生鮮市場TOP南柏店
- 2023/07/27
- 21:06
千葉県柏市。
JR常磐線の南柏駅すぐのところに、生鮮市場TOP南柏店はあります。
店舗外観。
複合商業施設「フィールズ南柏」の1階に出店。2005年11月にマミーマート南柏店として開業後、2020年8月20日をもって一時閉店後、8月29日に「生鮮市場TOP」としてリニューアルオープンした店舗です。

入口に掲げられた「生鮮市場TOP宣言」

青果売場。
青果売場導入部ではミニトマト100g77円、桃4個799円などを「超特価」商品として販売。午前中のうちに目玉商品は売り切れてしまうようです。

トマトは4個から6個入り1パック399円と大変お買い得で、13時頃には品薄でした。

その後補充されましたが、午前中だけで売場がスカスカになるほど売れ行きは好調な様子です。

壁面のショーケース。

産地直送野菜もコーナー展開。

日常使いの野菜を大量陳列。

箱売りでの価格訴求も実施。

鮮魚売場。
「南柏に旨い魚を!!」というボードも掲げられています。

大ぶりな丸魚も多数販売。基本的には調理を承りますが、魚によっては「格安品のため調理サービスできません」と安さを理由に拒否する表示も見受けられました。

切身も含め陳列量が多く、鮮度感ある商品がボリューム展開されています。

巨大な「ノルウェー産生アトランティックサーモン」(100g430円)。

「生本鮪ブーメラン」(100g1090円)など完全にロピアを模倣した商品も並びます。
そもそも生鮮市場TOPの業態自体が「ロピアのいいとこ取りをした」と業界紙で書かれる場合もあります。

お刺身が弱いのもロピアと似ており、5点盛り1000円の盛り合わせに集約し単品お造りもほとんど展開しません。

握り寿司は旬や素材へのこだわりが感じられる良い出来栄えの商品を揃えています。1人前1090円から1690円のほか、4人前4500円などファミリー層向けの大容量アイテムも販売。

魚屋の海鮮丼(590円)はネタがふんだんに盛り付けられ、コストパフォーマンスには優れていると感じます。

続く精肉売場。

北海道産肩ロース焼き肉用100g498円やニュージーランド産生ラム肉100g398円を平台でボリューム展開。

やや薄切りの焼き肉用肉を強化。

和牛のレバー、ハツ、テール、直腸、シマチョウといった内臓系の珍しい部位も生で販売。

壁面では栃木県産「霜降高原牛」(100g699円)など上質な牛肉も取り扱い、肉質の割に価格は魅力的な印象。

「TOP名物カットステーキ」と称してウルグアイ産肩ロース肉を100g248円で提供します。

豚肉も大容量パックを軸に構成。

国産鶏もも肉は3枚入りの大容量パックで100g99円。私が約1年前に訪れたマミーマートでは5枚入りの大容量パックで100g69円だったのですが、物価高騰の影響で致し方ないのでしょう。

