埼玉県久喜市。
JRと東武が乗り入れる久喜駅から徒歩10分程度のところに、イトーヨーカドー久喜店はあります。
店舗外観。
比較的新しい建物ですが、1974年5月開業。

店舗裏手。
ちなみに屋上にはテニスコートが設置されています。

屋上広告塔には鳩が戻っています。

フロアガイド。1階から5階まで5フロアに展開。

店内の吹き抜け。

まずは1階食料品売場から見ていきましょう。
青果売場。上質感ある洗練された雰囲気。

季節の果物を彩り良く陳列。

モニター販促に加え、売場の飾りつけや関連陳列など、クオリティの高い売場。

生産者の名前が記載された近郊野菜コーナーも導入。

ハーブ類が充実しており、有機野菜も販売。葉物野菜は少量パックもきちんと品揃えしています。

鮮魚売場は杉並区荻窪に本店を置く鮮魚専門店「魚耕」が担当。

丸々1尾の鮮魚もこれだけ並んでいました。
真鯛、尾長鯛、金目鯛、黒ソイ、ウマヅラハギ、めばる、きんき、太刀魚などを対面販売。三枚おろしなど調理も承っています。

ボイル紅ズワイガニも販売。
キャビア、からすみ、あわびの煮貝など高級品も扱います。

メバルの姿造りも販売。
値段は同じものの容器と盛り付け方がそれぞれ異なるのが面白いですね。

刺身ではウマヅラハギ、金目鯛、みる貝、ほっき貝など珍しい品も揃え、盛り合わせでは1000円以上の価格帯が中心です。

寿司コーナーでは1人前税抜き1490円のアイテムも販売。デパ地下のような高級志向な品揃えです。

イトーヨーカドーも場所を借りて寿司を展開(自社惣菜売場に並べれば良いのにと思いますが)。
こちらは税抜き598円、798円などのお手頃な価格帯で勝負しています。

続く精肉売場。

対面販売の量り売りコーナーを導入しており、上質な霜降りの入った山形牛を訴求します。

「おうち焼肉」と称して牛タンや味付け肉などを勧めます。

精肉売場前通路では加工食品の催事や新商品を大量陳列して訴求していました。

惣菜売場。

駅弁フェアが開催されていました。峠の釜めしなど全国の有名駅弁が揃っていました。

揚げ物コーナー。
種類は豊富に揃えますが、凝った商品はあまり見られませんでした。

店内で焼き上げたピザも販売。
多くの競合では1枚500円程度にも関わらずハーフで360円、398円などやや割高な印象。

惣菜売場入口にはフードマルシェの看板。
焼き鳥専門店「日本一」と持ち帰り惣菜専門店「葵光悦」も入居します。

冷凍食品売場では毎日安いと訴求。

レトルトカレーでは大手NBの他、安価なセブンプレミアム、ご当地商品まで多種多様な品揃え。

スパイス類も非常に充実しています。

イトーヨーカドーとしては充実の酒売場「酒蔵めぐり」
地酒の他、全国的に知名度の高い久保田や八海山の様々なランクを揃えます。

ワインはそれほど充実していません。

埼玉県さいたま市に本社を置く伊藤製パンが展開するベーカリー「むぎのいえ」が入居。
伊藤製パンのベーカリーの大半は同じく埼玉地盤のベルクへ出店する「マルセリーノ」であり、イトーヨーカドーへの出店は稀です。

