ハローデイ姪浜店
- 2022/10/15
- 23:16
福岡県福岡市西区。
福岡市交通局空港線とJR九州筑肥線の姪浜駅から徒歩9分程度のところに、ハローデイ姪浜店はあります。
「日本一視察の多いスーパーマーケット」と言われるハローデイに、今回初めて訪れました。
店舗外観。
2002年9月26日、ハローデイで24番目の店舗としてオープンしました。
公式ホームページの店舗紹介には「姪浜漁港が近くにあり、店のテーマは海です。天井に目を向けると鯨が顔を覗かせており、海中でお買い物しているような気分になれます。冷凍食品の上にはペンギンが、そしてアイスクリームの上ではシロクマが皆さまのお越しをお待ちしています」とあります。

店舗の2階は駐車場となっており、平面と合わせて114台を確保しています。

フロアガイド。

まずは青果売場から見ていきます。
姪浜店の趣向を凝らしたディスプレイは惣菜売場付近に集中しているため、記事の後半で紹介いたします。
高さのある青果台を導入しており見通しは悪いものの、陳列は丁寧で関連陳列にも積極的に取り組みます。

贈答用の果物やカットフルーツのコーナー。
彩り鮮やかに盛り付けられており、視覚に訴えかける商品を取り入れます。

ドライフルーツもコーナー展開。

トマトコーナー。
高価格帯のアイテムも導入するほか、商品説明も生食や加熱の向き不向きなどお客様目線で書かれています。

カット野菜は充実しているものの、珍しい野菜や有機野菜などは扱いが少なめ。

スポット照明で商品を目立たせており、上質感ある売場空間を演出します。

キャベツ1玉99円など価格訴求するアイテムも差し込まれています。

地場野菜もコーナー展開します。

続く鮮魚売場。大漁旗や海に関連した装飾も多く、活気ある雰囲気を演出します。

サバ、甘鯛、レンコ鯛、太刀魚、カマスといった丸魚も豊富に取り揃えており、渡り蟹やサザエも販売しています。
コロナ対策のため裸では無くパックに入れて陳列しますが、十分鮮度感は訴求出来ていると感じます。

100g1280円の南マグロ中トロなど上質志向な商品も揃えます。

福岡市内のスーパーではよく見られる「ヤズ」という魚ですが、出世魚ブリの小さいサイズの名称で、関東では「ワカシ」「イナダ」などと呼ばれるサイズを指します。

非常に充実しているお刺身コーナー。
百貨店のデパ地下に出店する鮮魚店のような、専門性が高く幅広い品揃えを展開します。
6点盛り980円や中トロの入った9点盛り1980円などファミリー層向けのハレの日需要にも応える商品も展開するほか、4点盛り550円や単品盛り合わせも種類豊富に販売。写真右上の本マグロも入った10点盛り合わせにはラベルが貼られていなかったため価格が不明ですが、おそらく2980円程度でしょうか。

高級品ばかりではなく、普段使いも出来る価格帯も揃えます。

単品お造りも様々な種類を揃えます。

カワハギ、シロサバフグ、ヒラメといった魚の薄造りも販売。

鮮魚に続いて精肉売場へと続いています。
精肉は平台ショーケースを置くのではなく、通路の両側にショーケースを置くような構造。

「フレッシュミートタウン」を名乗ります。

霜降りの入った牛肉はそれほど多くありませんが、鹿児島県産和牛ヒレステーキ100g1080円など、赤身を中心に上質な和牛を提供します。

鹿児島県産黒豚(ロースしゃぶしゃぶ用100g358円)も販売。

鶏肉では熊本県産赤鶏(もも肉は100g248円)などこだわりの銘柄肉を取り扱います。

福岡らしいもつ鍋用の牛ホルモンも販売。

馬刺しと言えば熊本が有名ですが、隣接していても福岡県内の消費量はそこまで多くありません。
福岡市内のスーパーでも馬刺しの取り扱いが無い店舗も多く見られ、関東におけるヤオコーのように差別化商品としてハローデイでも展開していると見られます。一方で盛り合わせではない赤身単体の価格が1パック1480円というのは少々割高な気もします。