味付け肉も種類豊富に揃え、ファミリー層向けの大容量サイズも対応します。

惣菜売場。

平台ではテレビ番組で紹介された「国産鶏使用の柔らかとり天」を強くアピール。

弁当や揚げ物類も一通り揃えますが、「お弁当・お惣菜大賞」で毎年受賞を重ねるマミーマートとしては特色あるアイテムが乏しい印象を受けます。

ボリューム感ある大容量商品を販売。

サンドイッチはプロセスセンター加工であるものの、こだわり商品で差別化を図ります。

他店では強力なマグネット商品となっているピザも、各種1枚か2枚しか売場に並んでいませんでした。

チルドピザも品揃えします。

店内にテナントして入っている中華専門店「北京飯店」の商品を惣菜売場でも販売。中華惣菜の品揃えをカバーしています。

和日配の納豆コーナー。
大手ナショナルブランドを低価格で提供。

洋日配コーナー。
「毎日特価!! 安い!が常識!毎日がお買得!!」と徹底的に安さをアピールします。

牛乳は自社ブランド商品を大量陳列。

冷凍食品コーナー。

近年売上が伸長する冷凍ギョーザも独自の品揃えを展開。

加工食品売場。醬油コーナー。

ドレッシングコーナー。

高級品、こだわりの品を一部導入。

カップヌードルは178円で販売。大きなPOPが目を引きます。

CGC商品の他、自社ブランドである「mami+EnjoyLife!」(マミープラスエンジョイライフ)も販売します。

1個98円の均一菓子は3個購入で278円とお買い得になります。

ペットボトル飲料ではCGCのお茶500mlを48円で販売し価格訴求。業界ではほぼ底値と言えるでしょう。

酒売場。

一部のマミーマート店舗では高級感溢れる雰囲気とバラエティ豊かな品揃えが魅力な酒売場も、高級品は若干導入するものの酒好きが満足できるラインナップではありません。

生鮮市場TOP南柏店 店舗概要
開業: 2005年11月09日(マミーマート南柏店として。生鮮市場TOPへは2020年8月29日転換)
売場面積: 1947㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:00~22:00
住所: 千葉県柏市南柏中央6-7
駐車場: 270台(100円以上2,000円未満のお買い物1時間30分無料、2,000円以上のお買い物2時間30分無料)
HP: https://mami-mart.com/stores/chiba/kashiwa/minamikashiwa.html
店内・売場の様子
時間帯: 14時頃
客数: やや少ない
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや多め
売場の雰囲気: 活気ある
品出し・前出し: やや悪い
クリンリネス: やや良い
接客対応: 普通
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内、彩裕フーズ
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 0台
食品セミセルフレジ: 4台(2台稼働中)、精算機6台
食品完全セルフレジ: 16台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: CGC商品、「mami+EnjoyLife!」(マミープラスエンジョイライフ)
2005年11月にマミーマート南柏店として開業後、2020年8月20日をもって一時閉店後、8月29日に「生鮮市場TOP」としてリニューアルオープンした店舗です。マミーマートは地盤とする埼玉県51店舗を筆頭に千葉県21店舗、東京都3店舗、群馬県2店舗、栃木県1店舗の合計78店を運営しています(2022年12月時点)。業績は右肩上がりで成長しており、2018年9月期に1053億5100万円だった売上高は2021年9月期では1353億2500万円に達しています。2022年9月期はコロナ特需の反動減や新収益基準適応のため1330億0200万円と減少。
マミーマートが大きく成長した要因として、「生鮮市場TOP」の拡大が挙げられます。元々は1998年に開業した増尾台店において、「肉のあまいけ」「魚耕」を専門店として誘致した関係で名乗っていました。2019年11月にマミーマート坂戸入西店を「行くのが楽しくなる食の専門店」をコンセプトとした、広域商圏対応型の新業態として「生鮮市場TOP」へ転換。マミーマート既存店の転換に加え大型商業施設への新規出店も行い、2023年6月に転換した「新夏見店」で20店舗目となります。日配品や加工食品はEDLP(Everyday Low Price)で地域最安値を訴求し、生鮮食品では価格だけでなく鮮度や品質にもこだわる品揃えで支持を獲得。月間売上が2倍以上と驚異的に伸長した店舗もあるということです。
