スーパーマーケットヤックス白旗店
- 2023/04/30
- 20:27
千葉県千葉市。
JR京葉線の蘇我駅から徒歩12分程度のところに、スーパーマーケットヤックス白旗店はあります。
こちらの店舗は2023年4月30日をもって営業を終了しました。
閉店4日前に訪れましたのでご紹介致します。
店舗外観。
ヤックスドラッグを主力業態として千葉・茨城に展開する千葉薬品。同社が運営するスーパーマーケットはかつて10店舗を超える規模でしたが、近年はドラッグストア事業が伸長する傍らで閉店が相次いでおり、白旗店の閉店で残るは四街道店のみとなります。

1966年12月に同社のスーパーマーケット1号店として開業。56年間に渡って営業してきました。

駐車場も備えています。

平屋建ての店舗かと思いきや、傾斜地に建っているため2層構造となっています。

店舗裏手。

納品口にトラックを駐車させるのも大変そうです。

閉店のお知らせ。

3月18日から閉店セールを開催しており、対象商品は表示価格から10%引きとなっていました。

避難経路図。かなり特殊な構造となっています。
こちらでは食料品売場が1階、ドラッグ関連売場が2階とされていますが、外の看板には地階が「フレッシュヤックス」、1階が「ドラッグヤックス」と案内されています。

店舗中央部にはこのような吹き抜けがあり、階段で地下の食料品と1階のドラッグ関連売場を繋いでいます。
エレベーターも設置されており、高齢のお客さんはそちらを使っている様子でした。

売場として利用できない非効率な空間なので、昨今の店舗では考えられない構造ですね。

現在は何も置かれていませんが、休憩スペースだったのでしょうか。中央にはかつて噴水があったという書き込みもSNS上で見られました。

六角形の天井。売場の照明も放射状に設置されています。

1階のドラッグストア部分は売り尽くしが進んでおり、商品が疎らになっていました。

中央の吹き抜けの影響で売場は小さく、商品展開に十分なスペースを確保できているとは言えません。

ペット用品やシニアサポート用品をコーナー展開。

それでは食料品フロアへ降りていきます。

振り返るとこのような光景です。

階段を降りると青果、和日配、突き当りに鮮魚と精肉、折り返して洋日配で最終コーナーに惣菜を配置します。
右手の階段は店舗横の坂道から来店できる入口です。

古くからあるスーパーに多い壁面什器。改装されていないサミットやオーケーではよく見られたタイプです。

続く鮮魚売場。

お刺身盛り合わせも店内加工で提供します。

「お魚屋さんのお寿司」も展開。

突き当りの壁面に沿って精肉が続いています。

精肉は上質な上州牛から簡便性のある味付け肉まで自社プロセスセンターから供給を受けます。

ブラジル産鶏もも肉は100g88円で価格訴求。

冷凍食品は毎日半額で提供していた様子。

惣菜売場。

店内調理の弁当・揚げ物など販売しています。

中央部が加工食品売場。
既に商品は品薄となっていました。天井は中央部のみ高くなっており、1969年開業のスーパーヤマザキ百草店(閉店済み)と似たような構造に感じられました。

