岩手県北上市。
JR東北本線の北上駅から徒歩16分程度のところに、ビッグハウス北上店はあります。
店舗外観。
ドラッグストア「薬王堂」、ファッションセンター「しまむら」と300台の駐車場を共有する近隣型ショッピングセンターを形成しています。

青果売場。
突き当りの鮮魚売場まで見通しが良く、開放的な空間です。

高級な果物はあまり見られませんが、野菜は一部高価格帯のアイテムも販売。

箱売りのトマトも陳列。

続いて和日配コーナー、鮮魚売場と続きます。

鮮魚売場。

5月から8月が旬の「殻付きほや」を大量陳列。
市内のいわて生協やジョイスなど他店でも販売されており、三陸地方のスーパーではごく普通に並んでいるそうです。
首都圏では独特な味わいから好き嫌いが分かれますが、水揚げから時間が経つと磯の風味が強くなってしまうため、鮮度の問題もあると言われます。POPでも「今朝水揚げ!直送品!」と鮮度をアピールしていました。

お刺身は5点盛りのファミリー層向けの商品から278円均一(複数購入でさらに値引き)の単品お造りまで豊富に揃えています。

均一価格のお刺身バイキングコーナー。

魚卵が充実しています。

続いて惣菜売場を配置。

弁当コーナー。395円前後の価格帯が中心。

揚げ物は定番品が中心で、凝ったアイテムは見られませんでした。

寿司は1人前395円から980円まで幅広い品揃え。

味噌焼おむすび(115円)など店内調理のおむすびも販売。
焼きおにぎりと言えば全国的には醤油味ですが、東北地方では味噌が人気となっています。

精肉売場。モニターによるレシピ提案も実施します。

地元のいわて牛(黒毛和牛)サーロインステーキなど霜降りの入った高級な商品も並びます。

低価格なアメリカ産巨大ステーキ肉も販売。

豚肉や鶏肉は銘柄を訴求しないものの、価格競争力は高く、陳列量も多いことから売れ行きは好調なようです。

味付け肉の他、串に刺さった生の焼き鳥も種類豊富に揃えます。

冷凍食品コーナー。

日配品と加工食品売場を紹介いたしますが、ここからビッグハウスの特徴的な手法を見ることが出来ます。
それは1個よりも2個やケース単位での購入で価格が安くなる「一物3価」 という販売方法です。
プライスカードを見ると、すべての商品に3通りの価格が記載されており、まとめ買いにより値引きが行われます。

