せんどう国分寺台店
- 2024/01/06
- 20:32
千葉県市原市。
小湊鉄道の上総村上駅から徒歩24分程度のところに、せんどう国分寺台店はあります。
せんどうは千葉県市原市に本社を置き、県内24店舗を展開するスーパーマーケットです。2021年3月期の売上高は489億円、営業利益18億円、純利益15億円。2021年10月には埼玉県を地盤とするヤオコーと資本・業務提携を締結。ヤオコーがせんどうの株式の43.18%を取得し、持分法適用会社となりました。
店舗外観。1982年7月に開店後、2000年12月に2089㎡と同社最大級の店舗として現在の場所に移転オープンしています。
250台の駐車場を確保。
マクドナルド、不二家がテナントとして営業しています。
青果売場。導入部で旬のみかんを一面に陳列。糖度表示も行い、上質なこだわり商品も並びます。
売れ筋の定番野菜はボリューム展開を徹底。
キャベツ1玉100円など多少粗利を削ってでも集客に結びつけようとする価格設定も見受けられます。
トマトコーナー。
鮮度や品質は確かですが、他社がコーナー展開する有機野菜や地場野菜といった付加価値のある野菜は導入せず、少量・小分けサイズの対応もそれほど充実しているとは言えません。
店内中央部は天井が高く開放的な空間を演出します。
鮮魚売場。ガラス張りで調理風景が見えるオープンキッチン方式で鮮度感も追求。
金目鯛といった丸魚も販売。
石カレイ、むしカレイも取り扱い。
平台で生牡蠣、生たらを訴求。手書きPOPでメニュー提案も行います。
しらこは下処理方法も紹介。
充実の切身コーナー。
お刺身は中トロの入った4点盛り1280円や8点盛り2380円など平日から豪勢なアイテムも販売。
3点盛り498円といったお買い得品まで幅広い価格帯を揃えます。
真鯛とサーモンの海鮮カルパッチョも品揃え。
千葉県銚子港で水揚げされたいわしを使用した煮付けをオリジナル商品として販売。
「千葉のスーパーだから銚子漁港で水揚げされた魚だけでつくりました」
売場メイン通路。
精肉売場。
産地にこだわった銘柄肉を数多く導入します。地元千葉県産の「若潮牛」「卯の花牛」、北海道産「かみふらの和牛」など上質な肉質の和牛をラインナップ。
訪れた日には並んでいませんでしたが、三重県産「松坂牛」のボードも設置されていました。
輸入肉はニュージーランド産ファイブスタービーフ。
豚肉でも千葉県産「マーガレットポーク」、宮崎県産「六白黒豚」、三重県産「松坂ポーク」、山形県産「エゴマ豚」と豊富な品揃え。
他社では品質重視で1銘柄、価格訴求で1銘柄(またはノンブランド)といった構成が多い中、異例とも言える取り扱い数でバラエティに富んだ品揃えを提供します。
鶏肉も宮城県産森林どりを主軸に愛知県産「名古屋コーチン」、千葉県産「水郷赤鶏」などを揃えます。国産鶏もも肉は100g98円など普段使いのアイテムは競争力ある価格で販売。
精肉部門で販売されている豚肉を使用した煮豚も販売。
惣菜売場。
ガラス張りの厨房を導入しライブ感を演出。
店内調理の商品もこだわり商品が多数並びますが、ひと際目を引いたのは非常に高いクオリティの弁当がプロセスセンター加工で提供されている点です。
8種のおかず彩り弁当(498円)、鮭弁当(498円)、豚生姜焼き弁当(450円)、三代目たいめいけん監修ハンバーグ弁当(498円)といった手作り感・出来立て感ある弁当がアウトパックで供給されており、店内調理の品と遜色ない水準で、見分けが付きません。
市原市内にあるプロセスセンターから運搬しているため実現できているとも言えますが、業界でもレベルの高いマミーマートと比較しても、せんどうの方が美味しそうな商品を製造できていると感じました。
握り寿司も専門性の高い品揃えで、本マグロやウニ、イクラの入った特上握り寿司(13貫1480円、26貫2980円)を筆頭に、上握り寿司(10貫980円)、握り寿司(8貫698円、10貫798円)といった豊富な量目対応と品揃えが際立っていました。
特にイベント等も無い平日にも関わらず贅沢なアイテムを揃えています。
