MEGAドン・キホーテ大森山王店
- 2023/07/04
- 21:37
東京都大田区。
JR京浜東北線の大森駅から徒歩8分程度のところに、MEGAドン・キホーテ大森山王店はあります。
店舗外観。
1964年に開業し、地域密着の総合スーパーとして営業を続けてきた「ダイシン百貨店」。「半径500m圏内、シェア100%」を掲げ、特に地元の高齢者向けのきめ細やかな品揃えが支持を集めており、メディアでも度々取り上げられていました。2011年と2012年には老朽化した店舗の建て替えも実施。しかし東日本大震災の発生に伴い工期が伸びたことや、競合他社の進出もあって客離れが進み、建て替え後も業績は伸び悩みます。建築費用の借入金や金利負担ものしかかり、財務状況は悪化していました。2014年にはドン・キホーテ系列の投資ファンドが株式を買収。2016年に入り株式会社ダイシン百貨店はドン・キホーテHDの完全子会社となり、5月8日にダイシン百貨店としての営業を終了し、6月30日に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」としてオープンしました。2021年には株式会社ドン・キホーテに吸収される形で法人格も消滅しています。

こちらが2012年に完成した区画です。

左手が2011年に完成した区画。内部は繋がっています。

建物裏手。

正面入口。

売場面積23区最大を謳い、売上高も2020年2月と3月には日本国内のPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)国内リテール部門で売上1位を達成しています。

フロアガイド。3階にはニトリ、4階にはガストが入居します。

MEGAドン・キホーテの売場平面図。

まずは1階食料品から見ていきます。
青果売場では「驚安の八百屋」を名乗り、旬の野菜・果物をボリューム展開。

大量のPOPで賑やかな空間を演出。

高級な果物も多数取り扱います。

フルーツの王様、ドリアンも販売。

「担当者本間、限界に挑戦中!!」と題してマンゴーを低価格で販売。少し傷み始めているものが多いようでした。

特大肥後グリーンメロンを1玉980円で提供。量感溢れる陳列手法に目を引かれます。

トマトコーナー。隙間なくぎっしりと商品を陳列します。

もやしは1袋28円。

有機野菜や産地直送野菜など差別化アイテムはあまり扱いません。

精肉売場は直営ですが、「最上本店」を名乗る対面量り売りコーナーを導入。

100g1980円の松坂牛などハレの日需要に応える高級品を豊富に取り揃えます。

100g1780円の「おおいた和牛」や100g1280円から1680円の国産黒毛和牛のステーキ用も販売。肉質の割に少々割高で、ドン・キホーテのバイイングパワーをもってすれば黒毛和牛の方は100g1000円を切る価格帯の実現は可能なはずです。

上質なすき焼き用肉を大量陳列。

豚肉、鶏肉はMEGA盛りによる価格訴求を展開。写真にありませんが国産鶏もも肉は大容量パックで100g99円と「圧倒的な低価格」とは言えません。

精肉売場もPOPの数が凄まじいですね。

鮮魚売場。

巨大な「こち」も販売。対面販売で調理も承っています。

チダイ、かわはぎ、いさき、かます、めいたかれい、きんき、といった丸魚を豊富に扱い、鮮度感を訴求。

100g1480円の天然物本マグロ中トロなど上質なマグロのサクも多数販売。

お刺身盛り合わせは本マグロの入った3点盛り980円、4点盛り1380円、6点盛り2980円、お手頃アイテムとして6点盛り1180円など高価格帯・ファミリー層向けを中心に充実した品揃え。

惣菜売場。

お祭りの屋台が建ち並ぶような意匠で、活気ある雰囲気を演出。

やきとりコーナー。

から揚げコーナー。ハイボールの関連陳列にも取り組みます。

ロピアで見られるような家族でシェアして食べる1000円近い「メガ盛り」「ギガ盛り」プレートも並びます。

お弁当は500円から600円程度の単価が多く、安さを際立たせる商品は少なめ。

「らあめん花月嵐監修 嵐げんこつカレー」(598円)などコラボ商品も投入します。

握り寿司は10貫入り598円、24貫入り1780円などお手頃でボリューム感ある商品を販売。

大田区の地元企業が製造するおはぎ、おこわを導入。

ベーカリーコーナー「TOROLISTA(トロリスタ)」。ドン・キホーテが直営で展開しています。
「暗示にかかってしまったというしかない」というよく分からないキャッチコピーを掲げます。

