エコス新治SC店
- 2023/10/13
- 21:56
茨城県土浦市。
JR常磐線の土浦駅から徒歩88分程度、または土浦駅から関東鉄道バスで15分ほどの「さん・あぴお」バス停すぐのところに、「新治ショッピングセンターさん・あぴお」、そしてエコス新治SC店はあります。
1993年4月、長崎屋新治店を核店舗とする「新治ショッピングセンターさん・あぴお」が開業しました。現在は土浦市に編入されていますが、当時は茨城県新治郡新治村に立地していました。しかし2000年2月に長崎屋は会社更生法の適用を申請し、事実上経営破綻。当初は店舗網を維持したまま再建に取り組むものの業績は改善せず、2001年11月には全84店舗のうち31店舗の閉鎖を発表。その中に新治店も含まれており、2002年2月11日に営業を終了しました。
長崎屋は施設全体11034㎡の半分程度で営業していましたが、単にテナントとして出店していた訳ではなく、専門店部分の新治商業協同組合と長崎屋が建物を折半し区分所有していました。その後長崎屋が所有していた区画はエコスが買い取り、2002年12月20日に「エコス新治SC店」を開業。余ったフロアにはウエルシアやダイソーを誘致しました。
ところが2022年11月17日、専門店街を運営する新治商業協同組合の破産手続開始決定がなされ、専門店は順次閉店。売上不振が続きテナントの撤退が相次いだ結果、施設運営は行き詰まり7億円程度の負債を抱え、破産申請に至りました。その後もエコスが区分所有するエコス直営売場とテナントのウエルシア、ダイソーは営業を継続しています。
屋上広告塔。
駐車場入口。
屋上駐車場は閉鎖されていました。
屋上も合わせて917台の駐車場を確保しており、平面も十分に余裕があります。
2階のバルコニー部分に上がることが出来ますが、店内への入口は閉鎖されていました。
敷地内にあるバス停には本数は少ないもののバスが運行されています。一方でタクシー乗り場にタクシーが待機することはありません。
店舗をぐるりと一周してみたいと思います。
店舗正面の「ゾウ入口」
フロアガイドによるとリサイクルショップと記載されている区画になります。
こちらは「サイ入口」
2022年11月17日の破産手続開始決定に関する告示が貼り出されています。
ライオン、ゾウ、キリン、サイという名称の付いた入口があったようです。
大規模小売店舗表示板。株式会社サンランドというのは長崎屋の関連会社です。
エコス入口。
エコスの鮮魚・精肉・惣菜など店内加工品の加工社名は「エコスフレッシュパワー新治SC店」と記載されていますが、公式ホームページやレシートには「エコス新治SC店」のみとなっています。他店では埼玉県川越市のエコス木野目店で同様のフレッシュパワー表記が見られるようですが、特に業態として違いを打ち出しているようには感じませんでした。
店舗裏手の納品口。
小さい倉庫のような建物が建っています。
店舗を取り囲むように平面駐車場が配置されています。
エコスの看板が掲げられた「キリン入口」
スロープの下付近にも入口があります。
「食の街入口」。
かつては多数の飲食店が営業していたと見られますが、白い紙が貼られている区画がほとんどです。
年季を感じさせる案内。
こちらは「ライオン入口」。
先述の案内にもありましたが、ライオン、ゾウ、サイの入口は閉鎖されています。
ちなみにサイコロPOPは「ウエルシァ」と何故か最後が小文字になっていますが、「ウエルシア」が正しい表記です。
フロアガイドは専門店街が営業していた当時のまま残されています。
さらに古びたバージョンもありました。期間限定で土浦市の確定申告会場が設けられたこともあるそうです。
それでは施設内を見ていきます。2022年11月17日以降、専門店は順次営業を終了し、現在は閉鎖され内部に立ち入ることは出来ません。
奥にエスカレーターが見えます。
エスカレーターの段差に案内が貼られているのは違和感がありますが、SNSの情報によると経費削減のため運転を停止して階段として使われていたようです。
左手にはエコスが営業中ですが、反対側はもぬけの殻となっています。
11月27日まで営業していたテナントもあるようです。
休憩スペースも広々としています。
デイサービス施設も営業しています。
エコスが所有する区画に出店するウエルシア。
照明も落とされ薄暗い空間。
エレベーターは稼働しています。
吹き抜けがあります。