節電で蛍光灯は間引きされていますが、それでも十分明るい空間でした。

片付けられた棚板。

売場案内は「キッチン野菜」「キッチン鮮魚」という風にキッチンという言葉が付いています。

10%オフでもかなり売り切れが出ている印象。

オール日本スーパーマーケット協会(AJS)に加盟しており、プライベートブランドは「くらし良好」を扱っています。

スーパーマーケットヤックス白旗店 店舗概要
開業: 1966年12月(公式ホームページより。日本スーパー名鑑には1972年12月12日と記載。増築・改装など行った可能性あり)
売場面積: 1406㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:30~21:30
住所: 千葉県千葉市中央区白旗3-28-1
駐車場: 70台
HP: https://yacs.jp/store/store-112/
店内・売場の様子
時間帯: 12時頃
客数: やや少ない
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 老朽化
品出し・前出し: -
クリンリネス: 普通
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内、ヤックスプロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 4台(2台稼働中)
食品セミセルフレジ: 0台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: 未確認
休憩スペース: 無し
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: くらし良好
千葉薬品のホームページには、1966年12月に「千葉県千葉市白旗にスーパーマーケット1号店オープン。生鮮部門導入」と記載されており、薬局としてスタートした同社として初のスーパーマーケット業態として開店しました。傾斜地に建っており、売場は2層構造で地下に食料品、1階にドラッグ関連商品を展開しています。その間は吹き抜けのある階段で繋がれており、中央にはかつて噴水があったという書き込みもSNS上で見られました。食料品売場は中央部の天井が高くなっており、古い店舗としては開放感があります。
閉店4日前に訪れたため、加工食品は全品10%オフとなっており、品薄となっていました。生鮮3品や惣菜はまだまだ商品が豊富で、調理に必要な食材は一通り揃えています。客数は少なかったものの地域の高齢者を中心に利用されているようで、1台しかないエレベーターがよく使われていました。400m先にはマルエツ蘇我南町店が立地しており、蘇我駅前にはベルクやトップマートも営業している厳しい競合環境でした。一方で店舗周辺は傾斜のある住宅地が広がっており、遠くまで買い物へ行くのに苦労する方も出てきそうです。
ドラッグストアを主力としつつも、1999年時点でスーパー11店舗を展開していた千葉薬品ですが、白旗店の閉店で残るは四街道店のみとなります。白旗店の昨年度年商はおよそ6億8000万円(日本スーパー名鑑より)と、千葉薬品が展開するドラッグストアの中では悪くない数字ですが、食品スーパーとしては厳しい水準です。最後の1店舗となる四街道店は年商12億円を超える繁盛店であり、当分は営業を継続すると推測されますが、将来的には仕入れ・物流の関係などから不透明です。
近年は加工食品や生鮮品まで品揃えを広げたコスモス薬品、クスリのアオキ、ゲンキーに代表されるフード&ドラッグが躍進を続けていますが、ドラッグストアが運営するスーパーマーケットは大手マツモトキヨシが2006年8月に撤退するなど成功しているとは言い難い状況です。ヤックスドラッグでも青果・精肉の取り扱いを行う店舗を増やしており、精肉はプロセスセンターから安定した品質の商品を供給するなど、スーパーマーケット運営ノウハウを生かして集客を図っていますが、食品スーパーとドラッグストアの融合店を新規出店することは無い情勢です。
JR京葉線の蘇我駅から徒歩12分程度のところに、スーパーマーケットヤックス白旗店はあります。
こちらの店舗は2023年4月30日をもって営業を終了しました。
閉店4日前に訪れましたのでご紹介致します。
店舗外観。
ヤックスドラッグを主力業態として千葉・茨城に展開する千葉薬品。同社が運営するスーパーマーケットはかつて10店舗を超える規模でしたが、近年はドラッグストア事業が伸長する傍らで閉店が相次いでおり、白旗店の閉店で残るは四街道店のみとなります。

1966年12月に同社のスーパーマーケット1号店として開業。56年間に渡って営業してきました。

駐車場も備えています。

平屋建ての店舗かと思いきや、傾斜地に建っているため2層構造となっています。

店舗裏手。

納品口にトラックを駐車させるのも大変そうです。

閉店のお知らせ。

3月18日から閉店セールを開催しており、対象商品は表示価格から10%引きとなっていました。

避難経路図。かなり特殊な構造となっています。
こちらでは食料品売場が1階、ドラッグ関連売場が2階とされていますが、外の看板には地階が「フレッシュヤックス」、1階が「ドラッグヤックス」と案内されています。

店舗中央部にはこのような吹き抜けがあり、階段で地下の食料品と1階のドラッグ関連売場を繋いでいます。
エレベーターも設置されており、高齢のお客さんはそちらを使っている様子でした。