チーズをふんだんに使用したピザが売りのようですが、価格の割に美味しそうには見えませんでした。
オーケー、ロピア、マミーマートといった競合のような価格や見た目のインパクトが欲しいところです。

和日配の納豆コーナー。おかめ納豆極小粒ミニ3パックは67円で販売。

洋日配の牛乳コーナー。明治おいしい牛乳900mlは西友大森店に対抗して238円で販売。

ひと際目立つ圧倒的驚安(きょうやす)プライスコーナー。

雪印カマンベールチーズを250円で提供。

ドン・キホーテのプライベートブランド「情熱価格」の加工肉をコーナー展開。

ヤマザキロイヤルブレッドは西友の185円やオオゼキの159円を大幅に下回る139円で販売。

加工食品や日配品はドン・キホーテらしい「安さ」を強調した商品政策で、競合他社の価格調査も実施して対抗値下げをアピールします。プライスカードにも「驚安」「圧倒的」の文字が踊り、巨大なPOPで賑やかな雰囲気を演出。

情熱価格をメインとした「ドンキ限定商品」コーナー。

圧巻のカットケース陳列。

情熱価格ブランドのお菓子も多数販売。

他社ではあまり見られない輸入菓子も仕入れます。

醬油コーナー。

ドレッシングコーナー。
調味料では高級品・こだわりの品はあまり導入せず、大手NBの価格訴求と自社PB「情熱価格」の売り込みに徹します。

レトルトカレーコーナー。

コーヒー、紅茶類は高級品も取り扱います。

輸入食品コーナーは競合を圧倒する豊富な品揃え。

在庫限りの季節商品など訳アリ商品も激安で販売します。

伊藤園おーいお茶600mlは88円、情熱価格の緑茶は68円で販売。

酒類ではドン・キホーテの客層に合わせた尖ったアイテムも導入。
「SNS映え」「パリピ酒」というPOPも見られます。

希少価値の高いウィスキー、日本酒、焼酎、ワインも多彩に揃えます。

2階への階段。

ドンペンのアーケードが設置されています。

飾り付けにはこだわっています。

レジャー用品など季節商品を目立つ場所で大きく打ち出します。

都心部の駅前立地などに比べるとメイン通路の幅はきちんと確保されている印象。

巨大な液晶テレビも販売。

白物家電も直営で取り扱います。

寝具コーナー。

インテリア用品コーナー。

「大森のどうくつ」と称したガチャガチャコーナー。

入り組んだ構造をしており、立体駐車場のスロープ下部分は天井が低くなっています。

ドンキおもちゃ王国。

子供玩具の隣に駄菓子コーナーを設置。

ドン・キホーテならではのコスプレ衣装も取り扱い。

ペット用品も強化。

衣料品コーナー。

ターゲット層を従来のシニア層からドン・キホーテが本来ターゲットとするニューファミリー層へ変更すると開店ニュースリリースにもある通り、婦人服・紳士服・肌着などは若者向けな品揃えであり、高齢者層には受け入れられないと見られます。

