千葉県松戸市。
新京成線の八柱駅と武蔵野線の新八柱駅から徒歩2分程度のところに、イトーヨーカドー八柱店はあります。
店舗外観

フロアガイド。地下1階から地上3階までの4フロアで営業しています。

まずは地下1階の食料品売場から見ていきましょう。
近年出店した店舗では什器など黒を基調として照明を減らし、高級感を出しているところもありますが、
こちらは以前と変わらない売場。

カットフルーツコーナー。
ファミリー層が多いのですから、もっと華やかな盛り合わせなど並べても良いでしょう。

紅葉を飾るなどして季節感を演出。

テレビモニターによる販売促進も展開します。

ぶどうは量り売りで販売します。
ここ数年増えてきた売り方ですが、同じ値段の場合
お客さんがより良い商品を取ろうとして触り、結果として品質が悪化するためだと考えられます。

トマト売場。
アイテム数はあまり多くありませんが、イトーヨーカドーがこだわった「顔が見える食品」を取り揃えます。

カット野菜は自社PBのセブンプレミアムで豊富に展開。
とんかつ用キャベツとサラダ用キャベツを分けて発売するなどきめ細かな品揃えを実施します。

和日配コーナー。

鮮魚売場は対面販売を実施。

コーナーPOPや関連陳列も積極的に活用。

お刺身コーナー。
中トロの入った6点盛り1180円など上質志向の商品を訴求。
ハロウィンでお刺身パーティというあまり現実的ではない販促POPが見られました。

単品のお刺身も充実しています。

鍋つゆや大根、大根おろしなど関連陳列。

電子レンジで簡単に調理出来るセブンプレミアムの魚惣菜も強化しています。

惣菜売場。
本日のおすすめ品のアジフライ(98円)を大量陳列し訴求します。

揚げ物バイキングコーナー。

天ぷらや焼き鳥も充実しています。
トングの色を変えることで揚げ物、天ぷら、焼き鳥のたれ・塩を区別させる配慮をしています。

和惣菜コーナー。

牛丼、うどん・そば・グラタンなど、コンビニで販売されている消費期限の長いチルド弁当を数多く導入。

精肉売場。
対面の量り売りコーナーは導入していませんが、店内加工を実施。
他社がプロセスセンターを活用しアウトパック化していく中、イトーヨーカドーは店内加工を続けています。