種類豊富な太巻きも販売されていました。
12月上旬に訪れたためローストチキンも並びます。
壁面で魚惣菜も集積して訴求。
ポークフランクといったグリル料理も充実。
唐揚げは「いち唐」というブランドで展開。きめ細かな量目対応も見せます。
中華惣菜も豊富なラインナップ。
自社プロセスセンター加工の煮魚も充実しています。
夕方にかけても出来立て・作り立てを提供しています。
続いて和洋日配コーナーを見ていきます。
地元市原市の「焼肉レストラン将軍」が発売するキムチも品揃え。
オリジナル商品「せんどう肉まん」
牛乳ではオリジナル商品「せんどう牛乳」も販売。
冷凍食品コーナーでは千葉県産の冷凍野菜も展開。
この他ワンプレートなど近年の時短・簡便需要に応える商品もきちんと取り揃えています。
加工食品売場。
醬油コーナー。
ドレッシングコーナー。
割合は高くないものの、高級品やこだわり商品も販売します。
「千葉の新のり」を大きく展開。
ペットボトル飲料。
ヤオコーとの提携から2年以上経っているのですが、ヤオコーのPB「Yes!」シリーズなどは導入されておらず、従来CGCといった共同仕入機構にも加入していなかったためPBの取り扱いはありません。
ワインコーナー。
1万円を超える高質ワインも販売します。
せんどう国分寺台店 店舗概要
開業: 1982年7月
売場面積: 2079㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:30~21:00
住所: 千葉県市原市国分寺台中央6-10-6
駐車場: 250台(無料)
HP: http://www.sendo.co.jp/shop.php
店内・売場の様子
時間帯: 平日14時頃
客数: 多い(売場に60~70人ほど)
客層: 主婦、高齢者、中高年夫婦中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 明るい
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: やや良い
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 2台(1台稼働中)
食品セミセルフレジ: 4台(2台稼働中)、精算機8台
食品完全セルフレジ: 12台
トイレ: 普通
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: 自社オリジナル商品
せんどうは1969年に設立、同年市原市に1号店となる八幡店を開店させます。1982年に開店させた2号店が、今回訪れた国分寺台店(市原市)となります。その後も市原市を中心とした千葉県内に出店を重ね、2021年3月期の売上高は489億円、営業利益18億円、純利益15億円となっています。2021年10月には埼玉県を地盤とするヤオコーと資本・業務提携を締結。ヤオコーがせんどうの株式の43.18%を取得し、持分法適用会社となりました。直近の2023年2月期では売上高471億円、店舗数24店舗(他ドラッグストア1店も運営)という業績で、1店舗あたりの平均年商がおよそ20億円というのはローカルスーパーとしては高い水準です。
国分寺台店は1982年7月に開店後、2000年12月に2089㎡と同社最大級の店舗として現在の場所に移転オープンしています。平屋ではあるものの、中央部は天井が高く開放的な空間を演出します。入口から青果、鮮魚、精肉、惣菜と壁面に沿って続くスタンダードな配置。
青果では導入部で旬のみかんを一面に陳列。糖度表示も行い、上質なこだわり商品も投入します。売れ筋の定番野菜はボリューム展開を徹底。鮮魚や精肉、惣菜ではそれほど価格訴求は強くない印象ですが、青果においてはキャベツ1玉100円など多少粗利を削ってでも集客に結びつけようとする価格設定も見受けられます。青果でも鮮度や品質は確かですが、他社がコーナー展開する有機野菜や地場野菜といった付加価値のある野菜は導入せず、少量・小分けサイズの対応もそれほど充実しているとは言えません。