衣料品では肌着のスペースを大きく割いています。

在庫が通路に山積みになっていますが、紳士用品コーナー。

「大森山王フレンドリーパーク」という小さなゲームコーナー。

衣料品、住まいの品でも情熱価格を積極的に押し出します。

MEGAドン・キホーテ大森山王店 店舗概要
開業: 2016年6月30日(ダイシン百貨店は1964年開業。現在の建物は2011年と2012年に建て替えオープン)
売場面積: 10539㎡(公式ニュースリリースより)
営業時間: 8:00~ 翌3:00
住所: 東京都大田区山王3-6-3
駐車場: 200台
(1円以上お買い上げで60分無料(最初の30分無料+さらに30分無料)
2000円以上お買い上げで120分無料(最初の30分無料+さらに90分無料)
3000円以上お買い上げで180分無料 (最初の30分無料+さらに150分無料))
HP: https://www.donki.com/store/shop_detail.php?shop_id=407
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: 多い
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 圧縮陳列、活気ある
品出し・前出し: 普通
クリンリネス: 普通
接客対応: 普通
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 6台(4台稼働中)
食品セミセルフレジ: 8台(4台稼働中)、精算機16台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: 情熱価格
1964年に開業し、地域密着の総合スーパーとして営業を続けてきた「ダイシン百貨店」。「半径500m圏内、シェア100%」を掲げ、特に地元の高齢者向けのきめ細やかな品揃えが支持を集めており、メディアでも度々取り上げられていました。2011年と2012年には老朽化した店舗の建て替えも実施。しかし東日本大震災の発生に伴い工期が伸びたことや、競合他社の進出もあって客離れが進み、建て替え後も業績は伸び悩みます。建築費用の借入金や金利負担ものしかかり、財務状況は悪化していました。
2014年にはドン・キホーテ系列の投資ファンドが株式を買収。営業時間の延長などドン・キホーテ流の改革を進めますが、2016年1月期は売上高53億6000万円、経常損失8100万円を計上。2016年に入り株式会社ダイシン百貨店はドン・キホーテHDの完全子会社となり、5月8日にダイシン百貨店としての営業を終了し、6月30日に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」としてオープンしました。2021年には株式会社ドン・キホーテに吸収される形で法人格も消滅しています。
売場面積23区最大を謳い、売上高も2020年2月と3月には日本国内のPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)国内リテール部門で売上1位を達成しています。建て替え時に営業を継続するため、北と南を分けて建築した関係で、入り組んだ構造をしており、立体駐車場のスロープ下部分は天井が低くなっているほか、高齢者向けを標榜していた店舗としては段差の多い売場となっています。店内は完全にドン・キホーテと化しており、ダイシン百貨店時代の雰囲気・品揃えは見られませんでした。
生鮮品、惣菜は品質重視の高級路線に振れており、ドン・キホーテらしい「安さ」を前面に打ち出した低価格一辺倒のランナップではありません。青果売場では定番品の価格はそれほど安くない一方、高級な果物をお手頃な価格で提供。精肉は対面販売コーナーも設け、100g1980円の松坂牛などハレの日需要に応える高級品を豊富に取り揃えます。一方で黒毛和牛ステーキ用肉やすき焼き用肉も霜降りが入って十分上質な肉質ですが、100g1280円から1680円と少々割高で、ドン・キホーテのバイイングパワーをもってすれば1000円を切る価格帯の実現は可能なはずです。国産鶏もも肉も大容量パックで100g99円と「圧倒的な低価格」とは言えません。
鮮魚売場はこち、チダイ、かわはぎ、いさき、かます、めいたかれい、きんき、といった丸魚を豊富に扱い、鮮度感を訴求します。100g1480円の天然物本マグロ中トロなど上質なマグロのサクも多数販売。お刺身盛り合わせも本マグロの入った3点盛り980円、4点盛り1380円、6点盛り2980円、お手頃アイテムとして6点盛り1180円など高価格帯・ファミリー層向けのアイテムが目立ちます。
惣菜売場はお祭りの屋台が建ち並ぶような意匠で、活気ある雰囲気を演出。お弁当は500円から600円程度の単価が多く、安さを際立たせる商品は少なめ。反対にロピアで見られるような家族でシェアして食べる1000円近い「メガ盛り」「ギガ盛り」プレートも並びます。握り寿司は10貫入り598円、24貫入り1780円などお手頃でボリューム感ある商品を投入。その他は揚げ物など中心で手の込んだ料理は多くありません。ベーカリーは惣菜売場とは離れた場所で展開しますが、ピザなど一部アイテムは惣菜で販売されています。低価格品が中心のラインナップで、食事パンはほとんど扱いません。
加工食品や日配品はドン・キホーテらしい「安さ」を強調した商品政策で、競合他社の価格調査も実施して対抗値下げをアピールします。プライスカードにも「驚安」「圧倒的」の文字が踊り、巨大なPOPで賑やかな雰囲気を演出。加工食品では高級品・こだわりの品はあまり導入せず、大手NBの価格訴求と自社PB「情熱価格」の売り込みに徹しますが、菓子では輸入菓子を積極的に導入し、在庫限りの季節商品など訳アリ商品も激安で販売します。酒類はドン・キホーテらしい珍しい商品が多数展開されています。
1階では食料品の他に日用消耗品も展開しますが、会計レジを日用消耗品側に配置することで、混雑時でもメインとなる食料品関係の回遊性が低下する状況は回避しています。2階は衣料品、寝具、宝飾品、家電、生活用品などのフロア。ターゲット層を従来のシニア層からドン・キホーテが本来ターゲットとするニューファミリー層へ変更すると開店ニュースリリースにもある通り、婦人服・紳士服・肌着などは若者向けな品揃えであり、高齢者層には受け入れられないと見られます。一方で、若い子育て世代の来店を見込むのであれば、子供服、子供用品を拡充する必要があるのではないでしょうか。
2階もドン・キホーテらしいアミューズメント性ある売場演出と、都市部の駅前立地ほどではありませんが圧縮陳列が実施されており、ワクワク感を与えてくれます。オープン当初はドイトが運営するリフォームコーナーやダイシン百貨店時代から取り扱いのある仏壇コーナーも設けていたようですが、現在は撤退しています。オペレーション面で気になったのですが、品出し作業中に段ボールや梱包のゴミなどが通路に放置され、ただでさえ狭い通路が塞がっている場面が見受けられたのは残念です。
平日の昼間から4階駐車場がほぼ満車となるなど来店客は多く、店内は主婦、高齢者を中心に賑わっていました。従業員の多くをダイシン百貨店時代から引き継いだこともあり、品揃えが多少変わっても、以前から来店している高齢者は引き続き利用しているのでしょうか。2階にニトリ、3階にはガストも入居し、長時間過ごせる施設となっています。特に1階食料品売場は混雑しており、買い物内容を見てもカゴ一杯が当たり前で、日用消耗品も含めて2カゴ満杯に購入する方も多い印象。平均所得の比較的高い地域で、生鮮3品を中心に高い品質の商品も販売し、売上に繋げています。営業時間は深夜3時までと遅く、夜間や休日には若者も増えると推測されます。
JR京浜東北線の大森駅から徒歩8分程度のところに、MEGAドン・キホーテ大森山王店はあります。
店舗外観。
1964年に開業し、地域密着の総合スーパーとして営業を続けてきた「ダイシン百貨店」。「半径500m圏内、シェア100%」を掲げ、特に地元の高齢者向けのきめ細やかな品揃えが支持を集めており、メディアでも度々取り上げられていました。2011年と2012年には老朽化した店舗の建て替えも実施。しかし東日本大震災の発生に伴い工期が伸びたことや、競合他社の進出もあって客離れが進み、建て替え後も業績は伸び悩みます。建築費用の借入金や金利負担ものしかかり、財務状況は悪化していました。2014年にはドン・キホーテ系列の投資ファンドが株式を買収。2016年に入り株式会社ダイシン百貨店はドン・キホーテHDの完全子会社となり、5月8日にダイシン百貨店としての営業を終了し、6月30日に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」としてオープンしました。2021年には株式会社ドン・キホーテに吸収される形で法人格も消滅しています。

