東京都福生市。
JR青梅線の福生駅からすぐのところに、西友福生店はあります。
店舗外観。

別角度から。
2004年4月開業と、西友としては比較的新しい店舗です。

隣接して立体駐車場を完備しています。駅前立地にも関わらず656台を確保。

フロアガイド。地下は市営駐輪場となっており、1階から5階まで5フロアに展開。

まずは食料品フロアから見ていきましょう。
導入部ではいちごを訴求。

スポット照明が多く、商品を際立たせています。床は最近の西友に多い白いタイル状のものではありません。

トマトコーナー。

契約農家直送野菜も販売。

青果に並行して和日配、ハムなどを配置。

扉の付いた冷蔵ショーケースを導入。

和日配コーナーでは八王子の豆腐店「むつみ」の商品を販売。

続く精肉売場。黒を基調とした売場にすることで上質感を演出。

基本的には自社プロセスセンター加工を活用するものの、店舗限定商品として「三重県産松坂牛」を訴求しています。

続いて鮮魚売場を配置。

寿司バイキングコーナーを設置。寿司1貫1貫をビニールで個包装しており、価格は1個48円(一部95円)で販売しています。

お刺身コーナーも充実。

惣菜売場は他店と大きくは変わらない品揃えですが、1アイテムあたりの陳列数が多く、繁盛店であることを裏付けます。

アウトパック商品でも298円弁当より健康志向のお弁当などを訴求。

高級感あるPOPを用意していますが、価格は598円とお手頃なお寿司。

洋日配コーナーでも扉付きの冷蔵ショーケースを導入。

直営のベーカリーも併設されています。

福生市の田村酒造場が製造する「嘉泉(かせん)」など地酒をコーナー展開。

青梅の地酒なども販売しています。

ワインは西友らしいPBも含めて充実した品揃え。

輸入菓子も充実しています。

カップ麺コーナーではジャンブル陳列を採用。品出し業務に掛かる時間を削減します。

ドレッシングコーナーでは他店では扱っていない上質な品、こだわりの品も展開します。

スターバックスコーナーを導入。

2階の催事コーナーで行われていた輸入食品フェア。

世界各地の菓子、インスタント食品、調味料、酒などが揃っています。

2階は化粧品、日用消耗品、靴、自転車などのフロアとなっています。

陳列手法も一般的な西友より手が込んでいると感じます。

自転車コーナー。

直営の靴売場。

3階は衣料品フロア。

広大な売場に婦人、紳士、子供服まで充実の品揃えを実現。
平日昼間にも関わらず一定の集客がありました。

子供用品コーナー。

紳士服コーナー。低価格で実用的な衣料品も扱っている印象。

スーツも低価格でサイズも幅広く用意されています。

4階は住まいの品フロア。

広大な売場に寝具、家電、玩具など揃えています。

調理家電は持ち帰り用の在庫も確保しています。

テレビも販売。

冷蔵庫、洗濯機といった白物家電も扱います。
家電量販店との競合に敗れ、総合スーパーの多くは大型家電の取り扱いを終了するか、テナントとして家電量販店を入居させています。西友も一部店舗ではヤマダ電機やノジマを誘致していますが、このように直営で引き続き販売する店舗もあります。

子供向け玩具コーナー。

ジグソーパズルやボードゲームなども扱います。
子供たちがスマホゲームやYouTubeに夢中な時代に、果たして子供向け玩具の売場がこれだけ必要なのかとも考えてしまいますが、実はコロナ禍で玩具売場は大きく伸長しており、巣ごもり需要の恩恵を受けています。一方で西友がそれに伴って売場を拡大した訳ではなく、商品入れ替えも進んでいないため以前から引き続き不採算であることに変わりは無いでしょうが、一定の売上は見込めそうです。

