ダイエー海老名店
- 2022/08/19
- 21:19
神奈川県海老名市。
小田急と相鉄の海老名駅から徒歩2分程度のところに、ダイエー海老名店はあります。
店舗外観。
現在ダイエーの中で唯一ショッパーズプラザを名乗っている店舗です。
以前は建物の上に「ショッパーズプラザ」という看板が設置されていたのですが撤去されてしまったようです。

別角度から。駅からは歩道橋で直接アクセス出来ます。

納品口。
外壁には「www.shoppers-plaza.jp」というサイトのドメインが書かれています。
当時はショッパーズプラザの公式ホームページにアクセス出来たのでしょうが、2022年8月現在はオレンジの帯に「このドメインを購入する」と書いてあるサイトに飛ばされます。

別の入口。

屋上はゴルフ練習場とバッティングセンターとなっています。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

定礎版。

専門店の案内。

フロアガイド。

駅からの歩道橋を通って2階から入ることも出来ます。

駐車場も完備。店舗とは連絡通路で結ばれています。

まずは1階食料品売場から見ていきます。
青果売場。2010年前後のダイエーの雰囲気を色濃く残しています。

導入部のカットフルーツ。
壁面がガラス張りになっているだけで奥側に売場はありません。

カット野菜はトップバリュを中心に充実。

トップバリュグリーンアイのオーガニック野菜をコーナー展開。

青果売場でも電子棚札を導入。従来の小さく見えにくいという欠点を克服する大きめのサイズです。
後述の加工食品、日配でも電子棚札が導入されています。

キャベツ1玉で128円に対して1/2が108円は割高であまり売れないと思いますが。

スポット照明で商品を際立たせます。関連陳列や商品説明のPOPもあって良いですね。

鮮魚売場。

お刺身もプロセスセンター加工を実施。
丸々一尾の鮮魚は扱っておらず、切身や干物、塩干なども決して充実しているとは言えません。

「お魚屋さんのお寿司」と題して大トロや中トロの入った1人前980円の握り寿司も販売。

9種のネタの海鮮丼(598円)など上質志向なアイテムも並びます。

精肉売場。

精肉はアルティフーズのプロセスセンター加工で品揃え。導入部ではバーベキューセット(1480円)などボリュームのあるファミリー層向けの商品が並びます。

ダイエーのオリジナル黒毛和牛「さつま姫牛」も展開しますが、上質なステーキ肉やすき焼き用肉は陳列量が少なく、販売は伸び悩んでいるようです。

豚肉ではさつま王豚を訴求。

単身・少人数世帯向けの少量パックから、お買い得な大容量パックまでサイズを幅広く揃えます。

電子レンジで調理できるチーズタッカルビや豚バラ蒸ししゃぶなど簡便調理アイテムも強化。
訪れたのは7月ですが、果たして個食鍋(一人鍋セット)がこの季節に売れるのでしょうか。