こちらが2012年に完成した区画です。

左手が2011年に完成した区画。内部は繋がっています。

建物裏手。

正面入口。

売場面積23区最大を謳い、売上高も2020年2月と3月には日本国内のPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)国内リテール部門で売上1位を達成しています。

フロアガイド。3階にはニトリ、4階にはガストが入居します。

MEGAドン・キホーテの売場平面図。

まずは1階食料品から見ていきます。
青果売場では「驚安の八百屋」を名乗り、旬の野菜・果物をボリューム展開。

大量のPOPで賑やかな空間を演出。

高級な果物も多数取り扱います。

フルーツの王様、ドリアンも販売。

「担当者本間、限界に挑戦中!!」と題してマンゴーを低価格で販売。少し傷み始めているものが多いようでした。

特大肥後グリーンメロンを1玉980円で提供。量感溢れる陳列手法に目を引かれます。

トマトコーナー。隙間なくぎっしりと商品を陳列します。

もやしは1袋28円。

有機野菜や産地直送野菜など差別化アイテムはあまり扱いません。

精肉売場は直営ですが、「最上本店」を名乗る対面量り売りコーナーを導入。

100g1980円の松坂牛などハレの日需要に応える高級品を豊富に取り揃えます。

100g1780円の「おおいた和牛」や100g1280円から1680円の国産黒毛和牛のステーキ用も販売。肉質の割に少々割高で、ドン・キホーテのバイイングパワーをもってすれば黒毛和牛の方は100g1000円を切る価格帯の実現は可能なはずです。

