2022年9月現在、東京都青梅市のJR青梅駅前に建つ青梅共栄ビルは解体工事が進められています。
このビルには1972年11月10日より2002年2月まで長崎屋青梅店が入居しており、
閉店後もおよそ20年間に渡って屋上広告塔に長崎屋のロゴ「サンバード」の跡が残っていました。
長崎屋撤退後も食品フロアを担当していた地場スーパー「マルフジ」が営業を続けていたものの、
2015年1月7日に閉店し、ビルは閉鎖されていました。
当ブログでは2014年3月にも訪れており記事にしていますが、
今回は2022年2月と、解体が進む9月の画像も合わせて紹介致します。
<2014年3月の写真>2000年2月13日、長崎屋は会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。
アメリカの投資ファンド「サーベラス・キャピタル・マネージメント」が支援し再建に取り組みますが、業績の回復は想定を下回り、2001年11月には全店舗のおよそ4割にあたる31店舗の閉鎖と、社員の3分の1にあたる700人の希望退職募集を発表しました。その閉鎖店舗に青梅店も含まれており、2002年2月に閉店となりました。

外観はマルフジが営業していること以外は2022年とあまり変わりません。




現在では真っ黒なサンバードのロゴは、2014年当時はまだ赤い塗料が残っていたようです。



残念ながらマルフジの売場写真はありませんが、1階と地下1階に展開していました。

大規模小売店舗表示板。地権者が多いですね。

定礎板。

長崎屋青梅店の案内が残っています。

フロアガイド。別角度から撮った写真などと合わせると。
屋上 (ペットショップ)
6階 カルチャーフロア (パソコンスクール)
5階 家具と寝具インテリアフロア (100円ショップ)
4階 お子様と肌着ナイティーフロア
3階 生活用品とメンズフロア (ゲームコーナー)
2階 レディスフロア (夢ひろば)
1階 おしゃれ雑貨フロア
地下1階 総合食品フロア (マルフジフードセンター)
というフロア構成となります。長崎屋開業時から入居しているマルフジは、当初地下1階のみで営業していたようです。

長崎屋が撤退したあとに作られたフロアガイド。

2階には個人経営の衣料品店が出店しており立ち入ることが出来ましたが、3階より上は閉鎖されていました。

階段も封鎖されていました。

1階と2階の間の踊り場。

衣料品店はフロアの端で営業していました。

1フロアは500平米ほどとあまり広くありません。

一部は照明が落とされていました。

非常口の案内。

撤退した飲食店の跡地。

ここからは2022年2月に撮影した写真を紹介いたします。
<2022年2月の写真>ちょうど店の前にはマルフジ千ヶ瀬店への送迎バスが停車しています。
2015年1月にマルフジが撤退後、およそ1km離れた同社の千ヶ瀬店への無料送迎バスを週2日運行しています。

2014年当時と異なり、赤色が色褪せてしまっています。

太陽の光があまり当たらない面には赤色がわずかに見えます。





少し高い場所から店舗を撮影しました。

マルフジも営業を終了し、2015年1月以降は廃墟と化していました。

エスカレーターが見えますが、ガラスにはスプレーで落書きも見られます。

ガラス越しに中の様子を覗くことが出来ます。

一部の什器は残っている様子。

エントランス付近。

こちらが搬入口だったようです。かなり狭いですね。

閉ざされたシャッター。

ここからは解体工事の様子をご紹介します。
<2022年9月解体工事の写真>周囲には足場が組まれています。



解体工事の許可票など。

側面に大きな穴が開いていました。

作業が中断されていたので近くで撮影しました。

内部が見えますが、既に壁や床などが解体された部分もあるようです。

1972年11月の開業から約50年を経て解体される青梅共栄ビル。長崎屋がかつてこの地で営業していたことが一目でわかるという、全国でも珍しい建物でした。道を挟んだ青梅中央ビルは再開発事業が進められており、一帯を取り壊して2025年春には13階建てのマンションが建つ計画となっています。現在青梅共栄ビル跡地の計画は確認することが出来ませんでしたが、街の活性化に繋がる施設が出来ると良いですね。