大規模小売店舗マニアのブログ

千葉県松戸市。
新京成線の松戸新田駅から徒歩1分程度のところに、いなげや松戸新田店はあります。
こちらの店舗は2022年2月6日をもって営業を終了致しました。
閉店当日に訪れましたので、ご紹介致します。

店舗外観


別角度から


駐車場は店舗の裏手と屋上、合わせて104台を完備。
ただしサミットやケーヨーデイツーのある車通りの多い通りから1本入り、さらに曲がってこの先行き止まりの道を進むと駐車場がある状態なので、車でのアクセスは悪い印象です。


第二種大規模小売店舗表示板。
賃借物件です。


閉店に伴うサービス終了のお知らせ。


閉店のお知らせ。
この地で27年間営業してきました。


イートインコーナーにはいなげやの公式キャラクター「ぴいちゃん」も飾られています。


店長からの手書きのメッセージ。
いなげやのマークも並んでいます。


お客様からのメッセージも貼り出されていました。


閉店直前の売場の様子をご紹介致します。
商品がほぼ無くなった青果売場。


一部商品は値引きされずに残っていました。


棚の解体作業も大分進んでいました。


27年ありがとうございました。


鮮魚売場の感謝のメッセージ。


洋日配コーナー。


惣菜売場。
2018年にリニューアルオープンしているだけあって上質感ある売場でした。


ベーカリー部門の従業員さんからのメッセージも見られました。


加工食品売場。


電子棚札を導入していました。


お酒コーナーも値引きはありませんが品薄になっていました。


営業終了後、閉店の挨拶が青果売場で行われました。


動画で紹介致します。


今までありがとうございました。



いなげや松戸新田店　店舗概要

開業：　1994年10月7日
売場面積：　1345㎡
営業時間：　10: 00 ～ 23: 00
住所：　千葉県松戸市松戸新田４１８－５　
駐車場：　 104台
ＨＰ：https://stores.inageya.co.jp/sp/store/?s=128


いなげや松戸新田店は1994年10月、いなげやで128番目の店舗として開業しました。駅前で唯一のスーパーとして賑わいましたが、2007年10月には200メートル先にサミットストアを核とする近隣型ショッピングセンター「グリーンマークシティ」がオープン。2011年11月には駅の反対側に業務スーパーがオープンするなど競合が激化。

改装時期は不明ですが、2010年頃からいなげやが出店を加速させた「ina（いーな）21」業態へ転換。取り扱い商品を絞り込み、チラシの発行を減らすなどコストを削減、特売による集客に頼らないEDLPを目指しました。2022年現在でも「ina（いーな）21」業態は19店舗を展開しますが、松戸新田店は2018年1月20日に再度通常業態のいなげやへ戻されました。

競合サミットに対して手狭な売場面積や、交通量の多い通りに面していない駐車場など、いなげやの運営は厳しい状況だったと考えられます。一方でこの時期に閉店というのは、コロナ特需で一旦は黒字転換したと思われます。いなげやの決算は
2019年3月期・営業収益2516億円に対して経常利益25億円
2020年3月期・営業収益2542億円に対して経常利益26億円
2021年3月期・営業収益2659億円に対して経常利益72億円
とコロナ特需で大きく伸長しました。
一方で直近の2022年3月期の第2四半期では営業収益5.7％減、経常利益53.4％減
と見事なまでに元の水準に戻ろうとしており、コロナ特需の後も増収増益を達成しているヤオコーやベルクといった好調企業との差を広げられています。松戸新田店も再び厳しい業績となり、再建の見通しが立たないことから閉鎖を決めたのではないでしょうか。

営業最終日は18時閉店となりました。閉店1時間前から生鮮品や惣菜・ベーカリーで大幅値引きが行われ、最後の賑わいを見せていました。加工食品はほとんど値引きが行われていませんでしたが、売り切れた状態の棚が目立ちました。残っている商品は他店に振替を行うようで、ゴンドラには店番の書かれた紙が貼られていました。

売りつくしの装飾はほとんど見られませんでしたが、イートインコーナーでは店長・従業員からのメッセージと、お客様からのメッセージを貼りだしており、足を止める方も多く見られました。閉店の挨拶では営業を続けてこられたことへの感謝と共に、この地にいなげやがあったこと、そして従業員のことを頭の片隅に置いていただけると幸いですという言葉で締めくくられました。挨拶が終わった後も従業員さんと言葉を交わすお客さんが多く、地域の方に愛された店だと感じました。なお、跡地の利用に関して現時点で情報はありません。