上質なすき焼き用肉を大量陳列。

豚肉、鶏肉はMEGA盛りによる価格訴求を展開。写真にありませんが国産鶏もも肉は大容量パックで100g99円と「圧倒的な低価格」とは言えません。

精肉売場もPOPの数が凄まじいですね。

鮮魚売場。

巨大な「こち」も販売。対面販売で調理も承っています。

チダイ、かわはぎ、いさき、かます、めいたかれい、きんき、といった丸魚を豊富に扱い、鮮度感を訴求。

100g1480円の天然物本マグロ中トロなど上質なマグロのサクも多数販売。

お刺身盛り合わせは本マグロの入った3点盛り980円、4点盛り1380円、6点盛り2980円、お手頃アイテムとして6点盛り1180円など高価格帯・ファミリー層向けを中心に充実した品揃え。

惣菜売場。

お祭りの屋台が建ち並ぶような意匠で、活気ある雰囲気を演出。

やきとりコーナー。

から揚げコーナー。ハイボールの関連陳列にも取り組みます。

ロピアで見られるような家族でシェアして食べる1000円近い「メガ盛り」「ギガ盛り」プレートも並びます。

お弁当は500円から600円程度の単価が多く、安さを際立たせる商品は少なめ。

「らあめん花月嵐監修 嵐げんこつカレー」(598円)などコラボ商品も投入します。

握り寿司は10貫入り598円、24貫入り1780円などお手頃でボリューム感ある商品を販売。

大田区の地元企業が製造するおはぎ、おこわを導入。

ベーカリーコーナー「TOROLISTA(トロリスタ)」。ドン・キホーテが直営で展開しています。
「暗示にかかってしまったというしかない」というよく分からないキャッチコピーを掲げます。

チーズをふんだんに使用したピザが売りのようですが、価格の割に美味しそうには見えませんでした。
オーケー、ロピア、マミーマートといった競合のような価格や見た目のインパクトが欲しいところです。

和日配の納豆コーナー。おかめ納豆極小粒ミニ3パックは67円で販売。

洋日配の牛乳コーナー。明治おいしい牛乳900mlは西友大森店に対抗して238円で販売。

ひと際目立つ圧倒的驚安(きょうやす)プライスコーナー。

雪印カマンベールチーズを250円で提供。

ドン・キホーテのプライベートブランド「情熱価格」の加工肉をコーナー展開。

ヤマザキロイヤルブレッドは西友の185円やオオゼキの159円を大幅に下回る139円で販売。

加工食品や日配品はドン・キホーテらしい「安さ」を強調した商品政策で、競合他社の価格調査も実施して対抗値下げをアピールします。プライスカードにも「驚安」「圧倒的」の文字が踊り、巨大なPOPで賑やかな雰囲気を演出。

