした。

屋上広告塔。

正面入口。

薄くなっていますが、大規模小売店舗表示板。

こちらは定礎板。

フロアガイド。東館の売場は1階から5階までで、6階と7階は屋内駐車場です。

1階フロアガイド。

従来直営だった食料品売場は2018年4月に「いわて生協」へ転換。
こちらの記事は別に書かせていただきます。

食料品はいわて生協が販売しますが、銘品やお土産品はさくら野百貨店が担当。

狭いコーナーながら有名菓子は揃えています。

催事場もありますが、訪れた際には準備中でした。

フードコートにはサブウェイ、ドトールコーヒーなどが出店しています。

1階化粧品売場。内装は豪華絢爛という訳ではありませんが、百貨店を名乗れる水準だと思います。

化粧品売場は青森県に本社を置く「スーパードラッグアサヒ」が担当。

日用消耗品も同社が担当します。

1階服飾雑貨コーナー。

入居するサックスバー。

2階は婦人、紳士、子供服のフロア。

婦人服コーナー。

婦人服コーナー。

紳士服コーナー。

紳士服コーナー。

紳士服コーナー。

子供服、子供用品コーナー。

3階はカジュアルファッションと住まいの品フロア。

寝具コーナー。

家庭用品コーナー。

スポット照明は少なく、あまり上質感は演出できていません。

岩手の特産品、お土産品も販売します。

100円ショップのセリアが入居。

直営の雑貨コーナーの向かいで同じカテゴリー商品が全品100円で売られています。

3階に入居するカジュアルウェア「ライトオン」

売場も広く、豊富な品揃え。

靴専門店「シュー・プラザ」も出店。

手芸用品は「クラフトハートトーカイ」が担当。

4階は完全にテナントのフロアで、ダイソー、ゲームコーナー、書店、飲食店が出店しています。

入居する100円ショップ「ダイソー」

書店「ブックスさんわ」

ゲームコーナー「ソユー」

広い売場で、平日の昼からお客さんの姿が見られました。

書店というより雑貨販売の「ヴィレッジヴァンガード」

百貨店らしくレストラン街もあります。

ファミリーレストランや寿司店が出店。

5階にはワーナー・マイカル・シネマズから改称した「イオンシネマ」。
エントランスは狭いものの、7スクリーン1303席を備えます。イオンリテールも入居する「江釣子ショッピングセンターパル」には映画館が無く、こちらのイオンシネマが市内唯一の映画館です。
さくら野百貨店北上店 店舗概要開業: 2000年3月3日
売場面積: 約28000㎡
営業時間: 午前10時~午後8時
住所: 岩手県北上市本通り2丁目2-1
駐車場: 1600台
HP:
https://sakurano-dept.jp/kitakami/「年商16億5000万円の百貨店」
それが、今回訪れたさくら野百貨店北上店です。日経MJが毎年公表している全国百貨店売上高ランキングによると、2020年度の売上高はコロナの影響もあり前年24%減少の16億5000万円となりました。一見するといつ閉店してもおかしくない水準と言えますが、実は入居するテナントの売上は計上されておらず、直営の衣料品・住まいの品に限った売上高となります。いわて生協ベルフ北上の年商約12億9000万円を筆頭に合算すれば40億円近い数字となり、人口わずか9万2000人の北上市に立地する百貨店としては健闘していると考えられます。訪れたのが平日だったため、食料品を扱う1階以外は閑散としていましたが、百貨店というよりショッピングセンターのような生活に身近なテナントを多く導入したのは間違いではないはずです。
一方で運営元である株式会社さくら野百貨店は2019年2月期に純利益が赤字転落して以降、4期連続で純損失を計上。経営が著しく悪化しており、2022年2月期の決算公告では純資産7000万円、自己資本比率1.83%にまで低下しており、このままでは来期債務超過に陥る恐れがあります。幸い主要株主の不動産会社、武田株式会社は資金的に余裕があり、2012年にも債権放棄に応じていることから、今後も支援が行われるのではないでしょうか。