青果売場導入部ではミニトマト100g77円、桃4個799円などを「超特価」商品として販売。日常使いの野菜も値ごろ感ある価格で提供されています。トマトは4個から6個入り1パック399円と大変お買い得で、13時頃には品薄でしたが、その後補充されました。午前中だけで売場がスカスカになるほど売れ行きは好調な様子です。品揃えとしては単品量販の考えに則り、少量・小分けサイズやカット野菜など大幅に削減することでアイテム数・SKU数ともに絞り込みを実施。特に果物が弱く、お店の顔である青果売場で旬や季節感の演出が十分ではないと感じます。質の良い果物を彩り良く陳列しなくては、お客さんに季節の移ろいを感じてもらう事は難しいでしょう。
鮮魚はオープンキッチン方式でライブ感も演出。基本的には調理を承りますが、魚によっては安さを理由に拒否する表示も見受けられました。陳列量が全体的に多く、鮮度感ある商品がボリューム展開されています。調理場の人員も多く、品出しのために売場に出てくる頻度も高い印象。「ノルウェー産生アトランティックサーモン」(100g430円)や「生本鮪ブーメラン」(100g1090円)など完全にロピアを模倣した商品も並びます。お刺身が弱いのもロピアと似ており、5点盛り1000円の盛り合わせに集約し単品お造りもほとんど展開しません。握り寿司は旬や素材へのこだわりが感じられる良い出来栄えの商品を揃えています。1人前1090円から1690円のほか、4人前4500円などファミリー層向けの大容量アイテムも販売。魚屋の海鮮丼(590円)はネタがふんだんに盛り付けられ、コストパフォーマンスには優れていると感じます。
精肉は大容量パックを軸に価格を前面に打ち出します。国産鶏もも肉は3枚入りの大容量パックで100g99円。私が約1年前に訪れたマミーマートでは5枚入りの大容量パックで100g69円だったのですが、物価高騰の影響で致し方ないのでしょう。味付け肉も種類豊富に揃え、ファミリー層向けの大容量サイズも対応します。栃木県産「霜降高原牛」(100g699円)など上質な牛肉も取り扱い、肉質の割に価格は魅力的な印象。「TOP名物カットステーキ」と称してウルグアイ産肩ロース肉を100g248円で提供します。和牛のレバー、ハツ、テール、直腸、シマチョウといった内臓系の珍しい部位も生で販売。
精肉と惣菜は子会社の彩裕フーズのプロセスセンターからの供給も受け売場展開します。平台ではテレビ番組で紹介された「国産鶏使用の柔らかとり天」を強くアピール。弁当や揚げ物類も一通り揃えますが、「お弁当・お惣菜大賞」で毎年受賞を重ねるマミーマートとしては特色あるアイテムが乏しい印象を受けます。他店では強力なマグネット商品となっているピザも、各種1枚か2枚しか売場に並んでいませんでした。店内にテナントして入っている中華専門店「北京飯店」の商品を惣菜売場でも販売。中華惣菜の品揃えをカバーしています。
加工食品では高級品、こだわりの品を一部で扱うものの、多くは大手ナショナルブランドとCGC商品で構成します。通常のマミーマートと比較して特段アイテムの絞り込みが行われている様子はありません。セール品を中心に価格競争力は高く、生鮮品だけでなく加工食品も手に取るお客さんが多い印象。一部店舗では高級感溢れる雰囲気とバラエティ豊かな品揃えが魅力な酒売場も、高級品は若干導入するものの酒好きが満足できるラインナップではありません。近年伸長するクラフトビールも取り扱いが少なめ。
平日の昼間に訪問しましたが、客層としては主婦に加え家族連れ、子供連れといったファミリー層の姿も見られました。カゴ一杯に生鮮品や加工食品を購入される方も見られますが、駅前立地ということもあり平均的にはそれほど客単価は高くありません。セルフレジ16台を配置し露骨に誘導しますが、高齢者を中心に有人レジの需要は根強く、レジに列が出来る場面は多く見られました。
同時間帯の客数・客単価は目の前に立地する「フードスクエアカスミ南柏駅前店」と似たり寄ったりでした。生鮮品の専門性の高さと大容量販売による価格訴求が際立つ生鮮市場TOPに対し、生鮮品や惣菜の時短・簡便ニーズに応えるきめ細かな品揃えはカスミの方が優れているため、夕方以降の単身・少人数世帯の客層はカスミへ流れるのではないでしょうか。カスミは通常レジ4台と完全セルフレジ18台を備え、このうち完全セルフレジ4台は惣菜部門に独立して設置されています。駅前立地ですが生鮮市場TOPは共用270台、カスミも共用180台の駐車場を確保。土日の場合は、家族連れで来店し大量の商品を購入することを想定する商品政策の生鮮市場TOPの伸びが大きいと推測されます。
JR常磐線の南柏駅すぐのところに、生鮮市場TOP南柏店はあります。
店舗外観。
複合商業施設「フィールズ南柏」の1階に出店。2005年11月にマミーマート南柏店として開業後、2020年8月20日をもって一時閉店後、8月29日に「生鮮市場TOP」としてリニューアルオープンした店舗です。