芳味ハムも取り扱い。

精肉売場の前には平台ショーケースが無いため、鮮魚売場付近で冷凍の焼き鳥を販売。

惣菜売場。

中華惣菜「一品閣」が出店。

野菜や玄米を入れた健康志向なお弁当を訴求しますが、店内調理は少なくアウトパックが中心となっています。

POPでは丸いピザを訴求するにも関わらず、並んでいるのはスクエア型のピザです。

「一品閣」のコーナーでは中華惣菜を使った弁当などが並びます。

和日配コーナー。
豆腐では低価格なアイテムから相模屋「BEYOND TOFU」シリーズまで幅広い品揃え。

ナチュラルチーズコーナー。

加工食品売場。

イオンPBで最も低価格な「トップバリュベストプライス」をボリューム展開

マヨネーズコーナー。
イオンでは目線の高さであるゴールデンゾーンにトップバリュを配置しますが、こちらでは健康志向なアイテムを陳列しています。

ドレッシングコーナーでもトップバリュは下段の方に配置。
一方で大手NBの価格が全体的に高いと感じます。

駄菓子は専用什器を導入。少し欠品が見られます。

加工食品売場でも電子棚札を導入。
文字を赤くするなど一応目立たせる工夫は見られますが、特売品や売り込みたい商品を際立たせるには弱いですね。

ティーバッグのむぎ茶が山積みになっていましたが、発注ミスでもしたのでしょうか。

飲料コーナーはトップバリュで価格訴求を展開。

クラフトビールやスパークリングワインも充実しています。

ワインコーナー。商品説明をプライスカードに載せるのではなく、QRコードをスマホで読み取って表示させます。

ここからは1階の非食品部門を見ていきます。
医薬品コーナー。

吹き抜け部分では在庫処分セールを開催。

衣料品は肌着に絞り込まれています。

隣にはフードコートがあり、マクドナルドや幸楽苑などが出店しています。

2階と3階は全て専門店のフロアとなっており、ダイエー直営部分はありません。
大きな吹き抜けが特徴的ですね。

靴専門店「シュー・プラザ」

子供服「西松屋」

100円ショップ「キャン・ドゥ」

3階からの眺め。太陽の光が差し込んで明るい空間となっています。

「ファンタジーキッズリゾート」という室内遊園地が入居。

ゲームコーナーも導入。

ダイエー海老名店 店舗概要
開業: 1984年9月2日(Dマートとして開業、1986年2月1日よりダイエーに転換)
売場面積: 14184㎡(うちダイエー直営3658㎡)
営業時間: 7:00~23:00
住所: 神奈川県海老名市中央3-2-5
駐車場: 803台
HP: https://www.daiei.co.jp/stores/d0372/
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: 少ない
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 特になし
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 普通
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: アルティフーズ
鮮魚加工者: 自社店内、アルティフーズ
食品レジ: 通常レジ3台(1台稼働中)、セミセルフレジ4台(2台稼働中)、精算機8台
完全セルフレジ: 無し
トイレ: 普通
休憩スペース: あり(フードコートあり)
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: トップバリュ
かつてダイエーが全国に展開していた大型のショッピングモール「ショッパーズプラザ」。一時期は大半の店舗が通常のダイエー屋号へ改称されましたが、新浦安や横須賀など1990年代に出店した大型店に再度使用されます。こちらの海老名店は2006年に通常の総合スーパー業態「ダイエー海老名店」から専門店も入居させた「ショッパーズプラザ海老名」へ転換されました。現在では新浦安や横須賀がイオンリテールへ継承されたため、海老名が唯一残るショッパーズプラザとなりました。
2階、3階は完全に専門店となっており、直営は1階の食料品とわずかな肌着売場のみとなっています。2階にはキャン・ドゥ、西松屋、シュープラザなど小売店を入居させますが、3階は「ファンタジーキッズリゾート」という室内遊園地とゲームコーナーになっており、子供向け施設が出店。4階と屋上はゴルフ練習場とバッティングセンターなどスポーツのフロアとなっています。太陽光が入る大きな吹き抜けも特徴ですが、床面積の減少にも繋がっています。