売場として利用できない非効率な空間なので、昨今の店舗では考えられない構造ですね。

現在は何も置かれていませんが、休憩スペースだったのでしょうか。中央にはかつて噴水があったという書き込みもSNS上で見られました。

六角形の天井。売場の照明も放射状に設置されています。

1階のドラッグストア部分は売り尽くしが進んでおり、商品が疎らになっていました。

中央の吹き抜けの影響で売場は小さく、商品展開に十分なスペースを確保できているとは言えません。

ペット用品やシニアサポート用品をコーナー展開。

それでは食料品フロアへ降りていきます。

振り返るとこのような光景です。

階段を降りると青果、和日配、突き当りに鮮魚と精肉、折り返して洋日配で最終コーナーに惣菜を配置します。
右手の階段は店舗横の坂道から来店できる入口です。

古くからあるスーパーに多い壁面什器。改装されていないサミットやオーケーではよく見られたタイプです。

続く鮮魚売場。

お刺身盛り合わせも店内加工で提供します。

「お魚屋さんのお寿司」も展開。

突き当りの壁面に沿って精肉が続いています。

精肉は上質な上州牛から簡便性のある味付け肉まで自社プロセスセンターから供給を受けます。

ブラジル産鶏もも肉は100g88円で価格訴求。

冷凍食品は毎日半額で提供していた様子。

惣菜売場。

店内調理の弁当・揚げ物など販売しています。

中央部が加工食品売場。
既に商品は品薄となっていました。天井は中央部のみ高くなっており、1969年開業のスーパーヤマザキ百草店(閉店済み)と似たような構造に感じられました。

節電で蛍光灯は間引きされていますが、それでも十分明るい空間でした。

片付けられた棚板。

売場案内は「キッチン野菜」「キッチン鮮魚」という風にキッチンという言葉が付いています。

10%オフでもかなり売り切れが出ている印象。

オール日本スーパーマーケット協会(AJS)に加盟しており、プライベートブランドは「くらし良好」を扱っています。

スーパーマーケットヤックス白旗店 店舗概要
開業: 1966年12月(公式ホームページより。日本スーパー名鑑には1972年12月12日と記載。増築・改装など行った可能性あり)
売場面積: 1406㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:30~21:30
住所: 千葉県千葉市中央区白旗3-28-1
駐車場: 70台
HP: https://yacs.jp/store/store-112/
店内・売場の様子
時間帯: 12時頃
客数: やや少ない
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 老朽化
品出し・前出し: -
クリンリネス: 普通
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内、ヤックスプロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 4台(2台稼働中)
食品セミセルフレジ: 0台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: 未確認
休憩スペース: 無し
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: くらし良好
千葉薬品のホームページには、1966年12月に「千葉県千葉市白旗にスーパーマーケット1号店オープン。生鮮部門導入」と記載されており、薬局としてスタートした同社として初のスーパーマーケット業態として開店しました。傾斜地に建っており、売場は2層構造で地下に食料品、1階にドラッグ関連商品を展開しています。その間は吹き抜けのある階段で繋がれており、中央にはかつて噴水があったという書き込みもSNS上で見られました。食料品売場は中央部の天井が高くなっており、古い店舗としては開放感があります。
閉店4日前に訪れたため、加工食品は全品10%オフとなっており、品薄となっていました。生鮮3品や惣菜はまだまだ商品が豊富で、調理に必要な食材は一通り揃えています。客数は少なかったものの地域の高齢者を中心に利用されているようで、1台しかないエレベーターがよく使われていました。400m先にはマルエツ蘇我南町店が立地しており、蘇我駅前にはベルクやトップマートも営業している厳しい競合環境でした。一方で店舗周辺は傾斜のある住宅地が広がっており、遠くまで買い物へ行くのに苦労する方も出てきそうです。
ドラッグストアを主力としつつも、1999年時点でスーパー11店舗を展開していた千葉薬品ですが、白旗店の閉店で残るは四街道店のみとなります。白旗店の昨年度年商はおよそ6億8000万円(日本スーパー名鑑より)と、千葉薬品が展開するドラッグストアの中では悪くない数字ですが、食品スーパーとしては厳しい水準です。最後の1店舗となる四街道店は年商12億円を超える繁盛店であり、当分は営業を継続すると推測されますが、将来的には仕入れ・物流の関係などから不透明です。
近年は加工食品や生鮮品まで品揃えを広げたコスモス薬品、クスリのアオキ、ゲンキーに代表されるフード&ドラッグが躍進を続けていますが、ドラッグストアが運営するスーパーマーケットは大手マツモトキヨシが2006年8月に撤退するなど成功しているとは言い難い状況です。ヤックスドラッグでも青果・精肉の取り扱いを行う店舗を増やしており、精肉はプロセスセンターから安定した品質の商品を供給するなど、スーパーマーケット運営ノウハウを生かして集客を図っていますが、食品スーパーとドラッグストアの融合店を新規出店することは無い情勢です。