入口に掲げられた「生鮮市場TOP宣言」

青果売場。
青果売場導入部ではミニトマト100g77円、桃4個799円などを「超特価」商品として販売。午前中のうちに目玉商品は売り切れてしまうようです。

トマトは4個から6個入り1パック399円と大変お買い得で、13時頃には品薄でした。

その後補充されましたが、午前中だけで売場がスカスカになるほど売れ行きは好調な様子です。

壁面のショーケース。

産地直送野菜もコーナー展開。

日常使いの野菜を大量陳列。

箱売りでの価格訴求も実施。

鮮魚売場。
「南柏に旨い魚を!!」というボードも掲げられています。

大ぶりな丸魚も多数販売。基本的には調理を承りますが、魚によっては「格安品のため調理サービスできません」と安さを理由に拒否する表示も見受けられました。

切身も含め陳列量が多く、鮮度感ある商品がボリューム展開されています。

巨大な「ノルウェー産生アトランティックサーモン」(100g430円)。

「生本鮪ブーメラン」(100g1090円)など完全にロピアを模倣した商品も並びます。
そもそも生鮮市場TOPの業態自体が「ロピアのいいとこ取りをした」と業界紙で書かれる場合もあります。

お刺身が弱いのもロピアと似ており、5点盛り1000円の盛り合わせに集約し単品お造りもほとんど展開しません。

握り寿司は旬や素材へのこだわりが感じられる良い出来栄えの商品を揃えています。1人前1090円から1690円のほか、4人前4500円などファミリー層向けの大容量アイテムも販売。

魚屋の海鮮丼(590円)はネタがふんだんに盛り付けられ、コストパフォーマンスには優れていると感じます。

続く精肉売場。

北海道産肩ロース焼き肉用100g498円やニュージーランド産生ラム肉100g398円を平台でボリューム展開。

やや薄切りの焼き肉用肉を強化。

和牛のレバー、ハツ、テール、直腸、シマチョウといった内臓系の珍しい部位も生で販売。

壁面では栃木県産「霜降高原牛」(100g699円)など上質な牛肉も取り扱い、肉質の割に価格は魅力的な印象。

「TOP名物カットステーキ」と称してウルグアイ産肩ロース肉を100g248円で提供します。

豚肉も大容量パックを軸に構成。

国産鶏もも肉は3枚入りの大容量パックで100g99円。私が約1年前に訪れたマミーマートでは5枚入りの大容量パックで100g69円だったのですが、物価高騰の影響で致し方ないのでしょう。