皆様お待ちかねの惣菜売場です。
店内で一際目を引く、天井に飾られた大きなクジラ。漁師町だった姪浜に出店するにあたって、周囲に広がる海をイメージしてクジラのディスプレイを導入したそうです。

別角度からの写真。

ハローデイの凄いところは、店によって異なるコンセプトを掲げ、お客様に買い物を楽しんで貰えるよう装飾を行っている点です。
このクジラが居るのは姪浜店のみとなっています。

こちらはシロクマ。

壁面の装飾にもこだわりを感じさせます。

さて、惣菜売場の商品を見ていきましょう。
どんぶり一番人気のカツ丼は398円というお手頃価格で提供。

弁当は店内調理の品が多く、品揃えも豊富。

大量に並んでいた主力商品「かしわめし」には精肉部門で販売されている「さくらチキン」が使用されています。

揚げ豆腐、茄子揚げび浸し、さば煮付けなど手間のかかる商品も店内手作りで提供します。

握り寿司コーナー。

中トロ、ウニ、イクラなど入った特上握り寿司13貫1580円など、ネタにこだわった高価格帯商品も販売。

かわいらしい「てまり寿司」や商品の盛り付けも工夫された「サーモンづくし」など、見せ方にこだわった商品も並びます。

店内にベーカリー設備は無いものの、直営の「ベーカーバイツェン」が他店で製造した商品を並べています。

ここからは和洋日配コーナーを見ていきます。
納豆では3パック68円で購入できるアイテムも導入。

ゆでうどんの隣に並ぶ商品と言えば、関東ではゆでそばか焼きそばだと思われますが、福岡市内のスーパーはどこも「ちゃんぽん」です。しかもうどんと1対1のフェイスを取っています。

牛乳ではハローデイのオリジナル商品も販売されています。

ナチュラルチーズは充実した品揃え。

加工食品売場。
生鮮と惣菜に注力している関係でスペースが限られており、大手ナショナルブランドなど普段使いの商品が中心で、こだわり商品はそれほど多くありません。醤油コーナーでは定番の「キッコーマンしぼりたて生しょうゆ」を扱わず、地場商品を多く導入します。

品質志向なオリジナル商品を発売しており、集積して訴求します。

マヨネーズやドレッシングは定番品が中心。

菓子も大手ナショナルブランドのみで、高級品や輸入菓子は見られません。

伊藤園おーいお茶600mlは78円と、大手スーパーにも対抗可能な価格で販売します。

冷凍食品では味の素ギョーザを178円で提供。
店内では生鮮品を中心に高級志向な商品も見られますが、一般的な所得層の方でも普段の買物をしながら、たまにこだわり商品を購入するといった楽しみ方もできる価格設定だと感じました。

お酒はクラフトビールはコーナー展開するものの、ワインはあまり充実していない印象。お酒と合うような豪勢な食材をふんだんに扱っている割には、需要に応えられずもったいないと感じてしまいます。