食パンであれば6個購入で1個購入より10円安くなります(商品によって異なります)。

パンコーナーでは岩手県に本社を置く福田パンも取り扱います。

牛乳はケースを活用して陳列。

花巻の味「さい子さん家の漬物」など地元商品も導入。

あまり日持ちしない商品もまとめ買いで値引きとなりますが、果たして複数購入される割合はどの程度なのでしょうか。

お酒に合うおつまみも充実しています。

加工食品売場。
整然と商品が並びます。

カップラーメンもケース単位(12個や20個)で5円引きなどとなりますが、一般的なスーパーで特売時の方が安い場合が多いですね。

品揃えとしてはアイテム数が絞り込まれており、高級品・こだわりの品は基本的に扱っていません。

飲料コーナー。
飲料は他社でもケース販売している場合が多く、それで値引きが入るのであればお買い得ですね。

ワインコーナー。

酒類も複数購入で安くなります。

レジ前の様子。
ビッグハウス北上店 店舗概要開業: 1988年04月14日(1997年11月21日、ビッグハウスへ転換)
売場面積: 1960㎡
営業時間: 9:00~21:00
住所: 岩手県北上市九年橋3-13-23
駐車場: 300台
HP:
http://www.arcs-g.co.jp/group/beljois/shop/?id=510店内・売場の様子時間帯: 15時頃
客数: やや多い
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや多め
売場の雰囲気: 特筆無し
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内、ベルジョイス食肉プロセスセンター
鮮魚加工者: 自社店内
食品レジ: 通常レジ1台(1台稼働中)、セミセルフレジ6台(2台稼働中、精算機9台)
完全セルフレジ: 6台
トイレ: 普通
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: CGC
「ビッグハウス」とは、ベルプラスの前身企業の株式会社ベル開発によって生み出されたディスカウントストアです。1987年7月に1号店となる川久保店が開業。1個よりも2個やケース単位での購入で価格が安くなる「一物3価」 という販売方法を採用しました。その後はベルプラスが加盟するCGCグループの加盟企業に対して屋号とノウハウを提供し、ラルズ(北海道)やタイヨー(茨城)などがビッグハウス業態を運営しています。
2014年9月、岩手・宮城で食品スーパー25店舗を展開するベルプラスは北海道が地盤のアークスの子会社となりました。2012年9月にアークス傘下となっていたジョイスと合わせ、アークスグループの岩手県内シェアは40.2%と、2位のイオングループ(14.9%)を大きく引き離す規模となりました。2016年3月にはジョイスを存続会社としてベルプラスとの合併が行われ、株式会社ベルジョイスが誕生しました。ベルジョイスの2022年2月期決算は売上高803億100万円、営業利益3億6900万円となっています。なお、現在ラルズは同じアークスグループ傘下ですが、グループ入り以前からビッグハウスのノウハウ提供は行われていました。
今回訪れたビッグハウス北上店は旧ベルプラスが運営していた店舗です。ドラッグストア「薬王堂」、ファッションセンター「しまむら」と300台の駐車場を共有する近隣型ショッピングセンターを形成しています。売場は1960平米と大きく確保しており、入口から青果、鮮魚、惣菜、精肉と続いています。飲食店は入らないものの、イートインスペースを導入しています。
青果売場では作業場の見えるオープンキッチン方式を採用。郊外立地だけあって大容量なアイテムが目立ちましたが、小分けパックやカット野菜なども取り扱います。トマトは1箱に28個程度入って1200円(税抜き)と、大量購入でお買い得な価格設定が見られました。高級な果物や珍しい野菜は扱わず、アイテム数を絞り込んでいる様子ですが、価格はその分安め。
鮮魚売場では殻付き「ほや」(生食用)を販売。この後訪れたジョイス、いわて生協などでも販売されており、三陸地方では多く流通しているそうです。殻付きほやは5月から8月が旬ということで、POPでも「今朝水揚げ!直送品!」と鮮度をアピールしていました。丸々一尾の鮮魚の取り扱いは少ないものの、お刺身は5点盛り1180円とファミリー層向けのサイズから、278円均一(複数購入でさらに値引き)の単品お造りまで豊富に揃えています。
惣菜売場ではあまり凝った商品は見られませんでした。包材を白いトレーや透明なパックに絞り込んでおり、経費削減に取り組みます。お弁当は395円の価格帯を中心として、ほとんどの商品を店内手作りで提供します。寿司は1人前395円から980円まで幅広い品揃え。
精肉は店内加工を基本とし、鶏肉など一部アイテムでプロセスセンターから供給を受けます。地元のいわて牛(黒毛和牛)サーロインステーキなど霜降りの入った高級な商品も陳列。一方で豚肉や鶏肉は銘柄を訴求せず、「国産」とだけ表記します。他の部門では複数購入で価格が安くなる仕組みを導入していますが、惣菜に加え精肉でもそういった方式は一部でしか見られず、大容量パックの方が単価が安くなるかは商品によって異なります。一方で国産鶏もも肉100g78円など、価格競争力は高く、陳列量も多いことから売れ行きは好調なようです。味付け肉や生の焼き鳥串など、簡便調理アイテムも導入されています。
加工食品、日配品売場では原則として全ての商品が「一物3価」に基づいた価格設定となっており、1個よりも2個、2個よりも6個や12個といったケース単位で購入するとお買い得になる仕組みとなっています。例としてキッコーマン特選丸大豆醤油750mlは1個では335円ですが、2個で640円(1個あたり320円)、12個では3660円(1個あたり305円)と、買えば買うほど単価が安くなっていきます。
アイテム数は絞り込まれており、高級品・こだわりの品は基本的に扱っていません。価格は1個販売時でもある程度安く設定されていますが、一方でケース単位販売時に激安と呼べるまで下がる商品は稀です。ビッグハウスはジョイス・ベルプラスなどと統一のチラシを発行しており、広告の品の方が安いと感じました。また、プライスカードには3通りの価格が記載されており、文字が小さくなっているため、分かりづらいと感じる方もいるでしょう。
一般家庭において12個などケース単位で購入することが現実的ではないアイテムもありますが、飲料やビールなどは活用するお客さんも想定されます。また、同じカテゴリー内の同一価格・同一色のプライスカード商品であれば、自由に組み合わせ購入しても同様の値引きとなるのは魅力的ですね。
平日の昼過ぎとしては客数が多く、客単価は平均するとそれほど高くはないものの、中にはカゴ一杯に購入する方も見られました。車での来店が多いため、マイバスケット(マイカゴ)を利用する方が多い印象。地方のスーパーとしては珍しく完全セルフレジが導入されており、利用率も高く、定着しているようです。