食料品売場はあまり改装されておらず、2010年前後のダイエーといった雰囲気。茶色を基調とした落ち着いた雰囲気と、スポット照明の増設はありますが、上質感の演出までには至りません。一方で鮮魚、精肉、惣菜を除く部門では電子棚札を導入しており、自社競合となっている「イオン海老名店」よりも先駆的な取り組みも見られました。
青果売場は導入部で丸ごとのスイカやカットスイカを冷やして訴求。季節の果物やトマトではやや高価格帯のアイテムも導入しますが、高級品や珍しい野菜の割合は高くありません。小分けパック、カット野菜は充実しているほか、トップバリュグリーンアイのオーガニック野菜をコーナー展開。
鮮魚売場では丸々一尾の鮮魚は扱っておらず、切身や干物、塩干なども決して充実しているとは言えません。お刺身もアルティフーズからアウトパックで提供しており、鮮度感は劣る印象。一方で店内調理する「お魚屋さんのお寿司」は大トロと中トロの入った1人前980円の握り寿司や、9種のネタの海鮮丼(598円)など上質志向なアイテムも販売します。
精肉売場も基本的にアルティフーズのプロセスセンター加工で品揃え。導入部ではバーベキューセット(1480円)などボリュームのあるファミリー層向けの商品が並びます。ダイエーのオリジナル黒毛和牛「さつま姫牛」も展開しますが、上質なステーキ肉やすき焼き用肉は陳列量が少なく、販売は伸び悩んでいるようです。消費期限が長い「真空スキンパック包装」のアンガスビーフやはこだて大沼牛も販売。また、単身・少人数世帯向けの少量パックから、お買い得な大容量パックまでサイズを幅広く揃え、様々なニーズに対応。味付け肉に加え、電子レンジで調理できるチーズタッカルビや豚バラ蒸ししゃぶなど簡便調理アイテムも強化しています。
惣菜売場には中華惣菜「一品閣」を導入。中華惣菜を使った弁当などが並びます。直営部分では野菜や玄米を入れた健康志向なお弁当を訴求しますが、店内調理は少なくアウトパックが中心となっています。揚げ物や天ぷら、魚惣菜も定番品が多く凝った商品は見られませんでした。ピザも販売しますがPOPは丸ピザとなっているのに販売しているのはスクエア型のピザで、ボリュームも感じられません。
加工食品も大手ナショナルブランドとトップバリュで占められており、こだわりの品や珍しい品は並びません。問題としては大手NBの価格が全体的に高く、価格競争で劣勢に立たされています。広告の品もたいして安いとは感じませんでした。店内ではイオンPBで最も低価格な「トップバリュベストプライス」をボリューム展開しますが、それは隣のイオン海老名店でも同じ価格で販売されており、全く差別化になりません。アイテムの絞り込みをするなら価格を下げる必要がありますし、粗利を重視するなら品揃えの幅を広げて、選ぶ楽しさを向上させるべきでしょう。一方で和日配の豆腐や洋日配のナチュラルチーズでは高級品も取り扱っています。
お酒ではスパークリングワインや日本酒は冷やして提供。クラフトビールも充実の品揃え。ワインコーナーでは商品説明をプライスカードに載せるのではなく、QRコードをスマホで読み取って表示させます。実際にやってみるとPDFファイルがダウンロードされ、詳細な商品説明を読むことが出来ますが、売場で比較検討して購入する際には煩わしいと感じます。
平日の昼過ぎということもありお客さんの姿は疎らでした。主婦や高齢者が中心で、平均的な客単価も低めとなっています。一方で海老名駅周辺の競合他社に目を向けると、イオン、ロピア、エイヴイのいずれも平日昼間から多くの来店客で賑わっており、ダイエー1人負けの様相を呈しています。品揃えの幅が狭く、トップバリュ以外安くなければ、特徴の無いつまらないスーパーとなってしまいます。生鮮3品、惣菜、日配、加工食品どれを見ても、付加価値の高い魅力的な商品が乏しく、価格訴求も十分ではありません。イオンが至近距離にある中でダイエー屋号のまま存続してきた店舗ですが、業績は厳しいのではないでしょうか。ただし最新の商品政策(MD)を導入する改装を行うと、イオンの顧客を奪うことになるので消極的なのだと思われます。ちなみにフードコートは有力なテナントを揃えており、イオン海老名店よりも賑わっていました。
小田急と相鉄の海老名駅から徒歩2分程度のところに、ダイエー海老名店はあります。
店舗外観。
現在ダイエーの中で唯一ショッパーズプラザを名乗っている店舗です。
以前は建物の上に「ショッパーズプラザ」という看板が設置されていたのですが撤去されてしまったようです。