ハローデイ姪浜店 店舗概要
開業: 2002年09月26日
売場面積: 987㎡
営業時間: 10:00~23:00
住所: 福岡県福岡市西区姪浜駅南2丁目20-14
駐車場: 114台(無料)
HP: http://www.halloday.co.jp/172.html
店内・売場の様子
時間帯: 16時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心に多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送、幸せ運ぶよハローデイ
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ7台(5台稼働中)、セミセルフレジ無し
完全セルフレジ: 無し
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: 自社PB
福岡県に「日本一視察が多い」と呼ばれるスーパーマーケットがあります。北九州市に本社を置き、福岡、熊本、山口に55店舗を展開する「ハローデイ」という企業です。1958年に有限会社かじやとして創業し、1988年にはハローデイへ商号変更。
しかし1989年当時の経営はどん底で、年商60億円に対して経常赤字が1億円、そして借入金60億円を抱え、いつ倒産してもおかしくない状況でした。そんな中、社長の息子である加治敬通氏が入社し、風向きが大きく変わることとなります。ほぼ利益の無かった1店舗の店長を任され、なんと1年後にはその店舗で8000万円の利益を計上するまでに経営を改善。「働く人が楽しんで仕事をする会社は潰れない」との信念を持ち、「働きたいスーパー日本一になる!」を目標として掲げました。2008年には社長に就任。1992年3月期から2011年3月期の19期連続で増収増益を達成しており、直近の2022年3月期決算では売上高830億7700万円(利益は非公開)となっています。
今回訪れた姪浜店は2002年に開業した店舗です。店内で一際目を引くのは、惣菜売場の天井に飾られた大きなクジラです。漁師町だった姪浜に出店するにあたって、周囲に広がる海をイメージしてクジラのディスプレイを導入しました。ハローデイでは店舗を「アミューズメント・フード・ホール」と考え、お客様を楽しませる空間を演出します。店によって異なるコンセプトを掲げ、趣向を凝らしたディスプレイでお客様をお迎えし、買い物を楽しんで貰えるよう工夫が施されています。
売場は壁面に沿って青果、鮮魚、精肉、惣菜と並びます。青果売場では導入部でカットフルーツを展開。彩り鮮やかに盛り付けられており、視覚に訴えかける商品を取り入れています。季節の果物や旬の野菜の陳列も丁寧で、商品説明のPOPも数多く見られ、関連陳列にも取り組みます。有機野菜はそれほど多くありませんが、地場野菜はコーナー展開。品質志向な品揃えですが、キャベツ1玉99円など価格訴求も行います。
続く鮮魚売場ではサバ、甘鯛、レンコ鯛、太刀魚、カマスといった丸魚も豊富に取り揃えます。クジラ肉のとろ部分や100g1280円のマグロ中トロなど珍しい品や高級品も販売。お刺身は6点盛り980円や中トロの入った9点盛り1980円などファミリー層向けのハレの日需要にも応える商品も展開するほか、4点盛り550円や単品盛り合わせも種類豊富に販売されており、デパ地下に出店する鮮魚専門店のような非常に充実した品揃えを実現しています。
精肉売場も店内加工を実施することで鮮度と品質にこだわった商品を提供します。霜降りの入った牛肉はそれほど多くありませんが、鹿児島県産和牛ヒレステーキ100g1080円など、赤身を中心に上質な和牛を提供します。その他鹿児島県産黒豚(ロースしゃぶしゃぶ用100g358円)、熊本県産赤鶏(もも肉は100g248円)などこだわりの銘柄肉を取り扱い。福岡らしいもつ鍋用の牛ホルモンを販売するほか、付近のスーパーではあまり見られない馬刺しも豊富に揃えています。
惣菜も手間暇かけた付加価値ある商品が並んでおり、関東におけるサミットやライフ、ヤオコーと同水準かそれ以上に魅力ある商品が並びます。店内調理の比率が高く、大量に並んでいた主力商品「かしわめし」には精肉部門で販売されている「さくらチキン」が使用されています。握り寿司は1人前580円から1580円と幅広い品揃えで、様々なニーズに対応。店内にベーカリー設備は無いものの、直営の「ベーカーバイツェン」が他店で製造した商品を並べています。
加工食品は生鮮と惣菜に注力している関係でスペースが限られており、大手ナショナルブランドなど普段使いの商品が中心で、こだわり商品はそれほど多くありません。プライベートブランドも集積して販売しますが、アイテム数は少なめ。関東地区の東急ストアや小田急商事(OdakyuOX)の方が、加工食品においては高級品・こだわりの品を揃えていると感じます。
お客様の声は競合他社に比べ丁寧に対応しており、お褒め、お叱り、ご要望と3通りに分けて貼り出されていました。個人的にはレジの接客も丁寧な印象。あえてセミセルフレジなどを導入せず、接客を重視しているのかと思いましたが、直近で改装された他店では導入実績もあるそうです。
平日の夕方としては客数が多く、主婦層や高齢者に支持されています。客数はサニーと同程度でマルキョウを上回る状況ですが、カゴ一杯に買い物される方が目立つなど客単価は平日にも関わらず高くなっており、売上は地域一番店も狙える水準だと思われます。買い物する楽しさを感じさせてくれる素敵な店舗で、私自身も生活圏にあれば是非利用したいと思いました。
福岡市交通局空港線とJR九州筑肥線の姪浜駅から徒歩9分程度のところに、ハローデイ姪浜店はあります。
「日本一視察の多いスーパーマーケット」と言われるハローデイに、今回初めて訪れました。
店舗外観。
2002年9月26日、ハローデイで24番目の店舗としてオープンしました。
公式ホームページの店舗紹介には「姪浜漁港が近くにあり、店のテーマは海です。天井に目を向けると鯨が顔を覗かせており、海中でお買い物しているような気分になれます。冷凍食品の上にはペンギンが、そしてアイスクリームの上ではシロクマが皆さまのお越しをお待ちしています」とあります。