収納器具なども充実。

5階は飲食店など専門店のフロア。
以前は大戸屋なども出店していましたが、現在は撤退。空きスペースが多くなっています。

ゲームコーナー。

駐車場棟への連絡通路。

駐車場棟の1階は専門店のフロアとなっています。
入居する書店「リブロ」。西友と同じく旧セゾングループの企業ですが、現在は出版取次の日販傘下に入っています。

同じフロアに入京する100円ショップ「キャン・ドゥ」
西友福生店 店舗概要開業: 1973年6月22日(現在の建物は2004年4月21日)
売場面積: 19636㎡(直営13896㎡)
営業時間:
1階 24時間営業
2階 9:00〜23:00
3~5階 9:00〜22:00
住所: 東京都福生市東町5-1
駐車場: 656台
HP:
https://www.seiyu.co.jp/shop/%E8%A5%BF%E5%8F%8B%E7%A6%8F%E7%94%9F%E5%BA%97/店内・売場の様子時間帯: 12時頃
客数: やや多い(上層階は閑散)
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: きれい
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 洋楽
精肉加工者: 西友川越食品流通センター
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: セミセルフレジ8台(6台稼働中)(精算機15台)
完全セルフレジ: 8台
トイレ: きれい
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: あり(直営)
プライベートブランド: みなさまのお墨付き、きほんのき
1973年開業だった旧店舗を建て替え、2004年に規模を2.5倍へ拡大して開業しました。日本食糧新聞によると、初年度年商目標は100億円。総合スーパー業態の苦戦が続く現在では考えられない数字ですが、果たして達成したのでしょうか。2020年9月には、西友の中期事業計画「スパーク2022」に基づくモデル店舗として改装オープン。
建物はパート1とパート2に分かれており、パート2は1階専門店街を除いて駐車場となっています。駅前立地にも関わらず656台という郊外SC並みの駐車場を確保。パート1は1階食料品、2階服飾雑貨、日用品、3階衣料品、4階住まいの品、5階レストラン、専門店街と、直営比率の高い総合スーパー業態として営業を続けています。
食料品売場では改装オープンのリリースでも「創業昭和 7 年の老舗、大多摩ハムのハムや地酒など多摩地区ならではの地場商材を取りそろえ、ローカル色にこだわった店舗といたしました。」とあるように、「特産逸品」「店舗限定」とPOPで訴求された地場商品が目立ちました。
青果では導入部で旬のいちごを展開。契約農家直送コーナーでは、瑞穂町など近隣で生産された地場野菜も取り揃えます。野菜の品揃えは一般的な西友と大きく変わらないものの、陳列はボリューム感があります。青果と並行する和日配コーナーでは冷蔵ショーケースに扉を設置し節電に取り組みます。八王子の豆腐屋「むつみ」の豆腐や油揚げ、厚揚げも販売します。
続いて精肉売場を配置。精肉では他店と同様に自社プロセスセンター加工を活用するものの、店舗限定商品として「三重県産松坂牛」を訴求。長野県の大信畜産工業から提供を受け、100g1780円の松坂牛ロースうすぎり(すき焼き用)など、高級志向アイテムも取り扱います。自社プロセスセンターでは供給出来ないアイテムはニチレイフレッシュプロセスからも仕入れを実施し、品揃えに幅を持たせています。
鮮魚売場は厨房のガラス張り部分を大きく取り、作業風景を見せることでライブ感を演出。豊洲市場直送コーナーでは真鯛など丸々一尾の鮮魚も扱うほか、刺身は6点盛りで998円や1180円(中トロ入り)など高価格帯アイテムも揃えます。鮮魚売場で一際目を引いたのは、寿司バイキングコーナーです。コロナ前はイオンが積極的に行っていた企画で、当時は蓋の付いた容器に裸で寿司が並んでおり、お客さんがトングでパック詰めしていくスタイルでしたが、新型コロナウイルスの流行後は見られなくなりました。西友福生店では寿司1貫1貫をビニールで個包装しており、価格は1個48円(一部95円)で提供しています。
惣菜、ベーカリーは一般的な西友と変わらない品揃えながら、陳列量が非常に多く、繁盛店であることを裏付けます。お弁当は298円弁当をあまり訴求せず、同じアウトパックでも健康志向なアイテムを中心に据えています。
加工食品でもドレッシングで通常の西友では見られないこだわりの品が並ぶなど、店舗限定の品揃えが見られました。酒では福生市の田村酒造場が製造する「嘉泉(かせん)」など地酒をコーナー展開。ワールドセレクションと題した輸入菓子コーナーも導入されています。高い売上の割に商品の補充は適切に行われており、欠品は少なく好印象。
食品フロアでは、西友の完全セルフレジ「スグレジ」8台の他にセミセルフレジを8台設置。昼ピーク時には6台が稼働しているにも関わらず2~3人の列が出来ることもあり、店内は多くのお客さんで賑わっていました。2階日用品や3階住まいの品は平日昼間でも主婦や高齢者を中心にそれなりにお客さんが入っている様子ですが、4階住まいの品フロアは閑散としていました。寝具や家電製品と並んで子供玩具の品揃えが非常に充実していますが、商品入れ替えが進んでおらず、トレンドや流行を捉えているとは言い難い印象でした。5階はレストラン、専門店のフロアですが、テナントの撤退後に出店が無く歯抜け状態となっており、寂しい雰囲気。西友が展開する店舗でも比較的築年数が浅く、一昨年にはテナント比率を上げずに改装を行った西友福生店ですが、食料品で集客し稼ぐ一方で衣料品・住まいの品が苦戦している構図は、他店と変わらないようです。