鮮魚は平台ショーケースも多数配置し、丸魚と刺身を軸に切身や冷凍魚、塩干、海産乾物などをふんだんに揃えます。ガラス張りで調理風景が見えるオープンキッチン方式で鮮度感も追求。牡蠣やタラなどはレシピ紹介・メニュー提案にも取り組みます。お刺身は中トロの入った4点盛り1280円や8点盛り2380円など平日から豪勢なアイテムが並んでいる一方、3点盛り498円といった幅広い価格帯を揃えます。
精肉では産地にこだわった銘柄肉を数多く導入します。地元千葉県産の「若潮牛」「卯の花牛」、北海道産「かみふらの和牛」など上質な肉質の和牛をラインナップ。訪れた日には並んでいませんでしたが、三重県産「松坂牛」のボードも設置されていました。豚肉でも千葉県産「マーガレットポーク」、宮崎県産「六白黒豚」、三重県産「松坂ポーク」、山形県産「エゴマ豚」と豊富な品揃えで、鶏肉も愛知県産「名古屋コーチン」、千葉県産「水郷赤鶏」などを揃えます。他社では品質重視で1銘柄、価格訴求で1銘柄(またはノンブランド)といった構成が多い中、異例とも言える取り扱い数でバラエティに富んだ品揃えを提供します。地元千葉県産のアイテムも多く、地産地消にも貢献。一方で国産鶏もも肉は100g98円など普段使いのアイテムは競争力ある価格で販売します。
惣菜もガラス張りの厨房を導入しライブ感を演出。店内調理の商品もこだわり商品が多数並びますが、ひと際目を引いたのは非常に高いクオリティの弁当がプロセスセンター加工で提供されている点です。8種のおかず彩り弁当(498円)、鮭弁当(498円)、豚生姜焼き弁当(450円)、三代目たいめいけん監修ハンバーグ弁当(498円)といった手作り感・出来立て感ある弁当がアウトパックで供給されており、店内調理の品と遜色ない水準で、見分けが付きません。市原市内にあるプロセスセンターから運搬しているため実現できているとも言えますが、業界でもレベルの高いマミーマートと比較しても、せんどうの方が美味しそうな商品を製造できていると感じました。
握り寿司も専門性の高い品揃えで、本マグロやウニ、イクラの入った特上握り寿司(13貫1480円、26貫2980円)を筆頭に、上握り寿司(10貫980円)、握り寿司(8貫698円、10貫798円)といった豊富な量目対応と品揃えが際立っていました。その他揚げ物、天ぷら、焼き鳥、魚惣菜、中華惣菜なども手の込んだこだわり商品が並び、毎日利用しても飽きの来ない充実したラインナップを実現しています。夕方17時まで出来立て商品を提供しているとアピールするボードも設置されており、実際に夕方にも製造された商品が売場に並べられていました。
和洋日配では地場商品やオリジナル商品を多く投入しており、POPでのアピールも上手く出来ています。オリジナル商品は牛乳、卵といった日常使いのアイテムから肉まん、いわし煮付けなど展開します。加工食品はヤオコーとの提携から2年以上経っているのですが、ヤオコーのPB「Yes!」シリーズなどは導入されておらず、従来CGCといった共同仕入機構にも加入していなかったためPBの取り扱いはありません。仕入れなどでヤオコーとの提携も進んでいると見込まれますが、価格は大手チェーンと比べるとやや割高な印象を受けました。基本的にはオーソドックスな商品構成ですが、高級品、こだわりの品は所々に差し込むほか、手書きPOPなども駆使しておすすめ商品を魅せる技術には長けています。酒売場も狭いためアイテム数は多くないものの、提案型の良い売場づくりが出来ています。
平日の14時という時間帯にも関わらず駐車場は6割ほど埋まり、店内は60~70人程度のお客さんで賑わっていました。車での来店が中心であるためカゴ一杯に商品を購入する方も多く、平均してもカゴ8割程度は買い物していると見受けられました。鮮度や品質を重視した生鮮・惣菜売場にお客さんが滞留しており、強い来店動機となっているようです。夕方17時に再度訪れると店内の客数は100人を超え、売場は活気に満ち溢れていました。個人的にも生活圏にあれば日々の買い物で利用したいと思える、素晴らしいお店でした。地域住民の熱烈な支持を集めるせんどうには、ヤオコーにとっても参考になる点があったのではないでしょうか。