店舗の2階は駐車場となっており、平面と合わせて114台を確保しています。

フロアガイド。

まずは青果売場から見ていきます。
姪浜店の趣向を凝らしたディスプレイは惣菜売場付近に集中しているため、記事の後半で紹介いたします。
高さのある青果台を導入しており見通しは悪いものの、陳列は丁寧で関連陳列にも積極的に取り組みます。

贈答用の果物やカットフルーツのコーナー。
彩り鮮やかに盛り付けられており、視覚に訴えかける商品を取り入れます。

ドライフルーツもコーナー展開。

トマトコーナー。
高価格帯のアイテムも導入するほか、商品説明も生食や加熱の向き不向きなどお客様目線で書かれています。

カット野菜は充実しているものの、珍しい野菜や有機野菜などは扱いが少なめ。

スポット照明で商品を目立たせており、上質感ある売場空間を演出します。

キャベツ1玉99円など価格訴求するアイテムも差し込まれています。

地場野菜もコーナー展開します。

続く鮮魚売場。大漁旗や海に関連した装飾も多く、活気ある雰囲気を演出します。

サバ、甘鯛、レンコ鯛、太刀魚、カマスといった丸魚も豊富に取り揃えており、渡り蟹やサザエも販売しています。
コロナ対策のため裸では無くパックに入れて陳列しますが、十分鮮度感は訴求出来ていると感じます。

100g1280円の南マグロ中トロなど上質志向な商品も揃えます。

福岡市内のスーパーではよく見られる「ヤズ」という魚ですが、出世魚ブリの小さいサイズの名称で、関東では「ワカシ」「イナダ」などと呼ばれるサイズを指します。

非常に充実しているお刺身コーナー。
百貨店のデパ地下に出店する鮮魚店のような、専門性が高く幅広い品揃えを展開します。
6点盛り980円や中トロの入った9点盛り1980円などファミリー層向けのハレの日需要にも応える商品も展開するほか、4点盛り550円や単品盛り合わせも種類豊富に販売。写真右上の本マグロも入った10点盛り合わせにはラベルが貼られていなかったため価格が不明ですが、おそらく2980円程度でしょうか。

高級品ばかりではなく、普段使いも出来る価格帯も揃えます。

単品お造りも様々な種類を揃えます。

カワハギ、シロサバフグ、ヒラメといった魚の薄造りも販売。

鮮魚に続いて精肉売場へと続いています。
精肉は平台ショーケースを置くのではなく、通路の両側にショーケースを置くような構造。

「フレッシュミートタウン」を名乗ります。

霜降りの入った牛肉はそれほど多くありませんが、鹿児島県産和牛ヒレステーキ100g1080円など、赤身を中心に上質な和牛を提供します。

鹿児島県産黒豚(ロースしゃぶしゃぶ用100g358円)も販売。

鶏肉では熊本県産赤鶏(もも肉は100g248円)などこだわりの銘柄肉を取り扱います。

福岡らしいもつ鍋用の牛ホルモンも販売。

馬刺しと言えば熊本が有名ですが、隣接していても福岡県内の消費量はそこまで多くありません。
福岡市内のスーパーでも馬刺しの取り扱いが無い店舗も多く見られ、関東におけるヤオコーのように差別化商品としてハローデイでも展開していると見られます。一方で盛り合わせではない赤身単体の価格が1パック1480円というのは少々割高な気もします。