情熱価格をメインとした「ドンキ限定商品」コーナー。

圧巻のカットケース陳列。

情熱価格ブランドのお菓子も多数販売。

他社ではあまり見られない輸入菓子も仕入れます。

醬油コーナー。

ドレッシングコーナー。
調味料では高級品・こだわりの品はあまり導入せず、大手NBの価格訴求と自社PB「情熱価格」の売り込みに徹します。

レトルトカレーコーナー。

コーヒー、紅茶類は高級品も取り扱います。

輸入食品コーナーは競合を圧倒する豊富な品揃え。

在庫限りの季節商品など訳アリ商品も激安で販売します。

伊藤園おーいお茶600mlは88円、情熱価格の緑茶は68円で販売。

酒類ではドン・キホーテの客層に合わせた尖ったアイテムも導入。
「SNS映え」「パリピ酒」というPOPも見られます。

希少価値の高いウィスキー、日本酒、焼酎、ワインも多彩に揃えます。

2階への階段。

ドンペンのアーケードが設置されています。

飾り付けにはこだわっています。

レジャー用品など季節商品を目立つ場所で大きく打ち出します。

都心部の駅前立地などに比べるとメイン通路の幅はきちんと確保されている印象。

巨大な液晶テレビも販売。

白物家電も直営で取り扱います。

寝具コーナー。

インテリア用品コーナー。

「大森のどうくつ」と称したガチャガチャコーナー。

入り組んだ構造をしており、立体駐車場のスロープ下部分は天井が低くなっています。

ドンキおもちゃ王国。

子供玩具の隣に駄菓子コーナーを設置。

ドン・キホーテならではのコスプレ衣装も取り扱い。

ペット用品も強化。

衣料品コーナー。

ターゲット層を従来のシニア層からドン・キホーテが本来ターゲットとするニューファミリー層へ変更すると開店ニュースリリースにもある通り、婦人服・紳士服・肌着などは若者向けな品揃えであり、高齢者層には受け入れられないと見られます。