インフォメーションセンターの小物類も当時から放置されている様子。
屋上への階段は閉鎖中。
2階から見た吹き抜け。陽の光が差し込んでいます。
「センターコート」とフロアガイドには記載されていました。
ベンチと大型モニターも残されています。
長崎屋時代の売場案内が残されていました。
1階が食料品と住まいの品、2階に衣料品を展開していた様子。
エレベーターも同様の表記でした。
エコスが所有する区画のエスカレーターは稼働しています。
2階に入居するダイソー。
かなり古い意匠ですが、いつまで営業を継続できるか不透明なため、改装されないのでしょう。
専門店部分は閉鎖されています。
大きく空いている区画がありましたが、こちらは営業当時から空き床だったようです。
元々ゲームコーナーやリサイクルショップがあった区画。
不要物を残したまま退去したようです。
2階はダイソーのみが営業しています。
それでは1階エコスの売場を見ていきます。
品揃えは全般的に普段使いや低価格帯に絞り込まれています。最低限の暮らしに必要な商品を買い求めるのであれば問題ない水準ですが、買い物の楽しさを提供出来ているとは言い難いと感じます。
青果売場。品揃えに面白みがなく、果物も品質がイマイチで商品が回転していない印象を受けます。
鮮魚売場。刺身や切身の比率が低く、期限の長い塩干で売場を埋めている状態。
精肉売場。
高級な和牛の取り扱いが無く、使用頻度の高いオーソドックスな品揃えに注力。
惣菜は手作り感ある商品も並び、夕方だけあって好調に売れている印象でした。
冷凍食品コーナー。天井には黒ずみも目立ちます。
洋日配の牛乳コーナー。
加工食品売場。
醬油コーナー。
ドレッシングコーナー。
エコス新治SC店 店舗概要
開業: 2002年12月20日
売場面積: 1527㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 10:00~20:00
住所: 茨城県土浦市大畑1611-1
駐車場: 917台(無料)
HP: https://www.eco-s.co.jp/store/%E6%96%B0%E6%B2%BB%EF%BD%93%EF%BD%83%E5%BA%97/
店内・売場の様子
時間帯: 平日16時頃
客数: やや少ない(店内に10~15人ほど)
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 特筆すべき点なし
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 店内加工
鮮魚加工者: 店内加工
食品通常レジ: 3台(2台稼働中)
食品セミセルフレジ: 0台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: やや汚い
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: くらしモア
1993年4月、長崎屋新治店を核店舗とする「新治ショッピングセンターさん・あぴお」が開業しました。現在は土浦市に編入されていますが、当時は茨城県新治郡新治村に立地していました。しかし2000年2月に長崎屋は会社更生法の適用を申請し、事実上経営破綻。当初は店舗網を維持したまま再建に取り組むものの業績は改善せず、2001年11月には全84店舗のうち31店舗の閉鎖を発表。その中に新治店も含まれており、2002年2月11日に営業を終了しました。なお、1999年度の長崎屋新治店の年商はおよそ29億0400万円、店舗面積6388㎡となっていました(2000年版日本スーパー名鑑より)。
長崎屋は施設全体11034㎡の半分程度で営業していましたが、単にテナントとして出店していた訳ではなく、専門店部分の新治商業協同組合と長崎屋が建物を折半し区分所有していました。その後長崎屋が所有していた区画はエコスが買い取り、2002年12月20日に「エコス新治SC店」を開業。余ったフロアにはウエルシアやダイソーを誘致しました。