皆様お待ちかねの惣菜売場です。
店内で一際目を引く、天井に飾られた大きなクジラ。漁師町だった姪浜に出店するにあたって、周囲に広がる海をイメージしてクジラのディスプレイを導入したそうです。

別角度からの写真。

ハローデイの凄いところは、店によって異なるコンセプトを掲げ、お客様に買い物を楽しんで貰えるよう装飾を行っている点です。
このクジラが居るのは姪浜店のみとなっています。

こちらはシロクマ。

壁面の装飾にもこだわりを感じさせます。

さて、惣菜売場の商品を見ていきましょう。
どんぶり一番人気のカツ丼は398円というお手頃価格で提供。

弁当は店内調理の品が多く、品揃えも豊富。

大量に並んでいた主力商品「かしわめし」には精肉部門で販売されている「さくらチキン」が使用されています。

揚げ豆腐、茄子揚げび浸し、さば煮付けなど手間のかかる商品も店内手作りで提供します。

握り寿司コーナー。

中トロ、ウニ、イクラなど入った特上握り寿司13貫1580円など、ネタにこだわった高価格帯商品も販売。

かわいらしい「てまり寿司」や商品の盛り付けも工夫された「サーモンづくし」など、見せ方にこだわった商品も並びます。

店内にベーカリー設備は無いものの、直営の「ベーカーバイツェン」が他店で製造した商品を並べています。

ここからは和洋日配コーナーを見ていきます。
納豆では3パック68円で購入できるアイテムも導入。

ゆでうどんの隣に並ぶ商品と言えば、関東ではゆでそばか焼きそばだと思われますが、福岡市内のスーパーはどこも「ちゃんぽん」です。しかもうどんと1対1のフェイスを取っています。

牛乳ではハローデイのオリジナル商品も販売されています。

ナチュラルチーズは充実した品揃え。

加工食品売場。
生鮮と惣菜に注力している関係でスペースが限られており、大手ナショナルブランドなど普段使いの商品が中心で、こだわり商品はそれほど多くありません。醤油コーナーでは定番の「キッコーマンしぼりたて生しょうゆ」を扱わず、地場商品を多く導入します。

品質志向なオリジナル商品を発売しており、集積して訴求します。

マヨネーズやドレッシングは定番品が中心。

菓子も大手ナショナルブランドのみで、高級品や輸入菓子は見られません。

伊藤園おーいお茶600mlは78円と、大手スーパーにも対抗可能な価格で販売します。

冷凍食品では味の素ギョーザを178円で提供。
店内では生鮮品を中心に高級志向な商品も見られますが、一般的な所得層の方でも普段の買物をしながら、たまにこだわり商品を購入するといった楽しみ方もできる価格設定だと感じました。

お酒はクラフトビールはコーナー展開するものの、ワインはあまり充実していない印象。お酒と合うような豪勢な食材をふんだんに扱っている割には、需要に応えられずもったいないと感じてしまいます。

