1/31閉店 棒二森屋
- 2019/01/31
- 12:59
北海道函館市。
JR函館駅から徒歩3分程度のところに、棒二森屋はあります。
こちらの店舗は2019年1月31日をもって営業を終了いたしました。
閉店3日前に訪れましたので、ご紹介いたします。
店舗外観。
こちらは函館駅前から見たアネックス館になります。

こちらが本館。

屋上広告塔は少し見えにくいですね。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

現在の建物は82年前に開業しており、増改築が繰り返されています。
歴史を感じさせる階段。

本館とアネックス館のフロアガイド。

5階連絡通路にはお客さんからのメッセージボーが設置されていました。

歴代の制服も展示。

開業当時の新聞など

歴代の売場、催し物などの写真も展示されています。

7階ではモニターで報道映像などが紹介されていました。

まずは百貨店の顔とも言える1階売場から見ていきましょう。
正面入口すぐの婦人服飾売場。シャンデリアもあり、豪華な雰囲気。

閉店売り尽くしセールを開催しています。

こちらは化粧品コーナー。

続いて地下食品フロアへ参ります。2015年9月まではグルメシティ棒二森屋店として営業されていましたが、現在は直営となっています。

青果売場。

精肉は専門店「壱丁田」が担当しており、対面コーナーも導入されています。

鮮魚担当の魚長食品は先行して閉店しており、海産物の特設コーナーとなっていました。

冷凍海産物のコーナー。

日配食品「DAILY FOOD」の文字がダイエーを感じさせます。

加工食品売場。
ここだけ見れば完全にダイエー・グルメシティの意匠ですね。

惣菜はアウトパックの商品をわずかに置く程度。

ここからは専門店(デパ地下)部分を見ていきましょう。

既に売場を縮小・撤退している様子。

ギフトの解体セールも行われていました。

アネックス館から本館地下方面の連絡通路。
通路でも海産物が販売されていました。

アネックス館地下が和洋菓子など銘品のフロアとなっています。

既に売り切れている店も。

お土産も揃えています。

焼き立てパンのドンクも入居。多くのお客さんで賑わっていました。

アネックス館の1階はお土産コーナーとなっています。
観光客や訪日外国人も多い中で、集客の為改装されたようですが、全館にお客さんを呼び込むまでには至らなかったようです。

それでは本館に戻って2階婦人服売場。

紅白幕が飾られ、最大70%オフなども文字が並びます。

しかし、お客さんの姿は疎らでした。

3階婦人服売場。

照明は蛍光灯が中心。

4階は紳士服売場。

Yシャツやビジネスカバンなども売りつくし。

紳士カジュアル衣料。

ワゴンで肌着などを販売していました。

商品はまだまだ豊富、というかあまり売れていない様子。

5階は住まいの品の売場。

寝具なども大幅値引き販売。

コスメ用品のコーナー。

6階は子供服の売場。こちらでも大幅値引きを展開。

子供服「ミキハウス」のコーナー。

子供服、玩具に大きく売場を割いていますが、需要はあるのでしょう。

雛人形も豊富に揃えています。

7階は催事場。
衣料品、宝飾品の売りつくしを行っていました。

服飾雑貨、宝飾品のコーナー。

こちらは絵画のコーナー。

7階のデパート食堂「レストラン和家」
簡素なテーブルと椅子で、昭和のデパート食堂の雰囲気を色濃く残しています。

レストランのメニュー

屋上は冬期立ち入り禁止となっていました。

アネックス館にはアミューズメント施設やカフェ、書店、雑貨店などが出店しています。
4階にはかつて無印良品が入居していましたが、現在は催事場となっており、雑貨や衣料品、絨毯などの売り尽くしが行われていました。

