マイヤ仙北店
- 2022/11/13
- 13:01
岩手県盛岡市。
JR東北本線の仙北町駅から徒歩6分程度のところに、マイヤ仙北店はあります。
店舗外観。
岩手県大船渡市に本社を構え、岩手県と宮城県北部に18店舗を展開するスーパー「マイヤ」が2006年に開業させた店舗です。今年4月に10日間の休業を伴うリニューアルを実施しています。

青果売場。
天井も高く開放感ある空間です。什器は黒を基調としており、スポット照明も多く上質感を演出します。

入口すぐに青果とベーカリーを配置し、惣菜、鮮魚と続いています。
青果売場先頭では岩手県産のりんご各種や旬の柿を売り込みます。

直営でベーカリーも展開。お手頃な価格の菓子パン、惣菜パンの他ピザも販売しています。
写真には写っていませんが、左手には「マイヤテラス」というイートインスペースが設けられています。

青果売場では盛岡近郊の地場野菜を大きくコーナー展開。
商品説明や食べ方提案の手書きPOPも多く、工夫されています。

キャベツは1玉98円と低価格です。

きりたんぽは秋田県のイメージがありますが、岩手でも売れるのでしょうか。

惣菜売場はガラス張りの厨房でライブ感を打ち出します。

カツ丼は通常サイズに加えミニサイズも用意しています。

惣菜売場の寿司は598円や698円などお手頃な価格帯です。

惣菜と鮮魚の間に和日配コーナーを配置。
地元メーカーが製造した漬物なども販売します。

チルド麺はうどん・そばと比べ盛岡冷麵が最も広くスペースを確保しています。

鮮魚売場。「大船渡マイヤ」の看板を掲げ、専門店のような格式ある意匠となっています。

真鯛、金目鯛、いさき、かんぱち、かます、のどぐろといった丸魚も販売。岩手県山田港で水揚げされた真いかなど、岩手や宮城の漁港で水揚げされた近海魚も強化し、旬と鮮度感を訴求しています。

お刺身は5点盛り998円や本マグロの入った4点盛り1380円、少量多点盛り(5種、598円)など様々なニーズに対応する品揃えです。

海鮮珍味も充実の品揃え。

自社ブランド商品の「海鮮舞屋漬」を冷凍コーナーで訴求。

「お魚屋さんの鮨」コーナーでは1人前1580円などネタにこだわった贅沢な商品も販売します。

単品握り寿司でも大きなホタテや中トロなど上質な商品が揃います。

個人的に注目なのが、こちらの「しばでの極」コーナーです。
店内調理の魚惣菜を中心として、非常に手の込んだ魅力的な商品がズラリと並んでいます。

「しばで」とは酒のあてを意味する方言で、極上のおつまみを各種取り揃えたコーナーとなっています。

特に魚の煮付けは充実しており、居酒屋で提供されるような本格的な商品が目を引きます。

真たら白子の煮付け(480円)など、関東地区ではまず見られない商品も並びます。

牛すじの煮込みや玉子焼きの天ぷらなど魚惣菜以外のアイテムもあり、酒好きにはたまらないコーナーとなっています。
私も生活圏にあれば是非購入したいと思えるような、強い来店動機となる差別化されたこだわり商品が集積されています。

続く精肉売場。
このように壁面でおすすめ商品を紹介するポスターなどは「いちやまマート(山梨県)」を彷彿とさせます。

岩手県産の黒毛和牛で肉質が最高級の5等級に格付けされた牛肉「いわて牛五ツ星」など高級志向なアイテムも導入。

岩手県産焼肉セットなども販売し、地産地消に貢献。

「国産若鶏もも細切り」という切り方は関東ではほぼ見られませんが、一体どういった料理に使うのでしょうか。

最終コーナーにかけてはパン売場を配置。

牛乳コーナー。
マエダ(青森県むつ市)、おーばんホールディングス(山形県天童市)、キクチ(福島県相馬市)とマイヤの4社が経営統合して設立したマークスのPB商品をこれでもかと大量陳列。