別角度から。駅からは歩道橋で直接アクセス出来ます。

納品口。
外壁には「www.shoppers-plaza.jp」というサイトのドメインが書かれています。
当時はショッパーズプラザの公式ホームページにアクセス出来たのでしょうが、2022年8月現在はオレンジの帯に「このドメインを購入する」と書いてあるサイトに飛ばされます。

別の入口。

屋上はゴルフ練習場とバッティングセンターとなっています。

正面入口。

大規模小売店舗表示板。

定礎版。

専門店の案内。

フロアガイド。

駅からの歩道橋を通って2階から入ることも出来ます。

駐車場も完備。店舗とは連絡通路で結ばれています。

まずは1階食料品売場から見ていきます。
青果売場。2010年前後のダイエーの雰囲気を色濃く残しています。

導入部のカットフルーツ。
壁面がガラス張りになっているだけで奥側に売場はありません。

カット野菜はトップバリュを中心に充実。

トップバリュグリーンアイのオーガニック野菜をコーナー展開。

青果売場でも電子棚札を導入。従来の小さく見えにくいという欠点を克服する大きめのサイズです。
後述の加工食品、日配でも電子棚札が導入されています。

キャベツ1玉で128円に対して1/2が108円は割高であまり売れないと思いますが。

スポット照明で商品を際立たせます。関連陳列や商品説明のPOPもあって良いですね。

鮮魚売場。

お刺身もプロセスセンター加工を実施。
丸々一尾の鮮魚は扱っておらず、切身や干物、塩干なども決して充実しているとは言えません。

「お魚屋さんのお寿司」と題して大トロや中トロの入った1人前980円の握り寿司も販売。

9種のネタの海鮮丼(598円)など上質志向なアイテムも並びます。

精肉売場。

精肉はアルティフーズのプロセスセンター加工で品揃え。導入部ではバーベキューセット(1480円)などボリュームのあるファミリー層向けの商品が並びます。

ダイエーのオリジナル黒毛和牛「さつま姫牛」も展開しますが、上質なステーキ肉やすき焼き用肉は陳列量が少なく、販売は伸び悩んでいるようです。

豚肉ではさつま王豚を訴求。

単身・少人数世帯向けの少量パックから、お買い得な大容量パックまでサイズを幅広く揃えます。

電子レンジで調理できるチーズタッカルビや豚バラ蒸ししゃぶなど簡便調理アイテムも強化。
訪れたのは7月ですが、果たして個食鍋(一人鍋セット)がこの季節に売れるのでしょうか。