小湊鉄道の上総村上駅から徒歩24分程度のところに、せんどう国分寺台店はあります。
せんどうは千葉県市原市に本社を置き、県内24店舗を展開するスーパーマーケットです。2021年3月期の売上高は489億円、営業利益18億円、純利益15億円。2021年10月には埼玉県を地盤とするヤオコーと資本・業務提携を締結。ヤオコーがせんどうの株式の43.18%を取得し、持分法適用会社となりました。
店舗外観。1982年7月に開店後、2000年12月に2089㎡と同社最大級の店舗として現在の場所に移転オープンしています。
250台の駐車場を確保。
マクドナルド、不二家がテナントとして営業しています。
青果売場。導入部で旬のみかんを一面に陳列。糖度表示も行い、上質なこだわり商品も並びます。
売れ筋の定番野菜はボリューム展開を徹底。
キャベツ1玉100円など多少粗利を削ってでも集客に結びつけようとする価格設定も見受けられます。
トマトコーナー。
鮮度や品質は確かですが、他社がコーナー展開する有機野菜や地場野菜といった付加価値のある野菜は導入せず、少量・小分けサイズの対応もそれほど充実しているとは言えません。
店内中央部は天井が高く開放的な空間を演出します。
鮮魚売場。ガラス張りで調理風景が見えるオープンキッチン方式で鮮度感も追求。
金目鯛といった丸魚も販売。
石カレイ、むしカレイも取り扱い。
平台で生牡蠣、生たらを訴求。手書きPOPでメニュー提案も行います。
しらこは下処理方法も紹介。
充実の切身コーナー。
お刺身は中トロの入った4点盛り1280円や8点盛り2380円など平日から豪勢なアイテムも販売。
3点盛り498円といったお買い得品まで幅広い価格帯を揃えます。
真鯛とサーモンの海鮮カルパッチョも品揃え。
千葉県銚子港で水揚げされたいわしを使用した煮付けをオリジナル商品として販売。
「千葉のスーパーだから銚子漁港で水揚げされた魚だけでつくりました」
売場メイン通路。
精肉売場。
産地にこだわった銘柄肉を数多く導入します。地元千葉県産の「若潮牛」「卯の花牛」、北海道産「かみふらの和牛」など上質な肉質の和牛をラインナップ。
訪れた日には並んでいませんでしたが、三重県産「松坂牛」のボードも設置されていました。
輸入肉はニュージーランド産ファイブスタービーフ。
豚肉でも千葉県産「マーガレットポーク」、宮崎県産「六白黒豚」、三重県産「松坂ポーク」、山形県産「エゴマ豚」と豊富な品揃え。
他社では品質重視で1銘柄、価格訴求で1銘柄(またはノンブランド)といった構成が多い中、異例とも言える取り扱い数でバラエティに富んだ品揃えを提供します。
鶏肉も宮城県産森林どりを主軸に愛知県産「名古屋コーチン」、千葉県産「水郷赤鶏」などを揃えます。国産鶏もも肉は100g98円など普段使いのアイテムは競争力ある価格で販売。
精肉部門で販売されている豚肉を使用した煮豚も販売。
惣菜売場。
ガラス張りの厨房を導入しライブ感を演出。
店内調理の商品もこだわり商品が多数並びますが、ひと際目を引いたのは非常に高いクオリティの弁当がプロセスセンター加工で提供されている点です。
8種のおかず彩り弁当(498円)、鮭弁当(498円)、豚生姜焼き弁当(450円)、三代目たいめいけん監修ハンバーグ弁当(498円)といった手作り感・出来立て感ある弁当がアウトパックで供給されており、店内調理の品と遜色ない水準で、見分けが付きません。
市原市内にあるプロセスセンターから運搬しているため実現できているとも言えますが、業界でもレベルの高いマミーマートと比較しても、せんどうの方が美味しそうな商品を製造できていると感じました。
握り寿司も専門性の高い品揃えで、本マグロやウニ、イクラの入った特上握り寿司(13貫1480円、26貫2980円)を筆頭に、上握り寿司(10貫980円)、握り寿司(8貫698円、10貫798円)といった豊富な量目対応と品揃えが際立っていました。