岩手県産品コーナーを設け、地元で製造される乳製品も取り扱います。

「マイヤ仙北スイーツ通り」と称したスイーツコーナー。

店内加工のスイーツも豊富に展開。
県内のおおのミルク工房の牛乳を使用した「ゆめ牛乳プリン」(150円)を中心に付加価値のある商品が並びます。

どら焼きに大量のあんこやホイップを挟んだ見た目にもインパクトある商品も販売。

店内で焼き上げた「バスク風ベイクドチーズケーキ」(800円)など、やや高価格帯のアイテムも製造。

おはぎは近年スーパー各社が注力している部門です。

規模は小さいですが、銀座コージーコーナーも導入します。

加工食品売場。
大手ナショナルブランドの他、地場商品も積極的に取り入れます。

高級品・こだわりの品はそれほど扱わず、CGC商品の売り込みに徹しています。

CGCブランドのお茶を多フェイス展開。

クラフトビールをコーナー化している訳ではありませんが、普通にベアレンビールが並ぶのは岩手県らしいですね。

岩手県の銘菓やお土産品も販売します。

マイヤ仙北店 店舗概要
開業: 2006年10月19日
売場面積: 1838㎡
営業時間: 9:30~22:00(※日曜は9:00開店、祝日は9:30開店)
住所: 岩手県盛岡市西仙北一丁目38番30号
駐車場: 396台(無料)
HP: https://www.maiya.co.jp/store/
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送、CGCソング
精肉加工者: 自社店内、マイヤ北上精肉プロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ2台(0台稼働中)、セミセルフレジ2台(2台稼働中)精算機3台
完全セルフレジ: 6台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: CGC商品、マークスPB
マイヤは岩手県大船渡市に本社を置き、岩手県と宮城県北部に18店舗を展開するスーパーマーケットです。1961年、「株式会社主婦の店大船渡店」として創業し、1979年には現在のマイヤへ商号変更しています。2011年3月11日の東日本大震災では、当時運営していた16店舗のうち6店舗が被災し営業停止に追い込まれるなど甚大な被害を受けました。本社も津波に襲われ、外部にバックアップが無かったため販売や取引、顧客に関する基幹データも消失し、販売計画を一から立てる必要に迫られました。一方、店舗での犠牲者は従業員・顧客ともに1人も出ておらず、高台にあったマイヤ大船渡インター店では電気・ガスが停止している中、地震発生の2時間後には商品の販売を再開。その後も出張販売や仮設店舗の営業など、震災直後より地域の食のライフラインを支え、復興に貢献してきました。2014年にはマエダ(青森県むつ市)、おーばんホールディングス(山形県天童市)、キクチ(福島県相馬市)と経営統合し、持株会社マークスホールディングスの傘下に入りました。マークスHDの売上高は2022年3月期で1073億円、マイヤ単体では同年253億円となっています。
店内の什器は黒を基調としており、スポット照明も多く上質感を演出します。壁面にておすすめ商品を紹介するポスターなどは「いちやまマート(山梨県)」を彷彿とさせます。入口から青果、惣菜、鮮魚、精肉と配置しており、入口すぐのスペースには直営のベーカリーとイートインスペースも導入しています。青果売場では盛岡近郊の地場野菜を大きくコーナー展開。珍しい野菜などはあまり多くありませんが、価格は抑えられていると感じます。ドライフルーツなどはバロー(岐阜)の商品を仕入れていますが、資本関係などはありません。商品説明や食べ方提案の手書きPOPも多く、工夫されています。
惣菜は厨房の見えるオープンキッチン方式でライブ感を演出。日替わり弁当(398円)やカツ丼(440円)などお弁当は店内調理をメインに揃えており、陳列量も多くなっています。売場はやや狭くアイテム数もそれほど多くありませんが、単身者が少なく家庭で調理する方が多いことを鑑みれば、決して悪い品揃えではありません。
鮮魚売場は調理場が大きなガラス張りとなっており、調理加工も承っています。「大船渡マイヤ」という看板も設置して意匠にもこだわっており、岩手や宮城の漁港で水揚げされた近海魚も強化し、旬と鮮度感を訴求しています。真鯛、金目鯛、いさき、かんぱち、かます、のどぐろといった丸魚も販売。お刺身は5点盛り998円や本マグロの入った4点盛り1380円、少量多点盛り(5種、598円)など様々なニーズに対応する品揃えです。鮮魚で展開する「お魚屋さんの鮨」は1人前1580円などネタにこだわった贅沢な商品も販売します。
鮮魚と精肉の間にある「しばでの極」コーナーでは、店内調理の魚惣菜を中心として非常に手の込んだ魅力的な商品がズラリと並んでいます。「しばで」とは酒のあてを意味する方言で、極上のおつまみを各種取り揃えたコーナーとなっています。特に魚の煮付けは充実しており、まぐろ大トロの煮付け(398円)、柳カレイの煮付け(480円)、かわはぎの煮付け(398円)、真たら白子の煮付け(480円)、めばるの煮付け(980円)など居酒屋で提供されるような本格的な商品が目を引きます。牛すじの煮込みや玉子焼きの天ぷらなど魚惣菜以外のアイテムもあり、酒好きにはたまらないコーナーとなっています。
精肉は店内加工と2020年より稼働しているプロセスセンターを併用して品揃え。岩手県産の黒毛和牛で肉質が最高級の5等級に格付けされた牛肉「いわて牛五ツ星」など高級志向なアイテムも導入するほか、岩手県産焼肉セットなど地産地消にも貢献します。鶏肉では関東では見られない「国産若鶏もも細切り」という切り方のアイテムが販売されていましたが、どういった料理に使うのでしょうか。
精肉を過ぎると洋日配コーナーや冷凍食品コーナーとなっていますが、終盤には「マイヤ仙北スイーツ通り」と称して店内加工のスイーツを集積。県内のおおのミルク工房の牛乳を使用した「ゆめ牛乳プリン」(150円)や、どら焼きに大量のあんこを挟んだ「うまいあん召し上がれ」(250円)、店内で焼き上げた「バスク風ベイクドチーズケーキ」(800円)など、独自性のあるこだわり商品が並びます。
加工食品は地場商品は扱うものの、高級品・こだわりの品はそれほど扱わず、CGC商品の売り込みに徹しています。酒もあまり特色ある品揃えではありませんが、ベアレンビールが並んでいるのは岩手県らしいと感じました。岩手県の特産品やお土産コーナーも設置されています。
主婦や高齢者の他に家族連れの姿も見られ、客単価も高くカゴ一杯に買い物している方も多く見られました。昨年度の年商は約14億9000万円と、競合いわて生協の約13億7000万円(共に日本スーパー名鑑より)を若干上回る程度です。一方でマイヤは今年4月にリニューアルオープンしており、同じ時間帯を比べてもより多くのお客さんで賑わっている印象で、以前よりも支持を集めて引き離しに成功しているのではないでしょうか。
JR東北本線の仙北町駅から徒歩6分程度のところに、マイヤ仙北店はあります。
店舗外観。
岩手県大船渡市に本社を構え、岩手県と宮城県北部に18店舗を展開するスーパー「マイヤ」が2006年に開業させた店舗です。今年4月に10日間の休業を伴うリニューアルを実施しています。

