長崎屋帯広店
- 2023/02/03
- 18:43
北海道帯広市。
JR帯広駅から徒歩2分程度のところに、長崎屋帯広店はあります。
店舗外観。
帯広駅前すぐの立地に無料駐車場1400台を備え、店舗面積約2万平米の大型店舗です。1990年11月22日開業。

少し離れて撮影すると屋上広告塔の「長崎屋」の文字が見えます。

別角度から。こちら側の広告塔は上部のみ「Nagasakiya」の文字が。

正面入口はこちら側の2カ所のようです。

かつて屋内遊園地「ファンタジードーム」が営業していた区画。

先に屋上の様子から紹介します。1月の訪問であるため雪が凄まじいですね。
1階や立体駐車場もあるため屋上の利用は少なめです。

駅前から見た屋上広告塔の裏側には何も描かれていません。

バルコニーのようなエリアがありますが、積雪のため通行できなくなっています。

テナント紹介のボードには空きが目立ちます。

1階はほぼ駐車場となっており、一部区画に郵便局や飲食店「ベビーフェイスプラネッツ」などが営業します。
店内の客数の割に車が停まっており、無料であるため駅の利用者も停めていると見られます。

1階入口から2階へのエントランス。八戸店のように噴水などはありませんが豪華な造りとなっています。

もう1カ所と合わせてエスカレーターは昇り降り片方ずつしか稼働していません。

2階フロアガイド。

長崎屋らしいオートスロープが設置されています。

吹き抜けの様子。

2階から屋上駐車場のフロアまで広大な空間が広がっています。

かつては時計が設置されていたようですが、現在は撤去されています。

別の吹き抜け。

長崎屋の売場を見ていく前に、ファンタジードームの痕跡を紹介したいと思います。
現在はドン・キホーテ子会社の日本商業施設が運営するアミューズメント施設「ファンタジープラザ」ですが、かつては屋内遊園地「ファンタジードーム」として営業していました。

一見すると一般的なゲームセンターですが・・・。


見上げると遊具のレールが走っています。

八戸店では稼働していたヘリコプター型の遊具が放置されています。

さらに上にはジェットコースターのレールも見ることが出来ます。

こちらも八戸店と同型のジェットコースターが設置されていたようです。
一般的な遊園地が冬場に営業できなくなる雪国において、一年中営業可能な屋内遊園地という発想は当時としては画期的だったのでしょう。

