パルクアベニューカワトク
- 2022/11/18
- 13:03
岩手県盛岡市菜園。
JR盛岡駅から徒歩11分程度のところに、株式会社川徳が運営する百貨店「パルクアベニューカワトク」はあります。
川徳は1886年創業。1956年、盛岡市肴町に地上3階、地下1階鉄筋コンクリート建ての新店舗が開店し、本格的な百貨店としてスタートしました。1970年には同地に地上8階地下1階の新館が開店しますが、わずか10年後の1980年に店舗を現在地の菜園地区に全面移転。この際に新CI(コーポレート・アイデンティティ)を導入して「パルクアベニューカワトク」が誕生しました。
店舗外観。
地下1階から地上7階までの8フロアで営業しています。売場面積は2万5955㎡(日経MJより)。

レストランのフロアには大きな窓が見られます。

別角度から。

店舗裏手。

屋上広告塔。

本館地下2階にも駐車場を備えますが、隣接して駐車場棟を保有します。

上層階は事務所として活用されています。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

店内案内。

特徴的な階段。

まずは地下1階食料品フロアから見ていきます。
青果は九州屋が担当。

鮮魚は仙令平庄が担当。丸魚やお刺身、握り寿司など鮮度感ある上質志向な商品が並びます。

精肉は「肉のいわちく」と「肉処壱丁田」が担当しており、それぞれが対面量り売りコーナーを設けています。

加工食品は北野エースが担当。高級品・こだわりの品・輸入食品などが充実しています。

銘菓など和洋菓子のコーナー。

イートインコーナーも設置されており、若年層の利用も見られました。

お土産品なども豊富に揃えています。

全国的にも数を減らしている回るお菓子売場「Gram(グラム)」も設置されています。

高級感ある酒コーナー。

高価格帯のアイテムも豊富に揃えます。

ベーカリーは「ドンク」が出店。

1階は化粧品や服飾雑貨のフロア。
洗練された煌びやかな売場空間を演出。

化粧品コーナー。

服飾雑貨も陳列にこだわります。

2階は婦人服のフロア。


2階には旅行代理店「カワトクトラベル」も入居しています。

3階は紳士服のフロア。ちなみに4階も婦人服となっているため、紳士服が間に挟まれるようなフロア構成となっています。

紳士服飾雑貨などのコーナー。

トラベル用品なども販売。




4階は再び婦人服フロア。



5階は家庭用品、寝具、家電、呉服、宝飾などのフロア。





ベスト電器と提携し、家電も狭いながら販売しています。
岡島百貨店(山梨県)のケーズデンキを思い出させる狭さですね。

寝具コーナー。

休憩スペースも大きく確保されています。

6階は子供服と文具・玩具、専門店のフロア。




入居する雑貨専門店「ロフト」

地元の書店「東山堂」も出店します。

7階はレストラン街と催事場となっています。

レストラン5軒が入居。

催事場は準備中でした。

エスカレーターはここで終了です。

8階はイベントホールが設置されているほか、美容院なども入居しています。

屋上遊園地や屋上神社はありませんでした。

やや建物に食い込んでいる屋上広告塔。

パルクアベニューカワトク 店舗概要
開業: 1980年10月18日(創業は1886年)
売場面積: 25955㎡(日経MJより)
営業時間: 10:00~19:00
住所: 岩手県盛岡市菜園1-10-1
駐車場: あり(店舗でのお買上げ¥2000(税込)以上で60分無料。¥10000(税込)以上で120分無料)
HP: https://www.kawatoku.com/
川徳は1886年、川村徳松が盛岡市鉈屋町において木綿商を創業したことに始まります。1898年には川徳呉服店と改名、1938年には商号を「合名会社川徳」とし、1952年には株式会社へ改組。1956年、盛岡市肴町に地上3階、地下1階鉄筋コンクリート建ての新店舗が開店し、本格的な百貨店としてスタートしました。1970年には同地に地上8階地下1階の新館が開店しますが、わずか10年後の1980年に店舗を現在地の菜園地区に全面移転。旧店舗は青森を拠点とする百貨店「中三」に譲渡されました。多くの地方百貨店が建て替えなどを行いつつも、原則として同じ地区で営業を続けるのに対し、1982年の東北新幹線盛岡延伸を見越して、より駅に近い菜園地区へ新築移転するという川徳の決断は全国的にも珍しいケースです。
平日に訪れましたが、さすが岩手県の地域1番店だけあって多くのお客さんで賑わっていました。衣料品はやや閑散としているものの、レストラン街は高齢者層を中心に利用者が多い印象で、食料品フロアは夕方になると幅広い年齢層が来店していました。
パルクアベニューカワトクの年商は(日経MJより)
2015年度 188億6400万円
2016年度 186億3800万円
2017年度 175億1300万円
2018年度 176億100万円
2019年度 169億8600万円
2020年度 140億8800万円
2021年度 140億500万円
と推移しています(アネックスカワトクの売上高は含まない)。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休業要請や時短営業、インバウンド需要の消失により、百貨店は大きな打撃を受けました。2020年度に増収となったのは全国で「阪急百貨店大井食品館」の1店舗のみで、平均で27%の減収となり、パルクアベニューカワトクも17.1%の減収となりました。一方で2021年度は各社増収へ転じ、平均すると11.5%の増収となっているものの地方百貨店は売上の回復が鈍く、川徳をはじめとして引き続き減収となる企業も多く存在しています。
株式会社川徳の2022年2月期決算では、純損失は3億8900万円と前年に計上した純損失5億5600万円に比べ改善したものの、貸借対照表における純資産が2億1500万円しか残されておらず、このままでは今期にも債務超過に陥る可能性があります。一方で地方百貨店としては決して悪くない売上高を有しているだけに、経営改善による業績の持ち直しは可能だと考えられます。
JR盛岡駅から徒歩11分程度のところに、株式会社川徳が運営する百貨店「パルクアベニューカワトク」はあります。
川徳は1886年創業。1956年、盛岡市肴町に地上3階、地下1階鉄筋コンクリート建ての新店舗が開店し、本格的な百貨店としてスタートしました。1970年には同地に地上8階地下1階の新館が開店しますが、わずか10年後の1980年に店舗を現在地の菜園地区に全面移転。この際に新CI(コーポレート・アイデンティティ)を導入して「パルクアベニューカワトク」が誕生しました。
店舗外観。
地下1階から地上7階までの8フロアで営業しています。売場面積は2万5955㎡(日経MJより)。