味付け肉も種類豊富に揃え、ファミリー層向けの大容量サイズも対応します。

惣菜売場。

平台ではテレビ番組で紹介された「国産鶏使用の柔らかとり天」を強くアピール。

弁当や揚げ物類も一通り揃えますが、「お弁当・お惣菜大賞」で毎年受賞を重ねるマミーマートとしては特色あるアイテムが乏しい印象を受けます。

ボリューム感ある大容量商品を販売。

サンドイッチはプロセスセンター加工であるものの、こだわり商品で差別化を図ります。

他店では強力なマグネット商品となっているピザも、各種1枚か2枚しか売場に並んでいませんでした。

チルドピザも品揃えします。

店内にテナントして入っている中華専門店「北京飯店」の商品を惣菜売場でも販売。中華惣菜の品揃えをカバーしています。

和日配の納豆コーナー。
大手ナショナルブランドを低価格で提供。

洋日配コーナー。
「毎日特価!! 安い!が常識!毎日がお買得!!」と徹底的に安さをアピールします。

牛乳は自社ブランド商品を大量陳列。

冷凍食品コーナー。

近年売上が伸長する冷凍ギョーザも独自の品揃えを展開。

加工食品売場。醬油コーナー。

ドレッシングコーナー。

高級品、こだわりの品を一部導入。

カップヌードルは178円で販売。大きなPOPが目を引きます。

CGC商品の他、自社ブランドである「mami+EnjoyLife!」(マミープラスエンジョイライフ)も販売します。

1個98円の均一菓子は3個購入で278円とお買い得になります。

ペットボトル飲料ではCGCのお茶500mlを48円で販売し価格訴求。業界ではほぼ底値と言えるでしょう。

酒売場。

一部のマミーマート店舗では高級感溢れる雰囲気とバラエティ豊かな品揃えが魅力な酒売場も、高級品は若干導入するものの酒好きが満足できるラインナップではありません。

生鮮市場TOP南柏店 店舗概要
開業: 2005年11月09日(マミーマート南柏店として。生鮮市場TOPへは2020年8月29日転換)
売場面積: 1947㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:00~22:00
住所: 千葉県柏市南柏中央6-7
駐車場: 270台(100円以上2,000円未満のお買い物1時間30分無料、2,000円以上のお買い物2時間30分無料)
HP: https://mami-mart.com/stores/chiba/kashiwa/minamikashiwa.html
店内・売場の様子
時間帯: 14時頃
客数: やや少ない
客層: 主婦、高齢者、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや多め
売場の雰囲気: 活気ある
品出し・前出し: やや悪い
クリンリネス: やや良い
接客対応: 普通
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内、彩裕フーズ
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 0台
食品セミセルフレジ: 4台(2台稼働中)、精算機6台
食品完全セルフレジ: 16台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: CGC商品、「mami+EnjoyLife!」(マミープラスエンジョイライフ)
2005年11月にマミーマート南柏店として開業後、2020年8月20日をもって一時閉店後、8月29日に「生鮮市場TOP」としてリニューアルオープンした店舗です。マミーマートは地盤とする埼玉県51店舗を筆頭に千葉県21店舗、東京都3店舗、群馬県2店舗、栃木県1店舗の合計78店を運営しています(2022年12月時点)。業績は右肩上がりで成長しており、2018年9月期に1053億5100万円だった売上高は2021年9月期では1353億2500万円に達しています。2022年9月期はコロナ特需の反動減や新収益基準適応のため1330億0200万円と減少。
マミーマートが大きく成長した要因として、「生鮮市場TOP」の拡大が挙げられます。元々は1998年に開業した増尾台店において、「肉のあまいけ」「魚耕」を専門店として誘致した関係で名乗っていました。2019年11月にマミーマート坂戸入西店を「行くのが楽しくなる食の専門店」をコンセプトとした、広域商圏対応型の新業態として「生鮮市場TOP」へ転換。マミーマート既存店の転換に加え大型商業施設への新規出店も行い、2023年6月に転換した「新夏見店」で20店舗目となります。日配品や加工食品はEDLP(Everyday Low Price)で地域最安値を訴求し、生鮮食品では価格だけでなく鮮度や品質にもこだわる品揃えで支持を獲得。月間売上が2倍以上と驚異的に伸長した店舗もあるということです。