2階食料品部門は地場スーパーの「フクハラ」が担当しています。
こちらは別で記事にしますのでご了承ください。

2階の長崎屋は婦人服や服飾雑貨のフロア。

婦人服売場。ドン・キホーテの運営では無いため、年齢層はやや高めな衣料品も並びます。

婦人フォーマルウェアも販売。

旅行用品なども販売。

食品売場近くに化粧品コーナーを配置。
「驚安」などドン・キホーテ流の売場づくりを実施します。

「長崎屋全国しくじり市」と称して不良在庫を格安で販売。

テナントの撤退が続いている様子で、店内では「テナント募集」の区画が至る所で見られます。

こちらもテナント募集中。

フードコートには地元企業、藤森商会が展開する「カレーショップインデアン」も出店。

中古車販売の「カーランド」も営業しています。
スーパーの店内で車を展示するというのは珍しいですね。

3階は紳士服、子供服、住まいの品、専門店のフロア。

広々とした通路。

スポーツ衣料のコーナー。

売場のドン・キホーテ色はあまり強くないと感じます。

紳士服、肌着コーナー。

紳士フォーマルウェア。

子供服コーナー。

大型ストーブも並びます。

テレビなど家電製品、子供向け玩具など総合スーパーらしい品揃えも自前で行っています。

調理器具コーナー。

寝具も販売します。

テナントの100円ショップ「ダイソー」

4年制福祉事業型専攻大学「スクオーラ帯広校」も入居。

シャッターで塞がれている向こうにはファンタジードームの遊具が見えるはずです。

4階は喜久屋書店とレストラン街のフロア。

喜久屋書店は広大な売場に豊富な品揃えを誇ります。

CDショップ「WAVE MEGA MAC」は1月29日をもって営業を終了しました。

レストラン街は撤退が続き、1店を残して閉店しています。

跡地に出店する企業も現れていません。

唯一「そば処一休」が営業を続けいます。

テナントの撤退が相次ぎ、求心力を失っている長崎屋帯広店ですが、賑わいを取り戻すことは出来るのでしょうか。

長崎屋帯広店 店舗概要
開業: 1990年11月22日
売場面積: 20610㎡(日本ショッピングセンター協会より)
営業時間: 10:00~21:00
住所: 北海道帯広市西4条南12丁目3番地
駐車場: 1400台(無料)
HP: https://www.nagasakiya.co.jp/store/shop_detail.php?shop_id=219
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)傘下の長崎屋は、2022年6月期で売上高1966億円を計上する中堅総合スーパーですが、ブランドの大半は「MEGAドン・キホーテ」であり、長崎屋の屋号を冠する店舗は全国にわずか7店舗にまで減少しています。
今回訪れた帯広店は1990年11月に開業。長崎屋が展開していた屋内遊園地ファンタジードームも併設された巨大店舗でした。時期は不明なもののアトラクションは現在稼働しておらず、1階フロアを使ってゲームセンターが営業しています。また、かつて直営だった食品部門を2011年11月5日より地場大手のフクハラに転換し、長崎屋は衣料品・住まいの品に注力しています。
店内を見て回りましたが、テナントの撤退が相次いでおり厳しい経営状況に見受けられました。特に4階のレストラン街はわずか1店しか営業していません。テナント区画は歯抜け状態で、テナント募集の張り紙が至る所に貼り出されていますが、新規出店に向けた改装工事などが入っている区画はありません。客数も非常に少なく、土日であれば多少賑わう可能性も考えられますが、平日夕方に店内は閑散としていました。
原因は、食品部門を担当する福原にあるのではないかと考えます。帯広市に本社を構える福原は、単体の売上高こそ422億円(2022年2月期)にとどまりますが、アークスグループ連結では5775億円(2022年2月期)規模で北海道大手3社(イオン、コープさっぽろ、アークス)の一角であり、より競争力ある売場づくり・商品政策も可能なはずです。「フクハラ長崎屋店」の売場は直近で改装も施されておらず、加工食品など価格的な優位性はありますが生鮮品の強化が今一つに感じます。平日の17時にレジが2台しか稼働しておらず、それでも全く混雑しないというのは施設の規模から考えても異常です。市内では福原が「MEGAドン・キホーテ西帯広店」などと競合する店舗もあり、結局はライバル企業なので最低限の利益が出る水準で手を抜いているのではないかと疑ってしまいます。
以前訪れた長崎屋八戸店は近隣にイトーヨーカドーやカブセンターといった強力な競合他社が立地していましたが、直営の食料品売場は平日夕方には非常に混雑しており、食品で集客して施設全体にお客さんが滞留することで賑わっていました。帯広店も長崎屋が直営で再び食料品を運営することが出来れば、施設全体に活気が戻るのではないでしょうか。一方で、2023年1月末に駅の反対側、中心市街地の藤丸百貨店が営業を終了しており、衣料品などは残存者利益を獲得できる見込みもありそうです。
JR帯広駅から徒歩2分程度のところに、長崎屋帯広店はあります。
店舗外観。
帯広駅前すぐの立地に無料駐車場1400台を備え、店舗面積約2万平米の大型店舗です。1990年11月22日開業。

少し離れて撮影すると屋上広告塔の「長崎屋」の文字が見えます。

別角度から。こちら側の広告塔は上部のみ「Nagasakiya」の文字が。

正面入口はこちら側の2カ所のようです。

かつて屋内遊園地「ファンタジードーム」が営業していた区画。

先に屋上の様子から紹介します。1月の訪問であるため雪が凄まじいですね。
1階や立体駐車場もあるため屋上の利用は少なめです。

駅前から見た屋上広告塔の裏側には何も描かれていません。

バルコニーのようなエリアがありますが、積雪のため通行できなくなっています。

テナント紹介のボードには空きが目立ちます。

1階はほぼ駐車場となっており、一部区画に郵便局や飲食店「ベビーフェイスプラネッツ」などが営業します。
店内の客数の割に車が停まっており、無料であるため駅の利用者も停めていると見られます。

1階入口から2階へのエントランス。八戸店のように噴水などはありませんが豪華な造りとなっています。

もう1カ所と合わせてエスカレーターは昇り降り片方ずつしか稼働していません。

2階フロアガイド。

長崎屋らしいオートスロープが設置されています。

吹き抜けの様子。

2階から屋上駐車場のフロアまで広大な空間が広がっています。

かつては時計が設置されていたようですが、現在は撤去されています。

別の吹き抜け。

長崎屋の売場を見ていく前に、ファンタジードームの痕跡を紹介したいと思います。
現在はドン・キホーテ子会社の日本商業施設が運営するアミューズメント施設「ファンタジープラザ」ですが、かつては屋内遊園地「ファンタジードーム」として営業していました。

一見すると一般的なゲームセンターですが・・・。


見上げると遊具のレールが走っています。

八戸店では稼働していたヘリコプター型の遊具が放置されています。

さらに上にはジェットコースターのレールも見ることが出来ます。

こちらも八戸店と同型のジェットコースターが設置されていたようです。
一般的な遊園地が冬場に営業できなくなる雪国において、一年中営業可能な屋内遊園地という発想は当時としては画期的だったのでしょう。