衣料品では肌着のスペースを大きく割いています。

在庫が通路に山積みになっていますが、紳士用品コーナー。

「大森山王フレンドリーパーク」という小さなゲームコーナー。

衣料品、住まいの品でも情熱価格を積極的に押し出します。

MEGAドン・キホーテ大森山王店 店舗概要
開業: 2016年6月30日(ダイシン百貨店は1964年開業。現在の建物は2011年と2012年に建て替えオープン)
売場面積: 10539㎡(公式ニュースリリースより)
営業時間: 8:00~ 翌3:00
住所: 東京都大田区山王3-6-3
駐車場: 200台
(1円以上お買い上げで60分無料(最初の30分無料+さらに30分無料)
2000円以上お買い上げで120分無料(最初の30分無料+さらに90分無料)
3000円以上お買い上げで180分無料 (最初の30分無料+さらに150分無料))
HP: https://www.donki.com/store/shop_detail.php?shop_id=407
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: 多い
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 圧縮陳列、活気ある
品出し・前出し: 普通
クリンリネス: 普通
接客対応: 普通
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 6台(4台稼働中)
食品セミセルフレジ: 8台(4台稼働中)、精算機16台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: 情熱価格
1964年に開業し、地域密着の総合スーパーとして営業を続けてきた「ダイシン百貨店」。「半径500m圏内、シェア100%」を掲げ、特に地元の高齢者向けのきめ細やかな品揃えが支持を集めており、メディアでも度々取り上げられていました。2011年と2012年には老朽化した店舗の建て替えも実施。しかし東日本大震災の発生に伴い工期が伸びたことや、競合他社の進出もあって客離れが進み、建て替え後も業績は伸び悩みます。建築費用の借入金や金利負担ものしかかり、財務状況は悪化していました。
2014年にはドン・キホーテ系列の投資ファンドが株式を買収。営業時間の延長などドン・キホーテ流の改革を進めますが、2016年1月期は売上高53億6000万円、経常損失8100万円を計上。2016年に入り株式会社ダイシン百貨店はドン・キホーテHDの完全子会社となり、5月8日にダイシン百貨店としての営業を終了し、6月30日に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」としてオープンしました。2021年には株式会社ドン・キホーテに吸収される形で法人格も消滅しています。
売場面積23区最大を謳い、売上高も2020年2月と3月には日本国内のPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)国内リテール部門で売上1位を達成しています。建て替え時に営業を継続するため、北と南を分けて建築した関係で、入り組んだ構造をしており、立体駐車場のスロープ下部分は天井が低くなっているほか、高齢者向けを標榜していた店舗としては段差の多い売場となっています。店内は完全にドン・キホーテと化しており、ダイシン百貨店時代の雰囲気・品揃えは見られませんでした。
生鮮品、惣菜は品質重視の高級路線に振れており、ドン・キホーテらしい「安さ」を前面に打ち出した低価格一辺倒のランナップではありません。青果売場では定番品の価格はそれほど安くない一方、高級な果物をお手頃な価格で提供。精肉は対面販売コーナーも設け、100g1980円の松坂牛などハレの日需要に応える高級品を豊富に取り揃えます。一方で黒毛和牛ステーキ用肉やすき焼き用肉も霜降りが入って十分上質な肉質ですが、100g1280円から1680円と少々割高で、ドン・キホーテのバイイングパワーをもってすれば1000円を切る価格帯の実現は可能なはずです。国産鶏もも肉も大容量パックで100g99円と「圧倒的な低価格」とは言えません。
鮮魚売場はこち、チダイ、かわはぎ、いさき、かます、めいたかれい、きんき、といった丸魚を豊富に扱い、鮮度感を訴求します。100g1480円の天然物本マグロ中トロなど上質なマグロのサクも多数販売。お刺身盛り合わせも本マグロの入った3点盛り980円、4点盛り1380円、6点盛り2980円、お手頃アイテムとして6点盛り1180円など高価格帯・ファミリー層向けのアイテムが目立ちます。
惣菜売場はお祭りの屋台が建ち並ぶような意匠で、活気ある雰囲気を演出。お弁当は500円から600円程度の単価が多く、安さを際立たせる商品は少なめ。反対にロピアで見られるような家族でシェアして食べる1000円近い「メガ盛り」「ギガ盛り」プレートも並びます。握り寿司は10貫入り598円、24貫入り1780円などお手頃でボリューム感ある商品を投入。その他は揚げ物など中心で手の込んだ料理は多くありません。ベーカリーは惣菜売場とは離れた場所で展開しますが、ピザなど一部アイテムは惣菜で販売されています。低価格品が中心のラインナップで、食事パンはほとんど扱いません。
加工食品や日配品はドン・キホーテらしい「安さ」を強調した商品政策で、競合他社の価格調査も実施して対抗値下げをアピールします。プライスカードにも「驚安」「圧倒的」の文字が踊り、巨大なPOPで賑やかな雰囲気を演出。加工食品では高級品・こだわりの品はあまり導入せず、大手NBの価格訴求と自社PB「情熱価格」の売り込みに徹しますが、菓子では輸入菓子を積極的に導入し、在庫限りの季節商品など訳アリ商品も激安で販売します。酒類はドン・キホーテらしい珍しい商品が多数展開されています。
1階では食料品の他に日用消耗品も展開しますが、会計レジを日用消耗品側に配置することで、混雑時でもメインとなる食料品関係の回遊性が低下する状況は回避しています。2階は衣料品、寝具、宝飾品、家電、生活用品などのフロア。ターゲット層を従来のシニア層からドン・キホーテが本来ターゲットとするニューファミリー層へ変更すると開店ニュースリリースにもある通り、婦人服・紳士服・肌着などは若者向けな品揃えであり、高齢者層には受け入れられないと見られます。一方で、若い子育て世代の来店を見込むのであれば、子供服、子供用品を拡充する必要があるのではないでしょうか。
2階もドン・キホーテらしいアミューズメント性ある売場演出と、都市部の駅前立地ほどではありませんが圧縮陳列が実施されており、ワクワク感を与えてくれます。オープン当初はドイトが運営するリフォームコーナーやダイシン百貨店時代から取り扱いのある仏壇コーナーも設けていたようですが、現在は撤退しています。オペレーション面で気になったのですが、品出し作業中に段ボールや梱包のゴミなどが通路に放置され、ただでさえ狭い通路が塞がっている場面が見受けられたのは残念です。
平日の昼間から4階駐車場がほぼ満車となるなど来店客は多く、店内は主婦、高齢者を中心に賑わっていました。従業員の多くをダイシン百貨店時代から引き継いだこともあり、品揃えが多少変わっても、以前から来店している高齢者は引き続き利用しているのでしょうか。2階にニトリ、3階にはガストも入居し、長時間過ごせる施設となっています。特に1階食料品売場は混雑しており、買い物内容を見てもカゴ一杯が当たり前で、日用消耗品も含めて2カゴ満杯に購入する方も多い印象。平均所得の比較的高い地域で、生鮮3品を中心に高い品質の商品も販売し、売上に繋げています。営業時間は深夜3時までと遅く、夜間や休日には若者も増えると推測されます。