5階に入居するくまざわ書店。

夜の棒二森屋

棒二森屋 店舗概要
開業: 1937年10月1日
店舗面積: 19200㎡
営業時間: 午前10時~午後6時
住所: 北海道函館市若松町17-12
駐車場: 500台(2000円以上で2時間無料)
HP:http://boni-moriya.com/
2019年1月31日で閉店する棒二森屋を訪れました。ここ函館にしか無い百貨店で、今回の閉店で開業から82年、前身を含めると150年の歴史に幕を下ろします。カタカナで「ボーニモリヤ」とも表記される不思議な屋号ですが、元々は「金森森屋百貨店」と「棒二荻野呉服店」という別の百貨店だったものが、1936年に合併し株式会社棒二森屋を設立。現在の土地で1937年10月1日にオープンしました。その後6期に渡り増築工事が行われ、規模を拡大していくことになります。
しかし、1980年には郊外に大手スーパーの長崎屋とイトーヨーカドーが相次いで出店します。翌年には西友が運営する「函館西武」も開業し、売上が低迷。厳しい状況の中で1981年にはダイエーと業務提携し、ダイエーの傘下となりました。1982年には駅前交差点角の土地に新館アネックスを開業し、本館と差別化した若者向けブランドを導入、競合に対抗しました。2005年には同じくダイエー傘下の中合(福島県)と合併。正式名称も中合棒二森屋店となりました。2013年にダイエーがイオンの完全子会社となった際には、棒二森屋もイオン傘下へ移りました。
当初イオンは、北海道新幹線が開業する2016年を目途に、棒二森屋を大規模改修する方針を示していました。しかし、改修には多額の費用がかかることや、近年の観光客の増加にも関わらず売上が大幅減少となったことで、イオンの判断は「百貨店業態からの撤退」へと傾きました。2017年6月にはイオンが棒二森屋の閉店を検討していると各社が報道。2018年6月には業績の悪化と本館の耐震性不足を理由に「2019年1月31日をもって閉店する」との正式発表がなされました。
棒二森屋の昨年度の売上高は41億円と、最盛期の1992年度に売り上げた210億円の2割程度にまで落ち込んでいました。売場面積2万平米規模の百貨店としては大変厳しい数字であると言えます。ちなみに競合の函館丸井今井の昨年度売上は76億円。新幹線開業に合わせた地元企業の投資合戦の結果、小売り・サービスの機能がより充実した五稜郭地区に地元消費者の足が向かうようになったのが大差の付いた理由と言われています。また、売場を見ても丸井今井の方がより洗練された売場と上質な品揃えで、高所得者層に人気があるようです。
棒二森屋の売場は歴史ある建築を感じるものの、上質で洗練された雰囲気とは言えず、地方都市の地場百貨店の域を出ないものでした。営業時間も10時から18時という異例の短さ。地下には「集中レジ式の食品フロア」というより元グルメシティのため一般的なスーパーマーケットがあり、和洋菓子や惣菜などデパ地下部分はあまり大きくありません。
閉店3日前に訪れましたが、1階や地下はお客さんで賑わっているものの、上層階にはあまりお客さんが入っていませんでした。閉店セールと題して大幅な値引きを行っているものの、婦人服、紳士服は苦戦している様子。一方で7階のデパート食堂「レストラン和家」は盛況で、「さよなら、棒二森屋」という展示には人だかりが出来ていました。アネックス館との連絡通路に設けられたメッセージボードには、ボードを埋め尽くすほどの思い出や感謝のメッセージが寄せられていました。「棒二森屋物語」という本をくまざわ書店で購入しましたが、このような本が出版される事自体珍しいですし、それだけ地元に愛されている店だという事を感じました。
2018年3月にイオンが発表した建て替え案では、本館跡の建物には低層階にスーパーや金融機関が入り、上層階にはマンションを設ける・アネックス跡の建物にはシティーホテルなどの宿泊施設を設ける計画で、2024年までの開業を目指すとしていました。しかし11月にはアネックス館の閉館を3年延期する方向で検討に入ったと報道され、一部テナントには賃貸契約を打診しているそうです。
地方百貨店の閉鎖は増加の一途をたどっていますが、撤退後の空き店舗や跡地の再活用に成功している地方都市は滅多にありません。地方百貨店閉鎖後の再開発にイオンが参画するというかつてない試みですが、函館駅前の活性化に貢献できるのでしょうか。
JR函館駅から徒歩3分程度のところに、棒二森屋はあります。
こちらの店舗は2019年1月31日をもって営業を終了いたしました。
閉店3日前に訪れましたので、ご紹介いたします。
店舗外観。
こちらは函館駅前から見たアネックス館になります。