ところが2022年11月17日、専門店街を運営する新治商業協同組合の破産手続開始決定がなされ、専門店は順次閉店。売上不振が続きテナントの撤退が相次いだ結果、施設運営は行き詰まり7億円程度の負債を抱え、破産申請に至りました。その後もエコスが区分所有するエコス直営売場とテナントのウエルシア、ダイソーは営業を継続しています。専門店街が営業していた当時より集客力には陰りが見えていたようですが、老朽化した施設に近隣型SCのようなテナント構成で現状の売上も芳しくありません。それでも各社撤退しないのは、家賃負担が非常に軽く、客数が少なくとも採算が取れているためと推測されます。一方で今後の営業期間が不透明であるため、ダイソーもかなり古い意匠のまま放置されています。
エコスの鮮魚・精肉・惣菜など店内加工品の加工者名は「エコスフレッシュパワー新治SC店」と記載されていますが、公式ホームページやレシートには「エコス新治SC店」のみとなっています。他店では埼玉県川越市のエコス木野目店で同様のフレッシュパワー表記が見られるようですが、特に業態として違いを打ち出しているようには感じませんでした。
エコスもかつてはレジが6台設置されていた痕跡が確認でき、繁盛していた時期もあるようですが、現在は3台に削減されています。1527㎡と扱いやすい規模のため、エコス境SC店で見られたような間延びした印象は抱きませんでしたが、品揃えは全般的に普段使いや低価格帯に絞り込まれており、アッパー品は大胆にカットされています。最低限の暮らしに必要な商品を買い求めるのであれば問題ない水準ですが、買い物の楽しさを提供出来ているとは言い難いと感じます。
入口から青果、鮮魚、精肉、惣菜と配置。青果は品揃えに面白みがなく、果物も品質がイマイチで商品が回転していない印象を受けます。鮮魚も刺身や切身の比率が低く、期限の長い塩干で売場を埋めている状態。精肉でも高級な和牛の取り扱いが無く、使用頻度の高いオーソドックスな品揃えに注力。惣菜は手作り感ある商品も並び、夕方だけあって好調に売れている印象でした。加工食品はエコス共通のラインナップで、高級品やこだわりの品は取り扱いません。
平日であるとしても夕方16時で店内に10人~15人程度しか居ないというのは非常に苦しい状況です。車での来店がほとんどであるにも関わらず客単価も低い水準で、平均でカゴ半分にも満たない程度にとどまっています。ローコストオペレーションを得意とするエコスにとってはこれでも利益が出るのでしょうが、一方で施設の老朽化に伴う保守修繕費は年々増加傾向にあると見られ、先行きは明るくありません。
JR常磐線の土浦駅から徒歩88分程度、または土浦駅から関東鉄道バスで15分ほどの「さん・あぴお」バス停すぐのところに、「新治ショッピングセンターさん・あぴお」、そしてエコス新治SC店はあります。
1993年4月、長崎屋新治店を核店舗とする「新治ショッピングセンターさん・あぴお」が開業しました。現在は土浦市に編入されていますが、当時は茨城県新治郡新治村に立地していました。しかし2000年2月に長崎屋は会社更生法の適用を申請し、事実上経営破綻。当初は店舗網を維持したまま再建に取り組むものの業績は改善せず、2001年11月には全84店舗のうち31店舗の閉鎖を発表。その中に新治店も含まれており、2002年2月11日に営業を終了しました。
長崎屋は施設全体11034㎡の半分程度で営業していましたが、単にテナントとして出店していた訳ではなく、専門店部分の新治商業協同組合と長崎屋が建物を折半し区分所有していました。その後長崎屋が所有していた区画はエコスが買い取り、2002年12月20日に「エコス新治SC店」を開業。余ったフロアにはウエルシアやダイソーを誘致しました。
ところが2022年11月17日、専門店街を運営する新治商業協同組合の破産手続開始決定がなされ、専門店は順次閉店。売上不振が続きテナントの撤退が相次いだ結果、施設運営は行き詰まり7億円程度の負債を抱え、破産申請に至りました。その後もエコスが区分所有するエコス直営売場とテナントのウエルシア、ダイソーは営業を継続しています。
屋上広告塔。
駐車場入口。
屋上駐車場は閉鎖されていました。
屋上も合わせて917台の駐車場を確保しており、平面も十分に余裕があります。
2階のバルコニー部分に上がることが出来ますが、店内への入口は閉鎖されていました。
敷地内にあるバス停には本数は少ないもののバスが運行されています。一方でタクシー乗り場にタクシーが待機することはありません。
店舗をぐるりと一周してみたいと思います。
店舗正面の「ゾウ入口」
フロアガイドによるとリサイクルショップと記載されている区画になります。
こちらは「サイ入口」
2022年11月17日の破産手続開始決定に関する告示が貼り出されています。