芳味ハムも取り扱い。

精肉売場の前には平台ショーケースが無いため、鮮魚売場付近で冷凍の焼き鳥を販売。

惣菜売場。

中華惣菜「一品閣」が出店。

野菜や玄米を入れた健康志向なお弁当を訴求しますが、店内調理は少なくアウトパックが中心となっています。

POPでは丸いピザを訴求するにも関わらず、並んでいるのはスクエア型のピザです。

「一品閣」のコーナーでは中華惣菜を使った弁当などが並びます。

和日配コーナー。
豆腐では低価格なアイテムから相模屋「BEYOND TOFU」シリーズまで幅広い品揃え。

ナチュラルチーズコーナー。

加工食品売場。

イオンPBで最も低価格な「トップバリュベストプライス」をボリューム展開

マヨネーズコーナー。
イオンでは目線の高さであるゴールデンゾーンにトップバリュを配置しますが、こちらでは健康志向なアイテムを陳列しています。

ドレッシングコーナーでもトップバリュは下段の方に配置。
一方で大手NBの価格が全体的に高いと感じます。

駄菓子は専用什器を導入。少し欠品が見られます。

加工食品売場でも電子棚札を導入。
文字を赤くするなど一応目立たせる工夫は見られますが、特売品や売り込みたい商品を際立たせるには弱いですね。

ティーバッグのむぎ茶が山積みになっていましたが、発注ミスでもしたのでしょうか。

飲料コーナーはトップバリュで価格訴求を展開。

クラフトビールやスパークリングワインも充実しています。

ワインコーナー。商品説明をプライスカードに載せるのではなく、QRコードをスマホで読み取って表示させます。

ここからは1階の非食品部門を見ていきます。
医薬品コーナー。

吹き抜け部分では在庫処分セールを開催。

衣料品は肌着に絞り込まれています。

隣にはフードコートがあり、マクドナルドや幸楽苑などが出店しています。

2階と3階は全て専門店のフロアとなっており、ダイエー直営部分はありません。
大きな吹き抜けが特徴的ですね。

靴専門店「シュー・プラザ」

子供服「西松屋」

100円ショップ「キャン・ドゥ」

3階からの眺め。太陽の光が差し込んで明るい空間となっています。

「ファンタジーキッズリゾート」という室内遊園地が入居。

ゲームコーナーも導入。

ダイエー海老名店 店舗概要
開業: 1984年9月2日(Dマートとして開業、1986年2月1日よりダイエーに転換)
売場面積: 14184㎡(うちダイエー直営3658㎡)
営業時間: 7:00~23:00
住所: 神奈川県海老名市中央3-2-5
駐車場: 803台
HP: https://www.daiei.co.jp/stores/d0372/
店内・売場の様子
時間帯: 15時頃
客数: 少ない
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、日配中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 特になし
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 普通
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: アルティフーズ
鮮魚加工者: 自社店内、アルティフーズ
食品レジ: 通常レジ3台(1台稼働中)、セミセルフレジ4台(2台稼働中)、精算機8台
完全セルフレジ: 無し
トイレ: 普通
休憩スペース: あり(フードコートあり)
インストアベーカリー: あり
プライベートブランド: トップバリュ
かつてダイエーが全国に展開していた大型のショッピングモール「ショッパーズプラザ」。一時期は大半の店舗が通常のダイエー屋号へ改称されましたが、新浦安や横須賀など1990年代に出店した大型店に再度使用されます。こちらの海老名店は2006年に通常の総合スーパー業態「ダイエー海老名店」から専門店も入居させた「ショッパーズプラザ海老名」へ転換されました。現在では新浦安や横須賀がイオンリテールへ継承されたため、海老名が唯一残るショッパーズプラザとなりました。
2階、3階は完全に専門店となっており、直営は1階の食料品とわずかな肌着売場のみとなっています。2階にはキャン・ドゥ、西松屋、シュープラザなど小売店を入居させますが、3階は「ファンタジーキッズリゾート」という室内遊園地とゲームコーナーになっており、子供向け施設が出店。4階と屋上はゴルフ練習場とバッティングセンターなどスポーツのフロアとなっています。太陽光が入る大きな吹き抜けも特徴ですが、床面積の減少にも繋がっています。
食料品売場はあまり改装されておらず、2010年前後のダイエーといった雰囲気。茶色を基調とした落ち着いた雰囲気と、スポット照明の増設はありますが、上質感の演出までには至りません。一方で鮮魚、精肉、惣菜を除く部門では電子棚札を導入しており、自社競合となっている「イオン海老名店」よりも先駆的な取り組みも見られました。
青果売場は導入部で丸ごとのスイカやカットスイカを冷やして訴求。季節の果物やトマトではやや高価格帯のアイテムも導入しますが、高級品や珍しい野菜の割合は高くありません。小分けパック、カット野菜は充実しているほか、トップバリュグリーンアイのオーガニック野菜をコーナー展開。
鮮魚売場では丸々一尾の鮮魚は扱っておらず、切身や干物、塩干なども決して充実しているとは言えません。お刺身もアルティフーズからアウトパックで提供しており、鮮度感は劣る印象。一方で店内調理する「お魚屋さんのお寿司」は大トロと中トロの入った1人前980円の握り寿司や、9種のネタの海鮮丼(598円)など上質志向なアイテムも販売します。
精肉売場も基本的にアルティフーズのプロセスセンター加工で品揃え。導入部ではバーベキューセット(1480円)などボリュームのあるファミリー層向けの商品が並びます。ダイエーのオリジナル黒毛和牛「さつま姫牛」も展開しますが、上質なステーキ肉やすき焼き用肉は陳列量が少なく、販売は伸び悩んでいるようです。消費期限が長い「真空スキンパック包装」のアンガスビーフやはこだて大沼牛も販売。また、単身・少人数世帯向けの少量パックから、お買い得な大容量パックまでサイズを幅広く揃え、様々なニーズに対応。味付け肉に加え、電子レンジで調理できるチーズタッカルビや豚バラ蒸ししゃぶなど簡便調理アイテムも強化しています。
惣菜売場には中華惣菜「一品閣」を導入。中華惣菜を使った弁当などが並びます。直営部分では野菜や玄米を入れた健康志向なお弁当を訴求しますが、店内調理は少なくアウトパックが中心となっています。揚げ物や天ぷら、魚惣菜も定番品が多く凝った商品は見られませんでした。ピザも販売しますがPOPは丸ピザとなっているのに販売しているのはスクエア型のピザで、ボリュームも感じられません。
加工食品も大手ナショナルブランドとトップバリュで占められており、こだわりの品や珍しい品は並びません。問題としては大手NBの価格が全体的に高く、価格競争で劣勢に立たされています。広告の品もたいして安いとは感じませんでした。店内ではイオンPBで最も低価格な「トップバリュベストプライス」をボリューム展開しますが、それは隣のイオン海老名店でも同じ価格で販売されており、全く差別化になりません。アイテムの絞り込みをするなら価格を下げる必要がありますし、粗利を重視するなら品揃えの幅を広げて、選ぶ楽しさを向上させるべきでしょう。一方で和日配の豆腐や洋日配のナチュラルチーズでは高級品も取り扱っています。
お酒ではスパークリングワインや日本酒は冷やして提供。クラフトビールも充実の品揃え。ワインコーナーでは商品説明をプライスカードに載せるのではなく、QRコードをスマホで読み取って表示させます。実際にやってみるとPDFファイルがダウンロードされ、詳細な商品説明を読むことが出来ますが、売場で比較検討して購入する際には煩わしいと感じます。
平日の昼過ぎということもありお客さんの姿は疎らでした。主婦や高齢者が中心で、平均的な客単価も低めとなっています。一方で海老名駅周辺の競合他社に目を向けると、イオン、ロピア、エイヴイのいずれも平日昼間から多くの来店客で賑わっており、ダイエー1人負けの様相を呈しています。品揃えの幅が狭く、トップバリュ以外安くなければ、特徴の無いつまらないスーパーとなってしまいます。生鮮3品、惣菜、日配、加工食品どれを見ても、付加価値の高い魅力的な商品が乏しく、価格訴求も十分ではありません。イオンが至近距離にある中でダイエー屋号のまま存続してきた店舗ですが、業績は厳しいのではないでしょうか。ただし最新の商品政策(MD)を導入する改装を行うと、イオンの顧客を奪うことになるので消極的なのだと思われます。ちなみにフードコートは有力なテナントを揃えており、イオン海老名店よりも賑わっていました。