青果売場。
天井も高く開放感ある空間です。什器は黒を基調としており、スポット照明も多く上質感を演出します。

入口すぐに青果とベーカリーを配置し、惣菜、鮮魚と続いています。
青果売場先頭では岩手県産のりんご各種や旬の柿を売り込みます。

直営でベーカリーも展開。お手頃な価格の菓子パン、惣菜パンの他ピザも販売しています。
写真には写っていませんが、左手には「マイヤテラス」というイートインスペースが設けられています。

青果売場では盛岡近郊の地場野菜を大きくコーナー展開。
商品説明や食べ方提案の手書きPOPも多く、工夫されています。

キャベツは1玉98円と低価格です。

きりたんぽは秋田県のイメージがありますが、岩手でも売れるのでしょうか。

惣菜売場はガラス張りの厨房でライブ感を打ち出します。

カツ丼は通常サイズに加えミニサイズも用意しています。

惣菜売場の寿司は598円や698円などお手頃な価格帯です。

惣菜と鮮魚の間に和日配コーナーを配置。
地元メーカーが製造した漬物なども販売します。

チルド麺はうどん・そばと比べ盛岡冷麵が最も広くスペースを確保しています。

鮮魚売場。「大船渡マイヤ」の看板を掲げ、専門店のような格式ある意匠となっています。

真鯛、金目鯛、いさき、かんぱち、かます、のどぐろといった丸魚も販売。岩手県山田港で水揚げされた真いかなど、岩手や宮城の漁港で水揚げされた近海魚も強化し、旬と鮮度感を訴求しています。