ライオン、ゾウ、キリン、サイという名称の付いた入口があったようです。
大規模小売店舗表示板。株式会社サンランドというのは長崎屋の関連会社です。
エコス入口。
エコスの鮮魚・精肉・惣菜など店内加工品の加工社名は「エコスフレッシュパワー新治SC店」と記載されていますが、公式ホームページやレシートには「エコス新治SC店」のみとなっています。他店では埼玉県川越市のエコス木野目店で同様のフレッシュパワー表記が見られるようですが、特に業態として違いを打ち出しているようには感じませんでした。
店舗裏手の納品口。
小さい倉庫のような建物が建っています。
店舗を取り囲むように平面駐車場が配置されています。
エコスの看板が掲げられた「キリン入口」
スロープの下付近にも入口があります。
「食の街入口」。
かつては多数の飲食店が営業していたと見られますが、白い紙が貼られている区画がほとんどです。
年季を感じさせる案内。
こちらは「ライオン入口」。
先述の案内にもありましたが、ライオン、ゾウ、サイの入口は閉鎖されています。
ちなみにサイコロPOPは「ウエルシァ」と何故か最後が小文字になっていますが、「ウエルシア」が正しい表記です。
フロアガイドは専門店街が営業していた当時のまま残されています。
さらに古びたバージョンもありました。期間限定で土浦市の確定申告会場が設けられたこともあるそうです。
それでは施設内を見ていきます。2022年11月17日以降、専門店は順次営業を終了し、現在は閉鎖され内部に立ち入ることは出来ません。
奥にエスカレーターが見えます。
エスカレーターの段差に案内が貼られているのは違和感がありますが、SNSの情報によると経費削減のため運転を停止して階段として使われていたようです。
左手にはエコスが営業中ですが、反対側はもぬけの殻となっています。
11月27日まで営業していたテナントもあるようです。
休憩スペースも広々としています。
デイサービス施設も営業しています。
エコスが所有する区画に出店するウエルシア。
照明も落とされ薄暗い空間。
エレベーターは稼働しています。
吹き抜けがあります。
インフォメーションセンターの小物類も当時から放置されている様子。
屋上への階段は閉鎖中。
2階から見た吹き抜け。陽の光が差し込んでいます。
「センターコート」とフロアガイドには記載されていました。
ベンチと大型モニターも残されています。
長崎屋時代の売場案内が残されていました。
1階が食料品と住まいの品、2階に衣料品を展開していた様子。
エレベーターも同様の表記でした。
エコスが所有する区画のエスカレーターは稼働しています。
2階に入居するダイソー。
かなり古い意匠ですが、いつまで営業を継続できるか不透明なため、改装されないのでしょう。
専門店部分は閉鎖されています。
大きく空いている区画がありましたが、こちらは営業当時から空き床だったようです。
元々ゲームコーナーやリサイクルショップがあった区画。
不要物を残したまま退去したようです。
2階はダイソーのみが営業しています。
それでは1階エコスの売場を見ていきます。
品揃えは全般的に普段使いや低価格帯に絞り込まれています。最低限の暮らしに必要な商品を買い求めるのであれば問題ない水準ですが、買い物の楽しさを提供出来ているとは言い難いと感じます。
青果売場。品揃えに面白みがなく、果物も品質がイマイチで商品が回転していない印象を受けます。
鮮魚売場。刺身や切身の比率が低く、期限の長い塩干で売場を埋めている状態。
精肉売場。
高級な和牛の取り扱いが無く、使用頻度の高いオーソドックスな品揃えに注力。
惣菜は手作り感ある商品も並び、夕方だけあって好調に売れている印象でした。
冷凍食品コーナー。天井には黒ずみも目立ちます。
洋日配の牛乳コーナー。
加工食品売場。
醬油コーナー。
ドレッシングコーナー。
エコス新治SC店 店舗概要
開業: 2002年12月20日
売場面積: 1527㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 10:00~20:00
住所: 茨城県土浦市大畑1611-1
駐車場: 917台(無料)
HP: https://www.eco-s.co.jp/store/%E6%96%B0%E6%B2%BB%EF%BD%93%EF%BD%83%E5%BA%97/
店内・売場の様子
時間帯: 平日16時頃
