埼玉県坂戸市。
東武東上線の坂戸駅から徒歩3分程度のところに、イトーヨーカドー坂戸店はあります。
こちらの店舗は2016年10月16日をもって営業を終了いたしました。
閉店当日に行ってまいりましたので、その模様をお伝えいたします。
店舗外観。
4階建てのGMSタイプ。

店舗の裏側。

大規模小売店舗表示板。

フロアガイド。

閉店のご案内。

1階にはお客さん、従業員双方からの感謝の言葉が飾られていました。
「お客様の記憶の中で生き続けたい」

1階青果売場。
みかんやバナナ、トマトを大量陳列。

鮮魚売場では中トロ入り6点盛りを880円で販売。
パックには1つ1つ従業員からのメッセージが書かれています。

お寿司も同様に感謝の言葉が書かれていました。

鮮魚前の通路。

各所で「ありがとうございました」の文字が見られます。

どの売場でも商品はまだまだ豊富。

加工食品売場でも感謝の言葉が並びます。

レジ前の様子。

2階は婦人服売場です。


衣料品は他店で引き取るつもりなのでしょうか。

3階は紳士服と子供服、女性肌着のフロア。

こちらも商品はまだたくさんあります。


子供服コーナー。

3階にはクロシードという靴専門店も入居。

4階は住まいの品のフロア。


寝具も取り扱っています。

100円ショップのキャン・ドゥも入居。
50%オフセールを実施しており、ほとんどの商品が無くなっていました。

閉店まで1時間を切ると、店内はお客さんが詰めかけ、まともに歩けない状態になりました。

青果コーナーの棚。

鮮魚コーナーの棚。

20時30分頃、店長による閉店挨拶が始まりました。
動画でご紹介します。
イトーヨーカドー坂戸店 店舗概要開業: 1976年6月29日
閉店: 2016年10月16日
店舗面積: 8429㎡
住所: 坂戸市日の出町5-30
HP:
http://blog.itoyokado.co.jp/shop/058/shopdetail.html坂戸市最大の商業施設であるイトーヨーカドー坂戸店は、同社58番目の店舗として1976年に開業しました。最上階の4階には周辺を一望できるレストラン「ファミール」が併設され、1階にはフードコート「ポッポ」が入居するなど昔ながらのイトーヨーカドーでした。多くの地域住民に利用されてきましたが、残念ながら40年の歴史に幕を閉じることとなりました。
店舗の老朽化もありますが、業績の落ち込みも大きいと考えられます。2014年には少し離れた所に1900平米で150台の駐車場を有するベルクが開業。近隣駅にもショッピングセンターが開業するなど競争が激しくなっていました。イトーヨーカドーも駐車場を280台有していますが直営が少なく、集客力は大きくありませんでした。
また坂戸駅周辺を歩くと、駅前にも関わらず商店街はシャッター街で、パチンコ店ですら閉店していました。飲食店もチェーン店では餃子の満洲、ミスタードーナツぐらいで、とても28000人が利用する駅には思えませんでした。幹線道路沿いには家電量販店をはじめとして多くの小売店が立地しているのですが、駅前は空洞化し、商業集積が全く無い状況です。これでは休日を中心にイトーヨーカドーへの来店は見込めず、平日夕方に食品を買うお客さんしか利用しないでしょう。
店内は最終日だけあって大変賑わっていました。売場は紅白幕の派手な装飾が施され、「売りつくし」の垂れ幕が至る所で見られました。4階に入居しているキャン・ドゥでは50%オフセールを開催し、ほとんどの商品を売りきっていましたが、イトーヨーカドーでは衣料品、住まいの品ともに半分程度を売ったに過ぎず、まだまだ商品を残していました。1階食料品売場においても、加工食品の値引きはほぼ実施せず、夕方になっても棚に商品を補充する状態でした。
1階食品売場では、今までのご愛顧に感謝する「ありがとうございました」の文字が並び、お刺身やお寿司には1つ1つ手書きで感謝のメッセージが書きこまれていました。千住店でも行っていましたが、ここまで盛大なものでは無かったと思います。店長の熱意が感じられました。また閉店セレモニーでは感謝の言葉が書かれた紙と花の種が配られました。東急東横の東館閉館の際にはタオルを配っていましたが、スーパーの閉店で物が配られるのは異例です。遠藤店長は、閉店について悔しさを滲ませました。地域の皆様に申し訳ない気持ちだそうですが、この立地と業態なら仕方の無いことです。跡地の利用は決まっていませんが、小売業で手を出せるのはドン・キホーテぐらいではないでしょうか。