東京都武蔵野市。
JR中央線の三鷹駅から徒歩3分程度のところに、東急ストア三鷹店はあります。
こちらの店舗は2023年6月9日をもって一時閉店し、近隣に6月14日移転オープンします。
閉店2日前と当日に訪れましたのでご紹介いたします。
店舗外観。
1960年4月27日に東急ストアの前身となる「東光ストア」として開業した店舗です。建て替えなどを経ていない現存する店舗では、百貨店の白木屋が運営していた分店を引き継いぎ、1957年以前から営業を続ける高円寺店に次いで古い店舗でした。1号店である武蔵小杉店や、同じく白木屋から引き継いだ大森店、五反田店は既に移転・建て替えされています。

ちょうど裏手に見える新築マンションの1階が移転先です。


第二中央ビルという建物名でした。昔から2階は売場ではなく事務所として活用されています。

少し段差のある店舗入口。


大規模小売店舗表示板。
表示年月日は昭和54年(1979年)ですが、昭和35年(1960年)の開業です。

店舗移転のご案内。

店舗裏手。かなり老朽化が進行している模様です。道路拡張に伴い、建物は解体される見通しとなっています。

移転先の店舗です。売場面積は598㎡とあまり変わらない規模。

入口から青果、鮮魚、惣菜、精肉と配置します。
閉店2日前の店内の様子をご紹介します。生鮮3品と惣菜はまだまだ商品が豊富でした。

鮮魚売場。


惣菜売場は厨房の見えるオープンキッチン方式を導入。

精肉売場。
川崎市川崎区東扇島にある東急ストアの畜産プロセスセンターから供給を受けます。

冷凍食品売場。
冷凍ショーケースの霜取りが正常に機能していないのか、氷柱や霜で覆われていました。

加工食品売場。

加工食品は一律での値引きは無いものの、品薄になりつつありました。


日用雑貨は20%~30%の値引きを実施。

中通路のエンドはほとんど空になっていました。

一部大幅値引き商品は入口すぐの場所に集められていました。

閉店最終日の店内の様子は記録していませんが、閉店挨拶がありましたので、ご紹介いたします。
東急ストア三鷹店 店舗概要開業: 1960年4月27日(東光ストアとして)
売場面積: 532㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:00-22:00
住所: 東京都武蔵野市中町1-7-5
駐車場: 14台(お買上金額税込2,000円以上30分無料)
HP:
https://www.tokyu-store.co.jp/shop/detail.html?pdid=22店内・売場の様子時間帯: 12時頃
客数: やや少ない
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心に少なめ
売場の雰囲気: 老朽化
品出し・前出し: -
クリンリネス: -
接客対応: -
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 東急ストア東扇島センター畜産プロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 5台(2台稼働中)
食品セミセルフレジ: 0台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: 無し
休憩スペース: 無し
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: Vマークバリュープラス
1960年4月27日に東急ストアの前身となる「東光ストア」として開業した店舗です。建て替えなどを経ていない現存する店舗では、百貨店の白木屋が運営していた分店を引き継ぎ、1957年以前から営業を続ける高円寺店に次いで古い店舗でした。1号店である武蔵小杉店や、同じく白木屋から引き継いだ大森店、五反田店は既に移転・建て替えされています。
2階建ての建物ですが売場は1階のみ営業しています。売場面積532㎡と食品スーパーとしては最低限で、生鮮3品は一通り揃いますが、品揃えに幅を持たせることは難しい水準。ここ数年は改装が施されておらず、外壁や天井に黒ずみが目立ち、冷凍ショーケースも霜取りが正常に機能していないのか、氷柱や霜で覆われていました。
入口から青果、鮮魚、惣菜、精肉と配置します。鮮魚と惣菜はオープンキッチン方式でライブ感も演出。ただし平台ショーケースは限られているため、おすすめ商品などを訴求する余裕は無さそうです。閉店2日前にも訪れましたが、まだまだ生鮮品は豊富に揃えており、買い物客もそれなりに来店していました。加工食品は値引きされていませんでしたが品薄状態で、雑貨類は均一の値引きで棚はほぼ空になっていました。
2000年版の日本スーパー名鑑によると、1999年度の年商はおよそ12億6000万円となっており、当時の東急ストアが売上高2847億3300万円・運営90店舗で1店舗あたりの平均年商31億6000万円を考慮すると、業績としてはやや苦戦していた様子です。ちなみに東急ストアはその後、自社沿線外からの撤退や総合スーパー事業の縮小、小型店出店強化などの施策により、2022年2月期決算では売上高 1931億5900万円・運営91店舗という規模にまで縮小しています。
2020年1月には同じく私鉄系スーパーマーケットで競争力が高いとは言えない京王ストア運営の「キッチンコート三鷹店」が閉店し、5月に高品質・Everyday Low Priceを掲げる「オーケー三鷹北口店」が居抜き出店。強力なライバルの出現により、価格に敏感な顧客は流出していたと考えられます。しかし東急ストアとしては地域からの撤退ではなく、移転での営業継続を選びました。道路拡張や再開発なども絡み、家賃がほぼ変わらない水準で出店することが可能になったのでしょうか。真新しい店舗で、より魅力的な売場展開に期待したいですね。