客数: やや少ない(店内に10~15人ほど)
客層: 主婦、高齢者中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや少なめ
売場の雰囲気: 特筆すべき点なし
品出し・前出し: 良い
クリンリネス: 良い
接客対応: やや良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 店内加工
鮮魚加工者: 店内加工
食品通常レジ: 3台(2台稼働中)
食品セミセルフレジ: 0台
食品完全セルフレジ: 0台
トイレ: やや汚い
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: くらしモア
1993年4月、長崎屋新治店を核店舗とする「新治ショッピングセンターさん・あぴお」が開業しました。現在は土浦市に編入されていますが、当時は茨城県新治郡新治村に立地していました。しかし2000年2月に長崎屋は会社更生法の適用を申請し、事実上経営破綻。当初は店舗網を維持したまま再建に取り組むものの業績は改善せず、2001年11月には全84店舗のうち31店舗の閉鎖を発表。その中に新治店も含まれており、2002年2月11日に営業を終了しました。なお、1999年度の長崎屋新治店の年商はおよそ29億0400万円、店舗面積6388㎡となっていました(2000年版日本スーパー名鑑より)。
長崎屋は施設全体11034㎡の半分程度で営業していましたが、単にテナントとして出店していた訳ではなく、専門店部分の新治商業協同組合と長崎屋が建物を折半し区分所有していました。その後長崎屋が所有していた区画はエコスが買い取り、2002年12月20日に「エコス新治SC店」を開業。余ったフロアにはウエルシアやダイソーを誘致しました。
ところが2022年11月17日、専門店街を運営する新治商業協同組合の破産手続開始決定がなされ、専門店は順次閉店。売上不振が続きテナントの撤退が相次いだ結果、施設運営は行き詰まり7億円程度の負債を抱え、破産申請に至りました。その後もエコスが区分所有するエコス直営売場とテナントのウエルシア、ダイソーは営業を継続しています。専門店街が営業していた当時より集客力には陰りが見えていたようですが、老朽化した施設に近隣型SCのようなテナント構成で現状の売上も芳しくありません。それでも各社撤退しないのは、家賃負担が非常に軽く、客数が少なくとも採算が取れているためと推測されます。一方で今後の営業期間が不透明であるため、ダイソーもかなり古い意匠のまま放置されています。
エコスの鮮魚・精肉・惣菜など店内加工品の加工者名は「エコスフレッシュパワー新治SC店」と記載されていますが、公式ホームページやレシートには「エコス新治SC店」のみとなっています。他店では埼玉県川越市のエコス木野目店で同様のフレッシュパワー表記が見られるようですが、特に業態として違いを打ち出しているようには感じませんでした。
エコスもかつてはレジが6台設置されていた痕跡が確認でき、繁盛していた時期もあるようですが、現在は3台に削減されています。1527㎡と扱いやすい規模のため、エコス境SC店で見られたような間延びした印象は抱きませんでしたが、品揃えは全般的に普段使いや低価格帯に絞り込まれており、アッパー品は大胆にカットされています。最低限の暮らしに必要な商品を買い求めるのであれば問題ない水準ですが、買い物の楽しさを提供出来ているとは言い難いと感じます。
入口から青果、鮮魚、精肉、惣菜と配置。青果は品揃えに面白みがなく、果物も品質がイマイチで商品が回転していない印象を受けます。鮮魚も刺身や切身の比率が低く、期限の長い塩干で売場を埋めている状態。精肉でも高級な和牛の取り扱いが無く、使用頻度の高いオーソドックスな品揃えに注力。惣菜は手作り感ある商品も並び、夕方だけあって好調に売れている印象でした。加工食品はエコス共通のラインナップで、高級品やこだわりの品は取り扱いません。
平日であるとしても夕方16時で店内に10人~15人程度しか居ないというのは非常に苦しい状況です。車での来店がほとんどであるにも関わらず客単価も低い水準で、平均でカゴ半分にも満たない程度にとどまっています。ローコストオペレーションを得意とするエコスにとってはこれでも利益が出るのでしょうが、一方で施設の老朽化に伴う保守修繕費は年々増加傾向にあると見られ、先行きは明るくありません。