豚肉からハム・ソーセージのコーナー。

黒毛和牛、国産牛のステーキ肉も販売しますが、下段ではアンガスビーフの巨大肉を売り込みます。

「クイック・キッチン」という簡便調理のコーナー。
味付けのカツレツやフライパンで焼くだけのチーズタッカルビなど揃えます。

電子レンジで調理できる1人前の鍋も販売。
クリームシチューやデミグラスシチューは野菜もたくさん入っています。

洋日配コーナー。

ヨーグルト売場。
商品の種類ごとにPOPで区切られており、探しやすいですね。

加工食品売場。
エンドでは冬に向けて鍋つゆを訴求します。

酒売場。
商品説明のPOPは丁寧に作られていますが、品揃えはあまり凝っていません。

ボーナスポイント商品はボリュームを出して展開。

ハロウィンならぬ「ハトウィン」というイトーヨーカドーの鳩をモチーフにしたイベントを開催。

パン売場。
セブンプレミアムは製造者の記載がありますが、プライスカードの横に貼りだすまで重要な事なのでしょうか。

レジ前にはモニターが設置されており、メニュー提案や商品情報を流していました。

フードコートにはマクドナルドとポッポが入居。

1階は住まいの品のフロア。寝具も豊富に取り揃えます。

日用雑貨コーナー。

通路が狭く圧迫感がありますが、生活家電を扱うなど品揃えは十分。

7美のガーデンでは医薬品も販売。

2階は婦人服、紳士服のフロア。

肌着コーナー。

紳士スーツ。

紳士服売場。
どうしても高い年齢層向けの商品が多く見受けられます。

3階は子供服、雑貨、専門店のフロア。
衣料品の中で子供服からいち早く撤退する競合他社もある中、十分な品揃え。

子供靴コーナー。

小さなゲームコーナーも設置されていました。

文具品や玩具のコーナー。

100円ショップのキャンドゥも入居。
イトーヨーカドー八柱店 店舗概要開業: 1982年10月
店舗面積: 7724㎡
営業時間: 9:00-22:00
2F、3Fのみ9:00-21:00
住所: 松戸市日暮1-15-8
駐車場: 317台
HP:
http://blog.itoyokado.co.jp/shop/111/店内・売場の様子時間帯: 14時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、家族連れ中心
買い物内容: 生鮮、加食中心にやや多め
売場の雰囲気: 明るい
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: やや良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 洋楽
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 8台(4台稼働中)(うちセミセルフレジ3台)
トイレ: ややきれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: セブンプレミアム
価格調査(2018年10月9日) <この価格は一部を除き本体価格(税抜き)です>
キャベツ 198円
レタス 198円
きゅうり1本 78円
トマト(M玉、1つ) 198円
なす3本 198円
りんご1個 158円
国産牛小間切れ100g 427円(税込み)
国産豚バラ肉100g 257円(税込み)
国産鶏もも肉100g 116円(税込み)
味の素冷凍ギョーザ 228円
日清フラワー小麦粉1kg 218円
味の素キャノーラ油1L 258円
キューピーマヨネーズ450g 198円
マルちゃん正麺 298円
コカ・コーラ1.5L 148円
ほろよい 無し
スーパードライ350ml 6本 1098円
卵10個 198円
井村屋あずきバーボックス 無し
明治エッセルスーパーカップ 98円
雪印コーヒー1L 98円
明治おいしい牛乳900mL 228円
単一銘柄米5kg 1580円
おかめ納豆極小粒3パック 98円
明治ブルガリアヨーグルト450g 138円
ネスカフェゴールドブレンド 120g 658円
ミツカン味ぽん360ml 168円
はごろもシーチキン 5缶 498円
カルビーポテチ60g 78円
カルビーじゃがりこ 118円
シャウエッセン 2袋 368円
ハウスバーモントカレー230g 198円
パスコ超熟6枚 168円
店舗見学の感想武蔵野線新八柱駅、新京成線八柱駅からすぐの店舗です。地下1階、地上3階で売場面積7700平米と中規模で昔ながらの多層階GMS。売場はイトーヨーカドーらしくきちんと手入れされており、スポット照明の導入なども進み、古さを感じさせません。店舗に隣接して立体駐車場も備えており、300台を確保しています。
売場は紅葉などで飾りつけも行っており季節感の演出も出来ています。大手スーパーだけあってテレビモニターによる販促も力が入っており、調理例などメニュー提案も実施。ハロウィンならぬ、「ハトウィン」というイトーヨーカドーの鳩をもじった販促も行っています。地下1階食品売場は青果、鮮魚、惣菜、精肉の順で配置されています。
青果売場はカット野菜や鍋物野菜セットなど個食、簡便性を訴求した商品を揃えますが、変わった野菜などはあまり扱っていません。地場野菜のコーナーは設置されていますが、人気なのかお昼過ぎには売り切れていました。陳列はきれいに整えられていますし、鍋用スープなどの関連陳列や手書きPOPも実施されています。
続く鮮魚売場は対面販売を実施。お刺身は中トロの入った6点盛り1180円や中トロのお造り1280円など上質志向の商品を揃えます。単品のお造りもしめさば、ひらめ、さんま、タコ、スルメイカ、かつおなど豊富に展開。丸々1尾の鮮魚はあまり扱っていませんが、切り身は充実しており、鍋用スープなど関連陳列も積極的に取り組んでいます。また、セブンイレブンでも販売されている電子レンジで調理可能な魚惣菜も並んでいました。
惣菜売場では揚げ物、天ぷら、焼き鳥のバイキングコーナーを広めに確保。イカやエビ、うずらなど串揚げの他、焼き鳥では砂肝、軟骨、ぼんじり、はらみを揃え、ボリューム感を出して訴求します。一方、コンビニで扱っているような牛丼、中華丼、うどん・そば、スープ、グラタンなどチルド商品が充実しており、消費期限の延長による廃棄ロスの削減も図られています。
精肉売場は店内加工を行いますが、最近のイトーヨーカドーで導入されている対面販売の量り売りコーナーは設置されていません。黒毛和牛のサーロインステーキなど上質なお肉も扱いますが、ブランド銘柄肉は扱いが少なめ。簡便調理パックは豊富で、フライパンで焼くだけのチーズタッカルビや、電子レンジで温めるだけのクリームシチューやデミグラスシチューを販売。他社ではアルミホイル鍋が多い1人前の鍋ですが、電子レンジで調理できる豚キムチ鍋、海鮮ちゃんこ鍋などを展開します。
加工食品売場は食品館や大型のイトーヨーカドーと異なり、高価格帯はあまり扱いません。セブンプレミアムと大手ナショナルブランドが中心で、こだわりの商品は少なめです。他のイトーヨーカドーでも酒売場は弱いと感じますが、八柱店でも品揃えは良くありません。
従来、イトーヨーカドーはイオン、西友と並んで完全セルフレジの導入を積極的に行ってきました。しかし、カスミや西鉄ストアなど中堅スーパーから始まったお会計セルフレジ(セミセルフレジ)がマルエツ、サミット、ヤオコーなどの各社に広まり、最近になって大手もセミセルフレジへの転換を急いでいます。従来はセルフレジの導入されていなかった八柱店ですが、食品レジ8台のうち3台が9月に交換されたそうです。
1階は住まいの品、2階は衣料品、3階は子供服と日用雑貨、専門店のフロアとなっています。大型店ではありませんが、寝具や生活家電も扱っており、子供服、子供用品も十分に揃えています。主要テナントは100円ショップのキャン・ドゥのみで、飲食店もマクドナルドとポッポのみという昔ながらのイトーヨーカドーです。
平日の昼間に訪れましたが、地下1階以外は従業員の方が多い状況で、1階から3階は明らかな不採算部門だと考えられます。イオンやダイエー、西友が上層階にテナントを誘致し、収益改善を急ぐ中、イトーヨーカドーはいまだに衣料品、住まいの品は直営という店舗が多く見られます。大井町店のような食品売場の強化やレストランファミールをサイゼリヤへ転換する施策は進めていますが、郊外の中小店では抜本的な改装が必要ではないでしょうか。