2階食料品部門は地場スーパーの「フクハラ」が担当しています。
こちらは別で記事にしますのでご了承ください。

2階の長崎屋は婦人服や服飾雑貨のフロア。

婦人服売場。ドン・キホーテの運営では無いため、年齢層はやや高めな衣料品も並びます。

婦人フォーマルウェアも販売。

旅行用品なども販売。

食品売場近くに化粧品コーナーを配置。
「驚安」などドン・キホーテ流の売場づくりを実施します。

「長崎屋全国しくじり市」と称して不良在庫を格安で販売。

テナントの撤退が続いている様子で、店内では「テナント募集」の区画が至る所で見られます。

こちらもテナント募集中。

フードコートには地元企業、藤森商会が展開する「カレーショップインデアン」も出店。

中古車販売の「カーランド」も営業しています。
スーパーの店内で車を展示するというのは珍しいですね。

3階は紳士服、子供服、住まいの品、専門店のフロア。

広々とした通路。

スポーツ衣料のコーナー。

売場のドン・キホーテ色はあまり強くないと感じます。

紳士服、肌着コーナー。

紳士フォーマルウェア。

子供服コーナー。

大型ストーブも並びます。

テレビなど家電製品、子供向け玩具など総合スーパーらしい品揃えも自前で行っています。

調理器具コーナー。

寝具も販売します。

テナントの100円ショップ「ダイソー」

4年制福祉事業型専攻大学「スクオーラ帯広校」も入居。

シャッターで塞がれている向こうにはファンタジードームの遊具が見えるはずです。

4階は喜久屋書店とレストラン街のフロア。

喜久屋書店は広大な売場に豊富な品揃えを誇ります。

CDショップ「WAVE MEGA MAC」は1月29日をもって営業を終了しました。

レストラン街は撤退が続き、1店を残して閉店しています。

跡地に出店する企業も現れていません。

唯一「そば処一休」が営業を続けいます。

テナントの撤退が相次ぎ、求心力を失っている長崎屋帯広店ですが、賑わいを取り戻すことは出来るのでしょうか。

長崎屋帯広店 店舗概要
開業: 1990年11月22日
売場面積: 20610㎡(日本ショッピングセンター協会より)
営業時間: 10:00~21:00
住所: 北海道帯広市西4条南12丁目3番地
駐車場: 1400台(無料)
HP: https://www.nagasakiya.co.jp/store/shop_detail.php?shop_id=219
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)傘下の長崎屋は、2022年6月期で売上高1966億円を計上する中堅総合スーパーですが、ブランドの大半は「MEGAドン・キホーテ」であり、長崎屋の屋号を冠する店舗は全国にわずか7店舗にまで減少しています。
今回訪れた帯広店は1990年11月に開業。長崎屋が展開していた屋内遊園地ファンタジードームも併設された巨大店舗でした。時期は不明なもののアトラクションは現在稼働しておらず、1階フロアを使ってゲームセンターが営業しています。また、かつて直営だった食品部門を2011年11月5日より地場大手のフクハラに転換し、長崎屋は衣料品・住まいの品に注力しています。
店内を見て回りましたが、テナントの撤退が相次いでおり厳しい経営状況に見受けられました。特に4階のレストラン街はわずか1店しか営業していません。テナント区画は歯抜け状態で、テナント募集の張り紙が至る所に貼り出されていますが、新規出店に向けた改装工事などが入っている区画はありません。客数も非常に少なく、土日であれば多少賑わう可能性も考えられますが、平日夕方に店内は閑散としていました。
原因は、食品部門を担当する福原にあるのではないかと考えます。帯広市に本社を構える福原は、単体の売上高こそ422億円(2022年2月期)にとどまりますが、アークスグループ連結では5775億円(2022年2月期)規模で北海道大手3社(イオン、コープさっぽろ、アークス)の一角であり、より競争力ある売場づくり・商品政策も可能なはずです。「フクハラ長崎屋店」の売場は直近で改装も施されておらず、加工食品など価格的な優位性はありますが生鮮品の強化が今一つに感じます。平日の17時にレジが2台しか稼働しておらず、それでも全く混雑しないというのは施設の規模から考えても異常です。市内では福原が「MEGAドン・キホーテ西帯広店」などと競合する店舗もあり、結局はライバル企業なので最低限の利益が出る水準で手を抜いているのではないかと疑ってしまいます。
以前訪れた長崎屋八戸店は近隣にイトーヨーカドーやカブセンターといった強力な競合他社が立地していましたが、直営の食料品売場は平日夕方には非常に混雑しており、食品で集客して施設全体にお客さんが滞留することで賑わっていました。帯広店も長崎屋が直営で再び食料品を運営することが出来れば、施設全体に活気が戻るのではないでしょうか。一方で、2023年1月末に駅の反対側、中心市街地の藤丸百貨店が営業を終了しており、衣料品などは残存者利益を獲得できる見込みもありそうです。