こちらが本館。

屋上広告塔は少し見えにくいですね。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

現在の建物は82年前に開業しており、増改築が繰り返されています。
歴史を感じさせる階段。

本館とアネックス館のフロアガイド。

5階連絡通路にはお客さんからのメッセージボーが設置されていました。

歴代の制服も展示。

開業当時の新聞など

歴代の売場、催し物などの写真も展示されています。

7階ではモニターで報道映像などが紹介されていました。

まずは百貨店の顔とも言える1階売場から見ていきましょう。
正面入口すぐの婦人服飾売場。シャンデリアもあり、豪華な雰囲気。

閉店売り尽くしセールを開催しています。

こちらは化粧品コーナー。

続いて地下食品フロアへ参ります。2015年9月まではグルメシティ棒二森屋店として営業されていましたが、現在は直営となっています。

青果売場。

精肉は専門店「壱丁田」が担当しており、対面コーナーも導入されています。

鮮魚担当の魚長食品は先行して閉店しており、海産物の特設コーナーとなっていました。

冷凍海産物のコーナー。

日配食品「DAILY FOOD」の文字がダイエーを感じさせます。

加工食品売場。
ここだけ見れば完全にダイエー・グルメシティの意匠ですね。

惣菜はアウトパックの商品をわずかに置く程度。

ここからは専門店(デパ地下)部分を見ていきましょう。

既に売場を縮小・撤退している様子。

ギフトの解体セールも行われていました。

アネックス館から本館地下方面の連絡通路。
通路でも海産物が販売されていました。

アネックス館地下が和洋菓子など銘品のフロアとなっています。

既に売り切れている店も。

お土産も揃えています。

焼き立てパンのドンクも入居。多くのお客さんで賑わっていました。

アネックス館の1階はお土産コーナーとなっています。
観光客や訪日外国人も多い中で、集客の為改装されたようですが、全館にお客さんを呼び込むまでには至らなかったようです。

それでは本館に戻って2階婦人服売場。

紅白幕が飾られ、最大70%オフなども文字が並びます。

しかし、お客さんの姿は疎らでした。

3階婦人服売場。

照明は蛍光灯が中心。

4階は紳士服売場。

Yシャツやビジネスカバンなども売りつくし。

紳士カジュアル衣料。

ワゴンで肌着などを販売していました。

商品はまだまだ豊富、というかあまり売れていない様子。

5階は住まいの品の売場。

寝具なども大幅値引き販売。

コスメ用品のコーナー。

6階は子供服の売場。こちらでも大幅値引きを展開。

子供服「ミキハウス」のコーナー。

子供服、玩具に大きく売場を割いていますが、需要はあるのでしょう。

雛人形も豊富に揃えています。

7階は催事場。
衣料品、宝飾品の売りつくしを行っていました。

服飾雑貨、宝飾品のコーナー。

こちらは絵画のコーナー。

7階のデパート食堂「レストラン和家」
簡素なテーブルと椅子で、昭和のデパート食堂の雰囲気を色濃く残しています。

レストランのメニュー

屋上は冬期立ち入り禁止となっていました。

アネックス館にはアミューズメント施設やカフェ、書店、雑貨店などが出店しています。
4階にはかつて無印良品が入居していましたが、現在は催事場となっており、雑貨や衣料品、絨毯などの売り尽くしが行われていました。