お刺身は5点盛り998円や本マグロの入った4点盛り1380円、少量多点盛り(5種、598円)など様々なニーズに対応する品揃えです。

海鮮珍味も充実の品揃え。

自社ブランド商品の「海鮮舞屋漬」を冷凍コーナーで訴求。

「お魚屋さんの鮨」コーナーでは1人前1580円などネタにこだわった贅沢な商品も販売します。

単品握り寿司でも大きなホタテや中トロなど上質な商品が揃います。

個人的に注目なのが、こちらの「しばでの極」コーナーです。
店内調理の魚惣菜を中心として、非常に手の込んだ魅力的な商品がズラリと並んでいます。

「しばで」とは酒のあてを意味する方言で、極上のおつまみを各種取り揃えたコーナーとなっています。

特に魚の煮付けは充実しており、居酒屋で提供されるような本格的な商品が目を引きます。

真たら白子の煮付け(480円)など、関東地区ではまず見られない商品も並びます。

牛すじの煮込みや玉子焼きの天ぷらなど魚惣菜以外のアイテムもあり、酒好きにはたまらないコーナーとなっています。
私も生活圏にあれば是非購入したいと思えるような、強い来店動機となる差別化されたこだわり商品が集積されています。

続く精肉売場。
このように壁面でおすすめ商品を紹介するポスターなどは「いちやまマート(山梨県)」を彷彿とさせます。

岩手県産の黒毛和牛で肉質が最高級の5等級に格付けされた牛肉「いわて牛五ツ星」など高級志向なアイテムも導入。

岩手県産焼肉セットなども販売し、地産地消に貢献。

「国産若鶏もも細切り」という切り方は関東ではほぼ見られませんが、一体どういった料理に使うのでしょうか。

最終コーナーにかけてはパン売場を配置。

牛乳コーナー。
マエダ(青森県むつ市)、おーばんホールディングス(山形県天童市)、キクチ(福島県相馬市)とマイヤの4社が経営統合して設立したマークスのPB商品をこれでもかと大量陳列。