特にイベント等も無い平日にも関わらず贅沢なアイテムを揃えています。
種類豊富な太巻きも販売されていました。
12月上旬に訪れたためローストチキンも並びます。
壁面で魚惣菜も集積して訴求。
ポークフランクといったグリル料理も充実。
唐揚げは「いち唐」というブランドで展開。きめ細かな量目対応も見せます。
中華惣菜も豊富なラインナップ。
自社プロセスセンター加工の煮魚も充実しています。
夕方にかけても出来立て・作り立てを提供しています。
続いて和洋日配コーナーを見ていきます。
地元市原市の「焼肉レストラン将軍」が発売するキムチも品揃え。
オリジナル商品「せんどう肉まん」
牛乳ではオリジナル商品「せんどう牛乳」も販売。
冷凍食品コーナーでは千葉県産の冷凍野菜も展開。
この他ワンプレートなど近年の時短・簡便需要に応える商品もきちんと取り揃えています。
加工食品売場。
醬油コーナー。
ドレッシングコーナー。
割合は高くないものの、高級品やこだわり商品も販売します。
「千葉の新のり」を大きく展開。
ペットボトル飲料。
ヤオコーとの提携から2年以上経っているのですが、ヤオコーのPB「Yes!」シリーズなどは導入されておらず、従来CGCといった共同仕入機構にも加入していなかったためPBの取り扱いはありません。
ワインコーナー。
1万円を超える高質ワインも販売します。
せんどう国分寺台店 店舗概要
開業: 1982年7月
売場面積: 2079㎡(日本スーパー名鑑より)
営業時間: 9:30~21:00
住所: 千葉県市原市国分寺台中央6-10-6
駐車場: 250台(無料)
HP: http://www.sendo.co.jp/shop.php
店内・売場の様子
時間帯: 平日14時頃
客数: 多い(売場に60~70人ほど)
客層: 主婦、高齢者、中高年夫婦中心
買い物内容: 生鮮、惣菜中心にやや多め
売場の雰囲気: 明るい
品出し・前出し: やや良い
クリンリネス: やや良い
接客対応: 良い
店内BGM: 有線放送
精肉加工者: 自社店内
鮮魚加工者: 自社店内
食品通常レジ: 2台(1台稼働中)
食品セミセルフレジ: 4台(2台稼働中)、精算機8台
食品完全セルフレジ: 12台
トイレ: 普通
休憩スペース: あり
インストアベーカリー: 無し
プライベートブランド: 自社オリジナル商品
せんどうは1969年に設立、同年市原市に1号店となる八幡店を開店させます。1982年に開店させた2号店が、今回訪れた国分寺台店(市原市)となります。その後も市原市を中心とした千葉県内に出店を重ね、2021年3月期の売上高は489億円、営業利益18億円、純利益15億円となっています。2021年10月には埼玉県を地盤とするヤオコーと資本・業務提携を締結。ヤオコーがせんどうの株式の43.18%を取得し、持分法適用会社となりました。直近の2023年2月期では売上高471億円、店舗数24店舗(他ドラッグストア1店も運営)という業績で、1店舗あたりの平均年商がおよそ20億円というのはローカルスーパーとしては高い水準です。
国分寺台店は1982年7月に開店後、2000年12月に2089㎡と同社最大級の店舗として現在の場所に移転オープンしています。平屋ではあるものの、中央部は天井が高く開放的な空間を演出します。入口から青果、鮮魚、精肉、惣菜と壁面に沿って続くスタンダードな配置。
青果では導入部で旬のみかんを一面に陳列。糖度表示も行い、上質なこだわり商品も投入します。売れ筋の定番野菜はボリューム展開を徹底。鮮魚や精肉、惣菜ではそれほど価格訴求は強くない印象ですが、青果においてはキャベツ1玉100円など多少粗利を削ってでも集客に結びつけようとする価格設定も見受けられます。青果でも鮮度や品質は確かですが、他社がコーナー展開する有機野菜や地場野菜といった付加価値のある野菜は導入せず、少量・小分けサイズの対応もそれほど充実しているとは言えません。
