東京都稲城市。
小田急多摩線の栗平駅から徒歩17分程度のところに、スーパーヤマザキ平尾店はあります。
こちらの店舗は2022年11月30日をもって営業を終了することが発表されました。
閉店当日の様子はこちらの記事をご覧ください。→
http://daieisaison.jp/blog-entry-732.html店舗外観。
東京都住宅供給公社(JKK東京)の平尾団地の中にあります。

年季の入った看板。

屋根が特徴的ですね。

平尾団地商店街に入居しています。

団地の案内図。郊外だけあって駐車場も多く備えています。

かつては商店街に青果店や魚屋も出店していたようですが、現在は閉店しています。

スーパーヤマザキの隣の区画も空きテナントです。

多くの区画がシャッター街と化しています。こうした光景は人口減少・高齢化が著しい郊外の団地ではよく見られます。

閉店のお知らせ。まだ先ですが11月30日午後7時をもって閉店となります。

ポイントや電子マネー「コジカ」は閉店までの利用を促します。

店舗の入口にはこのようなロゴが掲げられています。今まで訪問した他店では見られないものです。

入口すぐの青果売場。秋らしい売場演出を行います。

照明を一部消して節電に協力します。

少量パックやカット野菜はあまり扱いませんが、定番の野菜は一通り揃えています。

季節の果物は高級志向なアイテムも販売。

続く精肉売場。かつてはガラス張りで調理場が見える構造だったようですが、現在は店内加工を取りやめており、内部が見えないよう塞がれています。

同社の府中店で加工した商品を運搬して販売します。上質な黒毛和牛ステーキ肉など高単価な商品も見られます。

鮮魚売場も以前は厨房が見えるオープンキッチン方式でしたが、こちらも塞がれています。

手書きPOPや関連陳列などは良い出来栄え。

お刺身や切身などは同社の府中店で加工しています。干物や塩干など一部は店内でパック詰めしているようで、ラベルの製造者が平尾店となっていました。

惣菜売場。

こちらでは店内調理のお弁当などが並んでいます。

売場の後半に和洋日配をまとめて配置。

棚板を取り払い、こだわり商品などをおすすめするコーナーを設置。

冷凍食品コーナー。

パン売場には巨大なダブルソフトが。当然のことながら、山崎製パンの商品しか並んでいません。

加工食品売場。

売場案内なども凝った意匠は見られません。

調味料などもまだまだ商品は豊富。

山崎製パンの均一菓子「良味100選」を販売。

日用消耗品も一通り揃います。

100円ショップ「セリア」の商品も扱いがあった様子で、3個で220円と在庫処分がされていました。
スーパーヤマザキ平尾店 店舗概要開業: 1970年08月28日
売場面積: 545㎡
営業時間: 09: 30 ~ 20: 00
住所: 東京都稲城市平尾3-1-1
駐車場: あり
HP:
http://www.super-yamazaki.co.jp/sub1.html(店舗一覧)
店内・売場の様子時間帯: 14時頃
客数: やや少ない
客層: 高齢者中心
買い物内容: 生鮮、日配中心に少なめ
売場の雰囲気: 老朽化
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: 普通
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: スーパーヤマザキ府中店
鮮魚加工者: スーパーヤマザキ府中店、一部干物塩干は店内加工
食品レジ: 通常レジ1台(1台稼働中)セミセルフレジ1台(1台稼働中)、精算機2台
完全セルフレジ: 無し
トイレ: 無し
休憩スペース: 無し
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: CGC
今年に入ってから撤退が相次ぐスーパーヤマザキ。今回は稲城市の平尾団地内にある平尾店を訪れました。平尾店は1970年に入居が開始された平尾団地の商店街区画に、同年8月28日オープン。公式ホームページ上では発表されていなかったため訪れた際に知ったのですが、店頭では11月30日をもって閉店すると告知がありました。今年の初めに9店舗あったスーパーヤマザキは、4月末に鶴川店を閉鎖したのを皮切りに、5月末に東久留米西口店、6月末に百草店、8月末に滝山店と閉店が相次いでおり、1年足らずで4店舗にまで規模を縮小させることとなりました。
スーパーヤマザキ平尾店の昨年度売上高はおよそ5億6000万円(日本スーパー名鑑より)。食品スーパーとしては厳しい数字ですが、545平米という売場面積を考慮すれば決して悪い数字ではありません。一方で、2020年3月13日には約1.2km先に三和SOCOLA(ソコラ)若葉台店がオープンし、車を保有している団地住民が流れているようです。団地内にはミニコープやコンビニエンスストアもあり、新百合ヶ丘駅行きのバスも頻発しているため、撤退後も買い物難民が生じることはほぼ無いと思われます。
平尾店にはセミセルフレジが1台と精算機が2台導入されているものの、通常レジ1台と合わせて有人レジが2台のみという設備は、あまりにも普段から混雑しないことを示しています。閉店が先であるためまだまだ商品は豊富に揃えていますが、店内は長年改装が行われておらず、老朽化が感じられます。鮮魚や精肉は厨房も備えるものの、同社の府中店で調理加工した商品を運搬して販売。客層は高齢者が圧倒的に多く、ゆったりと買物されていましたが、客単価は低くなっています。
【スーパーヤマザキの今後について】スーパーヤマザキ各店舗の昨年度売上高(日本スーパー名鑑より)を高い順に並べると、
東久留米東口店
三筋店
府中店
滝山店(閉店済み)
市川店
平尾店(閉店予定)
鶴川店(閉店済み)
東久留米西口店(閉店済み)
百草店(閉店済み)
となっており、基本的な傾向としては売上不振の店舗を閉鎖しています。一方で売上が悪くなく、自社物件である滝山店が営業を終了したことは意外です。9店舗のうち滝山店と三筋店は自社物件で、市川店は山崎製パンのグループ企業が家主であるため家賃は抑えられていると見られます。
通常のスーパーはチラシ販促を全店で実施しますが、直近のスーパーヤマザキは異なります。2021年4月時点では百草店を除く8店で実施していましたが、2022年4月には東久留米東口店、府中店、市川店、三筋店の4店のみに限定されるようになりました。既に社内では今年4月の段階で閉鎖店舗が決められており、賃貸借契約を結ぶ家主と交渉を行い、順次撤退していったのではないでしょうか。チラシ販促の有無で判断するのであれば、個人の勝手な予想ですが今後しばらくは店舗の閉鎖は行われないと考えられます。
また、平尾店の撤退に伴い、スーパーヤマザキは団地内の立地から姿を消すこととなりました。1967年、スーパーヤマザキは1号店を町田市鶴川団地に開業させ、その後も1968年に滝山団地、1969年に久留米西団地(2018年撤退)と百草団地、そして1970年に平尾団地と団地内を中心に出店を重ねました。しかし多くの団地では入居開始から50年以上が経過し、住民の高齢化や人口減少が進行。消費・購買力の低下により、年々売上が減少していたと推測されます。わずか4店舗のチェーンとなるスーパーヤマザキは今後、駅前繁華街立地で個性を発揮していけるのでしょうか。