ここからは2階以上のフロアを見ていきましょう。
2階婦人服売場。

婦人靴コーナー。

3階紳士服売場。
売場や陳列も決して悪くはないと思うのですが、フロアにお客さんはほとんど見られず、従業員の方が多い状況でした。

肌着コーナー。

スーツや服飾雑貨も十分なラインナップ。

スポーツウエアも直営で販売しています。

玩具や文具も豊富に揃えています。

4階住まいの品売場。生活家電も扱います。

寝具も扱いますが、お客さんの姿はほぼありませんでした。

4階に入居する100円ショップのキャン・ドゥ。

宮脇書店も入居。

ゲームコーナーも設置されていました。
平日という事で子供たちの姿は見られませんでした。

空いたスペースでは商品入れ替えに伴い在庫処分セールを開催。
イトーヨーカドー久喜店 店舗概要開業: 1974年5月23日
売場面積: 12980㎡
営業時間:
1F 9:00-20:00
2F-4F 9:00-19:00
住所: 久喜市久喜中央4-9-11
駐車場: 1362台
HP:
https://blog.itoyokado.co.jp/shop/044/店内・売場の様子時間帯: 13時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にかなり多め
売場の雰囲気: 上質感
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 良い
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ13台(6台稼働中)
完全セルフレジ: 無し
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: セブンプレミアム
1974年5月にイトーヨーカドー44番目の店舗として開業した久喜店。現存する埼玉県内のイトーヨーカドーでは浦和店(1972年6月開業)に次いで歴史のある店舗となっています。久喜駅から徒歩10分程度と、この時代としては珍しく郊外型の立地。久喜駅前には1990年に2万平米規模の忠実屋久喜店がオープンしますが、ダイエー転換を経て2002年には閉店。一方で2012年には1km離れた場所にイトーヨーカドーが核店舗として入るショッピングセンター「アリオ鷲宮」がオープンし、自社競合も生じています。
地下フロアは無いものの、1階から5階までの5フロアに衣食住を揃える総合スーパー業態で営業しています。4階の半分以上はテナントで、宮脇書店やキャン・ドゥ、ゲームコーナー「アミューズメントプレビ」を導入しており、5階はセブンカルチャークラブ(テニス)やクリニックのフロアとなっています。
1階食料品売場は青果、鮮魚、精肉、惣菜と続くレイアウト。エスカレーターを挟んで反対側にレジを配置することで、混雑時でも売場が行列で分断されることは無く、回遊性は非常に優秀。レジも通常レジのみですが13台を備え、高い売上水準だと推測されます。
青果売場は導入部にりんごやみかんといった季節の果物を彩り良く陳列。カットフルーツや贈答用のフルーツも高価格帯まで揃えています。有機野菜やハーブ類も充実しているほか、近郊野菜コーナーを大きく展開しており、生産者の名前が記載された地元野菜を豊富に扱っています。
鮮魚売場は杉並区荻窪に本店を置く鮮魚専門店「魚耕」が担当。百貨店にも出店している企業ですので、デパ地下のような上質志向な品揃えで、高級品、珍しい品も手に入る魅力的な売場となっています。丸々1尾の鮮魚も充実しており、真鯛、尾長鯛、金目鯛、黒ソイ、ウマヅラハギ、めばる、きんき、太刀魚などを対面販売で陳列。刺身ではめばるの姿造りや、ウマヅラハギ、金目鯛、みる貝、ほっき貝など珍しい品も揃え、盛り合わせは中トロも入る1000円以上の価格帯が中心。寿司コーナーでは1人前税抜き1490円のアイテムも販売されていました。イトーヨーカドー側でも寿司を販売しており、税抜き598円、798円などのお手頃な価格帯で勝負しています。
精肉売場は店内加工を実施。規模の大きなイトーヨーカドーでよく見られる対面販売の量り売りコーナーを導入しており、上質な霜降りの入った山形牛のステーキ肉、焼き肉用肉、すき焼き用肉など高級志向な商品も取り扱います。豚肉、鶏肉コーナーでは味付け肉など簡便性の高い商品も提供するほか、小分けパックも充実していました。
惣菜売場には焼き鳥専門店「日本一」と持ち帰り惣菜専門店「葵光悦」が入居。直営部分ではそれほど凝った商品は見られませんでしたが、揚げ物や中華惣菜など一通り揃います。弁当も種類こそ多くはないもののカツ丼や天丼のハーフサイズを販売するなどきめ細やかな品揃えが見られました。ピザは1枚598円やハーフサイズ360円から398円で、競合他社よりも割高な印象。種類もあまり多くなく、昼過ぎから早速値引きが行われていました。この日は「峠の釜めし」など全国の駅弁が揃う駅弁フェアを開催しており、手に取るお客さんも多く見受けられました。
加工食品売場の通路はやや狭く感じられました。品出しの他にネットスーパー商品を収集する方もいて、すれ違いにくい場面もありました。品揃えは大手ナショナルブランドの他にワンランク上のこだわり商品も扱っています。カレーやスパイス類なども充実。お酒コーナーもイトーヨーカドーとしては珍しく力が入っており、日本酒では地元商品に加え有名ブランドの上級品も扱います。「うまいもの市」と称して駅弁の他にも全国各地の銘菓を集めた企画を開催するなど、魅力的なイベントが嬉しいですね。
2階から4階にかけての直営衣料品・住まいの品フロアも改装が施されており、決して古びた雰囲気ではないのですが、平日という事もあり閑散としていました。2019年に発表された構造改革に基づき、多くのイトーヨーカドーでは衣料品売場を縮小しテナントを導入するリニューアルが続いています。いまだに直営で衣料品・住まいの品をフルライン展開する久喜店ですが、テナント比率を高める方向性は変わらないと考えられ、いずれは食料品が中心になると考えられます。