青果売場導入部ではミニトマト100g77円、桃4個799円などを「超特価」商品として販売。日常使いの野菜も値ごろ感ある価格で提供されています。トマトは4個から6個入り1パック399円と大変お買い得で、13時頃には品薄でしたが、その後補充されました。午前中だけで売場がスカスカになるほど売れ行きは好調な様子です。品揃えとしては単品量販の考えに則り、少量・小分けサイズやカット野菜など大幅に削減することでアイテム数・SKU数ともに絞り込みを実施。特に果物が弱く、お店の顔である青果売場で旬や季節感の演出が十分ではないと感じます。質の良い果物を彩り良く陳列しなくては、お客さんに季節の移ろいを感じてもらう事は難しいでしょう。
鮮魚はオープンキッチン方式でライブ感も演出。基本的には調理を承りますが、魚によっては安さを理由に拒否する表示も見受けられました。陳列量が全体的に多く、鮮度感ある商品がボリューム展開されています。調理場の人員も多く、品出しのために売場に出てくる頻度も高い印象。「ノルウェー産生アトランティックサーモン」(100g430円)や「生本鮪ブーメラン」(100g1090円)など完全にロピアを模倣した商品も並びます。お刺身が弱いのもロピアと似ており、5点盛り1000円の盛り合わせに集約し単品お造りもほとんど展開しません。握り寿司は旬や素材へのこだわりが感じられる良い出来栄えの商品を揃えています。1人前1090円から1690円のほか、4人前4500円などファミリー層向けの大容量アイテムも販売。魚屋の海鮮丼(590円)はネタがふんだんに盛り付けられ、コストパフォーマンスには優れていると感じます。
精肉は大容量パックを軸に価格を前面に打ち出します。国産鶏もも肉は3枚入りの大容量パックで100g99円。私が約1年前に訪れたマミーマートでは5枚入りの大容量パックで100g69円だったのですが、物価高騰の影響で致し方ないのでしょう。味付け肉も種類豊富に揃え、ファミリー層向けの大容量サイズも対応します。栃木県産「霜降高原牛」(100g699円)など上質な牛肉も取り扱い、肉質の割に価格は魅力的な印象。「TOP名物カットステーキ」と称してウルグアイ産肩ロース肉を100g248円で提供します。和牛のレバー、ハツ、テール、直腸、シマチョウといった内臓系の珍しい部位も生で販売。
精肉と惣菜は子会社の彩裕フーズのプロセスセンターからの供給も受け売場展開します。平台ではテレビ番組で紹介された「国産鶏使用の柔らかとり天」を強くアピール。弁当や揚げ物類も一通り揃えますが、「お弁当・お惣菜大賞」で毎年受賞を重ねるマミーマートとしては特色あるアイテムが乏しい印象を受けます。他店では強力なマグネット商品となっているピザも、各種1枚か2枚しか売場に並んでいませんでした。店内にテナントして入っている中華専門店「北京飯店」の商品を惣菜売場でも販売。中華惣菜の品揃えをカバーしています。
加工食品では高級品、こだわりの品を一部で扱うものの、多くは大手ナショナルブランドとCGC商品で構成します。通常のマミーマートと比較して特段アイテムの絞り込みが行われている様子はありません。セール品を中心に価格競争力は高く、生鮮品だけでなく加工食品も手に取るお客さんが多い印象。一部店舗では高級感溢れる雰囲気とバラエティ豊かな品揃えが魅力な酒売場も、高級品は若干導入するものの酒好きが満足できるラインナップではありません。近年伸長するクラフトビールも取り扱いが少なめ。
平日の昼間に訪問しましたが、客層としては主婦に加え家族連れ、子供連れといったファミリー層の姿も見られました。カゴ一杯に生鮮品や加工食品を購入される方も見られますが、駅前立地ということもあり平均的にはそれほど客単価は高くありません。セルフレジ16台を配置し露骨に誘導しますが、高齢者を中心に有人レジの需要は根強く、レジに列が出来る場面は多く見られました。
同時間帯の客数・客単価は目の前に立地する「フードスクエアカスミ南柏駅前店」と似たり寄ったりでした。生鮮品の専門性の高さと大容量販売による価格訴求が際立つ生鮮市場TOPに対し、生鮮品や惣菜の時短・簡便ニーズに応えるきめ細かな品揃えはカスミの方が優れているため、夕方以降の単身・少人数世帯の客層はカスミへ流れるのではないでしょうか。カスミは通常レジ4台と完全セルフレジ18台を備え、このうち完全セルフレジ4台は惣菜部門に独立して設置されています。駅前立地ですが生鮮市場TOPは共用270台、カスミも共用180台の駐車場を確保。土日の場合は、家族連れで来店し大量の商品を購入することを想定する商品政策の生鮮市場TOPの伸びが大きいと推測されます。