岩手県産品コーナーを設け、地元で製造される乳製品も取り扱います。

「マイヤ仙北スイーツ通り」と称したスイーツコーナー。

店内加工のスイーツも豊富に展開。
県内のおおのミルク工房の牛乳を使用した「ゆめ牛乳プリン」(150円)を中心に付加価値のある商品が並びます。

どら焼きに大量のあんこやホイップを挟んだ見た目にもインパクトある商品も販売。

店内で焼き上げた「バスク風ベイクドチーズケーキ」(800円)など、やや高価格帯のアイテムも製造。

おはぎは近年スーパー各社が注力している部門です。

規模は小さいですが、銀座コージーコーナーも導入します。

加工食品売場。
大手ナショナルブランドの他、地場商品も積極的に取り入れます。

高級品・こだわりの品はそれほど扱わず、CGC商品の売り込みに徹しています。

CGCブランドのお茶を多フェイス展開。

クラフトビールをコーナー化している訳ではありませんが、普通にベアレンビールが並ぶのは岩手県らしいですね。

岩手県の銘菓やお土産品も販売します。

マイヤ仙北店 店舗概要
開業: 2006年10月19日
売場面積: 1838㎡
営業時間: 9:30~22:00(※日曜は9:00開店、祝日は9:30開店)
住所: 岩手県盛岡市西仙北一丁目38番30号
駐車場: 396台(無料)
HP: https://www.maiya.co.jp/store/
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送、CGCソング
精肉加工者: 自社店内、マイヤ北上精肉プロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ2台(0台稼働中)、セミセルフレジ2台(2台稼働中)精算機3台
完全セルフレジ: 6台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: CGC商品、マークスPB
マイヤは岩手県大船渡市に本社を置き、岩手県と宮城県北部に18店舗を展開するスーパーマーケットです。1961年、「株式会社主婦の店大船渡店」として創業し、1979年には現在のマイヤへ商号変更しています。2011年3月11日の東日本大震災では、当時運営していた16店舗のうち6店舗が被災し営業停止に追い込まれるなど甚大な被害を受けました。本社も津波に襲われ、外部にバックアップが無かったため販売や取引、顧客に関する基幹データも消失し、販売計画を一から立てる必要に迫られました。一方、店舗での犠牲者は従業員・顧客ともに1人も出ておらず、高台にあったマイヤ大船渡インター店では電気・ガスが停止している中、地震発生の2時間後には商品の販売を再開。その後も出張販売や仮設店舗の営業など、震災直後より地域の食のライフラインを支え、復興に貢献してきました。2014年にはマエダ(青森県むつ市)、おーばんホールディングス(山形県天童市)、キクチ(福島県相馬市)と経営統合し、持株会社マークスホールディングスの傘下に入りました。マークスHDの売上高は2022年3月期で1073億円、マイヤ単体では同年253億円となっています。
店内の什器は黒を基調としており、スポット照明も多く上質感を演出します。壁面にておすすめ商品を紹介するポスターなどは「いちやまマート(山梨県)」を彷彿とさせます。入口から青果、惣菜、鮮魚、精肉と配置しており、入口すぐのスペースには直営のベーカリーとイートインスペースも導入しています。青果売場では盛岡近郊の地場野菜を大きくコーナー展開。珍しい野菜などはあまり多くありませんが、価格は抑えられていると感じます。ドライフルーツなどはバロー(岐阜)の商品を仕入れていますが、資本関係などはありません。商品説明や食べ方提案の手書きPOPも多く、工夫されています。
惣菜は厨房の見えるオープンキッチン方式でライブ感を演出。日替わり弁当(398円)やカツ丼(440円)などお弁当は店内調理をメインに揃えており、陳列量も多くなっています。売場はやや狭くアイテム数もそれほど多くありませんが、単身者が少なく家庭で調理する方が多いことを鑑みれば、決して悪い品揃えではありません。
鮮魚売場は調理場が大きなガラス張りとなっており、調理加工も承っています。「大船渡マイヤ」という看板も設置して意匠にもこだわっており、岩手や宮城の漁港で水揚げされた近海魚も強化し、旬と鮮度感を訴求しています。真鯛、金目鯛、いさき、かんぱち、かます、のどぐろといった丸魚も販売。お刺身は5点盛り998円や本マグロの入った4点盛り1380円、少量多点盛り(5種、598円)など様々なニーズに対応する品揃えです。鮮魚で展開する「お魚屋さんの鮨」は1人前1580円などネタにこだわった贅沢な商品も販売します。
鮮魚と精肉の間にある「しばでの極」コーナーでは、店内調理の魚惣菜を中心として非常に手の込んだ魅力的な商品がズラリと並んでいます。「しばで」とは酒のあてを意味する方言で、極上のおつまみを各種取り揃えたコーナーとなっています。特に魚の煮付けは充実しており、まぐろ大トロの煮付け(398円)、柳カレイの煮付け(480円)、かわはぎの煮付け(398円)、真たら白子の煮付け(480円)、めばるの煮付け(980円)など居酒屋で提供されるような本格的な商品が目を引きます。牛すじの煮込みや玉子焼きの天ぷらなど魚惣菜以外のアイテムもあり、酒好きにはたまらないコーナーとなっています。
精肉は店内加工と2020年より稼働しているプロセスセンターを併用して品揃え。岩手県産の黒毛和牛で肉質が最高級の5等級に格付けされた牛肉「いわて牛五ツ星」など高級志向なアイテムも導入するほか、岩手県産焼肉セットなど地産地消にも貢献します。鶏肉では関東では見られない「国産若鶏もも細切り」という切り方のアイテムが販売されていましたが、どういった料理に使うのでしょうか。
精肉を過ぎると洋日配コーナーや冷凍食品コーナーとなっていますが、終盤には「マイヤ仙北スイーツ通り」と称して店内加工のスイーツを集積。県内のおおのミルク工房の牛乳を使用した「ゆめ牛乳プリン」(150円)や、どら焼きに大量のあんこを挟んだ「うまいあん召し上がれ」(250円)、店内で焼き上げた「バスク風ベイクドチーズケーキ」(800円)など、独自性のあるこだわり商品が並びます。
加工食品は地場商品は扱うものの、高級品・こだわりの品はそれほど扱わず、CGC商品の売り込みに徹しています。酒もあまり特色ある品揃えではありませんが、ベアレンビールが並んでいるのは岩手県らしいと感じました。岩手県の特産品やお土産コーナーも設置されています。
主婦や高齢者の他に家族連れの姿も見られ、客単価も高くカゴ一杯に買い物している方も多く見られました。昨年度の年商は約14億9000万円と、競合いわて生協の約13億7000万円(共に日本スーパー名鑑より)を若干上回る程度です。一方でマイヤは今年4月にリニューアルオープンしており、同じ時間帯を比べてもより多くのお客さんで賑わっている印象で、以前よりも支持を集めて引き離しに成功しているのではないでしょうか。