5階に入居するくまざわ書店。

夜の棒二森屋

棒二森屋 店舗概要
開業: 1937年10月1日
店舗面積: 19200㎡
営業時間: 午前10時~午後6時
住所: 北海道函館市若松町17-12
駐車場: 500台(2000円以上で2時間無料)
HP:http://boni-moriya.com/
2019年1月31日で閉店する棒二森屋を訪れました。ここ函館にしか無い百貨店で、今回の閉店で開業から82年、前身を含めると150年の歴史に幕を下ろします。カタカナで「ボーニモリヤ」とも表記される不思議な屋号ですが、元々は「金森森屋百貨店」と「棒二荻野呉服店」という別の百貨店だったものが、1936年に合併し株式会社棒二森屋を設立。現在の土地で1937年10月1日にオープンしました。その後6期に渡り増築工事が行われ、規模を拡大していくことになります。
しかし、1980年には郊外に大手スーパーの長崎屋とイトーヨーカドーが相次いで出店します。翌年には西友が運営する「函館西武」も開業し、売上が低迷。厳しい状況の中で1981年にはダイエーと業務提携し、ダイエーの傘下となりました。1982年には駅前交差点角の土地に新館アネックスを開業し、本館と差別化した若者向けブランドを導入、競合に対抗しました。2005年には同じくダイエー傘下の中合(福島県)と合併。正式名称も中合棒二森屋店となりました。2013年にダイエーがイオンの完全子会社となった際には、棒二森屋もイオン傘下へ移りました。
当初イオンは、北海道新幹線が開業する2016年を目途に、棒二森屋を大規模改修する方針を示していました。しかし、改修には多額の費用がかかることや、近年の観光客の増加にも関わらず売上が大幅減少となったことで、イオンの判断は「百貨店業態からの撤退」へと傾きました。2017年6月にはイオンが棒二森屋の閉店を検討していると各社が報道。2018年6月には業績の悪化と本館の耐震性不足を理由に「2019年1月31日をもって閉店する」との正式発表がなされました。
棒二森屋の昨年度の売上高は41億円と、最盛期の1992年度に売り上げた210億円の2割程度にまで落ち込んでいました。売場面積2万平米規模の百貨店としては大変厳しい数字であると言えます。ちなみに競合の函館丸井今井の昨年度売上は76億円。新幹線開業に合わせた地元企業の投資合戦の結果、小売り・サービスの機能がより充実した五稜郭地区に地元消費者の足が向かうようになったのが大差の付いた理由と言われています。また、売場を見ても丸井今井の方がより洗練された売場と上質な品揃えで、高所得者層に人気があるようです。
棒二森屋の売場は歴史ある建築を感じるものの、上質で洗練された雰囲気とは言えず、地方都市の地場百貨店の域を出ないものでした。営業時間も10時から18時という異例の短さ。地下には「集中レジ式の食品フロア」というより元グルメシティのため一般的なスーパーマーケットがあり、和洋菓子や惣菜などデパ地下部分はあまり大きくありません。
閉店3日前に訪れましたが、1階や地下はお客さんで賑わっているものの、上層階にはあまりお客さんが入っていませんでした。閉店セールと題して大幅な値引きを行っているものの、婦人服、紳士服は苦戦している様子。一方で7階のデパート食堂「レストラン和家」は盛況で、「さよなら、棒二森屋」という展示には人だかりが出来ていました。アネックス館との連絡通路に設けられたメッセージボードには、ボードを埋め尽くすほどの思い出や感謝のメッセージが寄せられていました。「棒二森屋物語」という本をくまざわ書店で購入しましたが、このような本が出版される事自体珍しいですし、それだけ地元に愛されている店だという事を感じました。
2018年3月にイオンが発表した建て替え案では、本館跡の建物には低層階にスーパーや金融機関が入り、上層階にはマンションを設ける・アネックス跡の建物にはシティーホテルなどの宿泊施設を設ける計画で、2024年までの開業を目指すとしていました。しかし11月にはアネックス館の閉館を3年延期する方向で検討に入ったと報道され、一部テナントには賃貸契約を打診しているそうです。
地方百貨店の閉鎖は増加の一途をたどっていますが、撤退後の空き店舗や跡地の再活用に成功している地方都市は滅多にありません。地方百貨店閉鎖後の再開発にイオンが参画するというかつてない試みですが、函館駅前の活性化に貢献できるのでしょうか。