ハローデイ姪浜店 店舗概要
開業: 2002年09月26日
売場面積: 987㎡
営業時間: 10:00~23:00
住所: 福岡県福岡市西区姪浜駅南2丁目20-14
駐車場: 114台(無料)
HP: http://www.halloday.co.jp/172.html
店内・売場の様子
時間帯: 16時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心に多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送、幸せ運ぶよハローデイ
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ7台(5台稼働中)、セミセルフレジ無し
完全セルフレジ: 無し
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: 自社PB
福岡県に「日本一視察が多い」と呼ばれるスーパーマーケットがあります。北九州市に本社を置き、福岡、熊本、山口に55店舗を展開する「ハローデイ」という企業です。1958年に有限会社かじやとして創業し、1988年にはハローデイへ商号変更。
しかし1989年当時の経営はどん底で、年商60億円に対して経常赤字が1億円、そして借入金60億円を抱え、いつ倒産してもおかしくない状況でした。そんな中、社長の息子である加治敬通氏が入社し、風向きが大きく変わることとなります。ほぼ利益の無かった1店舗の店長を任され、なんと1年後にはその店舗で8000万円の利益を計上するまでに経営を改善。「働く人が楽しんで仕事をする会社は潰れない」との信念を持ち、「働きたいスーパー日本一になる!」を目標として掲げました。2008年には社長に就任。1992年3月期から2011年3月期の19期連続で増収増益を達成しており、直近の2022年3月期決算では売上高830億7700万円(利益は非公開)となっています。
今回訪れた姪浜店は2002年に開業した店舗です。店内で一際目を引くのは、惣菜売場の天井に飾られた大きなクジラです。漁師町だった姪浜に出店するにあたって、周囲に広がる海をイメージしてクジラのディスプレイを導入しました。ハローデイでは店舗を「アミューズメント・フード・ホール」と考え、お客様を楽しませる空間を演出します。店によって異なるコンセプトを掲げ、趣向を凝らしたディスプレイでお客様をお迎えし、買い物を楽しんで貰えるよう工夫が施されています。
売場は壁面に沿って青果、鮮魚、精肉、惣菜と並びます。青果売場では導入部でカットフルーツを展開。彩り鮮やかに盛り付けられており、視覚に訴えかける商品を取り入れています。季節の果物や旬の野菜の陳列も丁寧で、商品説明のPOPも数多く見られ、関連陳列にも取り組みます。有機野菜はそれほど多くありませんが、地場野菜はコーナー展開。品質志向な品揃えですが、キャベツ1玉99円など価格訴求も行います。
続く鮮魚売場ではサバ、甘鯛、レンコ鯛、太刀魚、カマスといった丸魚も豊富に取り揃えます。クジラ肉のとろ部分や100g1280円のマグロ中トロなど珍しい品や高級品も販売。お刺身は6点盛り980円や中トロの入った9点盛り1980円などファミリー層向けのハレの日需要にも応える商品も展開するほか、4点盛り550円や単品盛り合わせも種類豊富に販売されており、デパ地下に出店する鮮魚専門店のような非常に充実した品揃えを実現しています。
精肉売場も店内加工を実施することで鮮度と品質にこだわった商品を提供します。霜降りの入った牛肉はそれほど多くありませんが、鹿児島県産和牛ヒレステーキ100g1080円など、赤身を中心に上質な和牛を提供します。その他鹿児島県産黒豚(ロースしゃぶしゃぶ用100g358円)、熊本県産赤鶏(もも肉は100g248円)などこだわりの銘柄肉を取り扱い。福岡らしいもつ鍋用の牛ホルモンを販売するほか、付近のスーパーではあまり見られない馬刺しも豊富に揃えています。
惣菜も手間暇かけた付加価値ある商品が並んでおり、関東におけるサミットやライフ、ヤオコーと同水準かそれ以上に魅力ある商品が並びます。店内調理の比率が高く、大量に並んでいた主力商品「かしわめし」には精肉部門で販売されている「さくらチキン」が使用されています。握り寿司は1人前580円から1580円と幅広い品揃えで、様々なニーズに対応。店内にベーカリー設備は無いものの、直営の「ベーカーバイツェン」が他店で製造した商品を並べています。
加工食品は生鮮と惣菜に注力している関係でスペースが限られており、大手ナショナルブランドなど普段使いの商品が中心で、こだわり商品はそれほど多くありません。プライベートブランドも集積して販売しますが、アイテム数は少なめ。関東地区の東急ストアや小田急商事(OdakyuOX)の方が、加工食品においては高級品・こだわりの品を揃えていると感じます。
お客様の声は競合他社に比べ丁寧に対応しており、お褒め、お叱り、ご要望と3通りに分けて貼り出されていました。個人的にはレジの接客も丁寧な印象。あえてセミセルフレジなどを導入せず、接客を重視しているのかと思いましたが、直近で改装された他店では導入実績もあるそうです。
平日の夕方としては客数が多く、主婦層や高齢者に支持されています。客数はサニーと同程度でマルキョウを上回る状況ですが、カゴ一杯に買い物される方が目立つなど客単価は平日にも関わらず高くなっており、売上は地域一番店も狙える水準だと思われます。買い物する楽しさを感じさせてくれる素敵な店舗で、私自身も生活圏にあれば是非利用したいと思いました。