レストランのフロアには大きな窓が見られます。

別角度から。

店舗裏手。

屋上広告塔。

本館地下2階にも駐車場を備えますが、隣接して駐車場棟を保有します。

上層階は事務所として活用されています。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

店内案内。

特徴的な階段。

まずは地下1階食料品フロアから見ていきます。
青果は九州屋が担当。

鮮魚は仙令平庄が担当。丸魚やお刺身、握り寿司など鮮度感ある上質志向な商品が並びます。

精肉は「肉のいわちく」と「肉処壱丁田」が担当しており、それぞれが対面量り売りコーナーを設けています。

加工食品は北野エースが担当。高級品・こだわりの品・輸入食品などが充実しています。

銘菓など和洋菓子のコーナー。

イートインコーナーも設置されており、若年層の利用も見られました。

お土産品なども豊富に揃えています。

全国的にも数を減らしている回るお菓子売場「Gram(グラム)」も設置されています。

高級感ある酒コーナー。

高価格帯のアイテムも豊富に揃えます。

ベーカリーは「ドンク」が出店。

1階は化粧品や服飾雑貨のフロア。
洗練された煌びやかな売場空間を演出。

化粧品コーナー。

服飾雑貨も陳列にこだわります。

2階は婦人服のフロア。


2階には旅行代理店「カワトクトラベル」も入居しています。

3階は紳士服のフロア。ちなみに4階も婦人服となっているため、紳士服が間に挟まれるようなフロア構成となっています。

紳士服飾雑貨などのコーナー。

トラベル用品なども販売。




4階は再び婦人服フロア。



5階は家庭用品、寝具、家電、呉服、宝飾などのフロア。





ベスト電器と提携し、家電も狭いながら販売しています。
岡島百貨店(山梨県)のケーズデンキを思い出させる狭さですね。

寝具コーナー。

休憩スペースも大きく確保されています。

6階は子供服と文具・玩具、専門店のフロア。




入居する雑貨専門店「ロフト」

地元の書店「東山堂」も出店します。

7階はレストラン街と催事場となっています。

レストラン5軒が入居。

催事場は準備中でした。

エスカレーターはここで終了です。

8階はイベントホールが設置されているほか、美容院なども入居しています。

屋上遊園地や屋上神社はありませんでした。

やや建物に食い込んでいる屋上広告塔。

パルクアベニューカワトク 店舗概要
開業: 1980年10月18日(創業は1886年)
売場面積: 25955㎡(日経MJより)
営業時間: 10:00~19:00
住所: 岩手県盛岡市菜園1-10-1
駐車場: あり(店舗でのお買上げ¥2000(税込)以上で60分無料。¥10000(税込)以上で120分無料)
HP: https://www.kawatoku.com/
川徳は1886年、川村徳松が盛岡市鉈屋町において木綿商を創業したことに始まります。1898年には川徳呉服店と改名、1938年には商号を「合名会社川徳」とし、1952年には株式会社へ改組。1956年、盛岡市肴町に地上3階、地下1階鉄筋コンクリート建ての新店舗が開店し、本格的な百貨店としてスタートしました。1970年には同地に地上8階地下1階の新館が開店しますが、わずか10年後の1980年に店舗を現在地の菜園地区に全面移転。旧店舗は青森を拠点とする百貨店「中三」に譲渡されました。多くの地方百貨店が建て替えなどを行いつつも、原則として同じ地区で営業を続けるのに対し、1982年の東北新幹線盛岡延伸を見越して、より駅に近い菜園地区へ新築移転するという川徳の決断は全国的にも珍しいケースです。
平日に訪れましたが、さすが岩手県の地域1番店だけあって多くのお客さんで賑わっていました。衣料品はやや閑散としているものの、レストラン街は高齢者層を中心に利用者が多い印象で、食料品フロアは夕方になると幅広い年齢層が来店していました。
パルクアベニューカワトクの年商は(日経MJより)
2015年度 188億6400万円
2016年度 186億3800万円
2017年度 175億1300万円
2018年度 176億100万円
2019年度 169億8600万円
2020年度 140億8800万円
2021年度 140億500万円
と推移しています(アネックスカワトクの売上高は含まない)。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休業要請や時短営業、インバウンド需要の消失により、百貨店は大きな打撃を受けました。2020年度に増収となったのは全国で「阪急百貨店大井食品館」の1店舗のみで、平均で27%の減収となり、パルクアベニューカワトクも17.1%の減収となりました。一方で2021年度は各社増収へ転じ、平均すると11.5%の増収となっているものの地方百貨店は売上の回復が鈍く、川徳をはじめとして引き続き減収となる企業も多く存在しています。
株式会社川徳の2022年2月期決算では、純損失は3億8900万円と前年に計上した純損失5億5600万円に比べ改善したものの、貸借対照表における純資産が2億1500万円しか残されておらず、このままでは今期にも債務超過に陥る可能性があります。一方で地方百貨店としては決して悪くない売上高を有しているだけに、経営改善による業績の持ち直しは可能だと考えられます。