鮮魚は平台ショーケースも多数配置し、丸魚と刺身を軸に切身や冷凍魚、塩干、海産乾物などをふんだんに揃えます。ガラス張りで調理風景が見えるオープンキッチン方式で鮮度感も追求。牡蠣やタラなどはレシピ紹介・メニュー提案にも取り組みます。お刺身は中トロの入った4点盛り1280円や8点盛り2380円など平日から豪勢なアイテムが並んでいる一方、3点盛り498円といった幅広い価格帯を揃えます。
精肉では産地にこだわった銘柄肉を数多く導入します。地元千葉県産の「若潮牛」「卯の花牛」、北海道産「かみふらの和牛」など上質な肉質の和牛をラインナップ。訪れた日には並んでいませんでしたが、三重県産「松坂牛」のボードも設置されていました。豚肉でも千葉県産「マーガレットポーク」、宮崎県産「六白黒豚」、三重県産「松坂ポーク」、山形県産「エゴマ豚」と豊富な品揃えで、鶏肉も愛知県産「名古屋コーチン」、千葉県産「水郷赤鶏」などを揃えます。他社では品質重視で1銘柄、価格訴求で1銘柄(またはノンブランド)といった構成が多い中、異例とも言える取り扱い数でバラエティに富んだ品揃えを提供します。地元千葉県産のアイテムも多く、地産地消にも貢献。一方で国産鶏もも肉は100g98円など普段使いのアイテムは競争力ある価格で販売します。
惣菜もガラス張りの厨房を導入しライブ感を演出。店内調理の商品もこだわり商品が多数並びますが、ひと際目を引いたのは非常に高いクオリティの弁当がプロセスセンター加工で提供されている点です。8種のおかず彩り弁当(498円)、鮭弁当(498円)、豚生姜焼き弁当(450円)、三代目たいめいけん監修ハンバーグ弁当(498円)といった手作り感・出来立て感ある弁当がアウトパックで供給されており、店内調理の品と遜色ない水準で、見分けが付きません。市原市内にあるプロセスセンターから運搬しているため実現できているとも言えますが、業界でもレベルの高いマミーマートと比較しても、せんどうの方が美味しそうな商品を製造できていると感じました。
握り寿司も専門性の高い品揃えで、本マグロやウニ、イクラの入った特上握り寿司(13貫1480円、26貫2980円)を筆頭に、上握り寿司(10貫980円)、握り寿司(8貫698円、10貫798円)といった豊富な量目対応と品揃えが際立っていました。その他揚げ物、天ぷら、焼き鳥、魚惣菜、中華惣菜なども手の込んだこだわり商品が並び、毎日利用しても飽きの来ない充実したラインナップを実現しています。夕方17時まで出来立て商品を提供しているとアピールするボードも設置されており、実際に夕方にも製造された商品が売場に並べられていました。
和洋日配では地場商品やオリジナル商品を多く投入しており、POPでのアピールも上手く出来ています。オリジナル商品は牛乳、卵といった日常使いのアイテムから肉まん、いわし煮付けなど展開します。加工食品はヤオコーとの提携から2年以上経っているのですが、ヤオコーのPB「Yes!」シリーズなどは導入されておらず、従来CGCといった共同仕入機構にも加入していなかったためPBの取り扱いはありません。仕入れなどでヤオコーとの提携も進んでいると見込まれますが、価格は大手チェーンと比べるとやや割高な印象を受けました。基本的にはオーソドックスな商品構成ですが、高級品、こだわりの品は所々に差し込むほか、手書きPOPなども駆使しておすすめ商品を魅せる技術には長けています。酒売場も狭いためアイテム数は多くないものの、提案型の良い売場づくりが出来ています。
平日の14時という時間帯にも関わらず駐車場は6割ほど埋まり、店内は60~70人程度のお客さんで賑わっていました。車での来店が中心であるためカゴ一杯に商品を購入する方も多く、平均してもカゴ8割程度は買い物していると見受けられました。鮮度や品質を重視した生鮮・惣菜売場にお客さんが滞留しており、強い来店動機となっているようです。夕方17時に再度訪れると店内の客数は100人を超え、売場は活気に満ち溢れていました。個人的にも生活圏にあれば日々の買い物で利用したいと思える、素晴らしいお店でした。地域住民の熱烈な支持を集めるせんどうには、ヤオコーにとっても参考になる点があったのではないでしょうか。